表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
42/66

42

「だから、制御の仕方をマスターするまで二人に近づいちゃいけないの。」

ステファニーは、泣きながら二人に説明した。

すると、アイリッシュは、大きなため息をついた。

「ステフ、暴走して危ないのは癒しの魔法だけじゃないわ。火や風、水すべての魔法は暴走したら人の命を奪う可能性がある。私やブラッドも制御の仕方をマスターするまで他の人に近づかないで一人でいた方がいいのかしら。」

アイリッシュは、ステファニーを視線をそらさずじっと見つめた。

「それは…。」

アイリッシュの言葉にステファニーは何も言い返せなかった。

「ステフ、魔法が暴走するとしたら誰かに向けて発動した時だろ。ステフはいつも手当たり次第に相手に魔法を発動してるのかな。」

ブラッドリーは、穏やかに話した。

「違うわ。そんなことしていないわ。魔法を使うのは実技の授業だけよ。」

「だったら、暴走する可能性があるのは先生達がいてくれる時じゃないか。ステフは心配しすぎだよ。それに、ステフは実技の授業の時、僕達の怪我をしっかり治してくれているじゃないか。体が変になったことなんて一度もないよ。」

ブラッドリーは、ステファニーに言い聞かせるように話した。

ステファニーは、ただ下を向いて黙っていた。

すると突然、アイリッシュはステファニーに向かって泣きながら叫んだ。

「ステフ、私は怒ってるのよ。私達、友達でしょ。悩んでいるなら、何ですぐ相談してくれなかったの?訳も分からず、ステフに避けられて私がどれだけ悲しかったか分かる?何があっても私達はステフの力になるっていったじゃない。そんなに私達は頼りない?」

ステファニーは、アイリッシュの切ない叫びに胸が痛くなった。相手の事を思ってしていたことが、こんなにもアイリッシュを傷つけていたとは思わなかった。

「アイリッシュ、そんなに怒るなよ。ステフだって、悪気があってやったことじゃないんだから。」

「そんなこと私にだってわかってる。わかってるけど、悲しいの。ステフが私達を頼ってくれなかったことが悲しいの。」

「それは、僕だってその気持ちは分かるけど…」

ブラッドリーは、アイリッシュの頭を撫でた。

「アイル、ブラッド、ごめんなさい。私、二人の気持ち考えてなかった。こうするのが一番だって思い込んでいた…。本当にごめんなさい。」

ステファニーは、二人に頭を下げた。

「これからは、頼ってくれる?一人で考えこまないで。」

「うん。これから、困った事があったら必ず二人に相談する。」

「約束よ。」

「うん。」

「じゃあ、仲直りしましょ。」

アイリッシュは、ステファニーをつよく抱き締めた。

抱き合う二人の頭をブラッドリーは撫でていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ