39
ステファニーの学園生活は、まあまあ穏やかに過ぎて行った。
ステファニーを見て、こそこそと話す生徒はいたが、それはステファニーの瞳の色を恐れているのが理由だった。そのため、あいてはステファニーに距離をとっているので、直接何か言われることは無かった。それに、こそこそと話す人を見つけるたびに隣にいるアイリッシュがステファニーに気がつかれないように、にらみつけていたのも理由だろう。
勉強は、初めて知ることが多く、ステファニーは毎回わくわくしていた。また、アイリッシュの隣の席ということもあり、教室で過ごすことも苦にはならなかった。そして、教室でアイリッシュやブラッドリーと楽しく会話する姿を見て、少しずつ話しかけてくれるクラスメイトも現れた。
そんなこともあり、ステファニーは二人以外にも人と目を見て話すことが少しずつ出来るようになった。そして、学園で一日を過ごすことが増えた。
しかし、すべての授業を取っている訳ではないステファニーは、空いた時間は学園に併設してある、図書館で過ごした。アイリッシュやブラッドリーと過ごすのも楽しいが、一人で図書館で過ごすのもステファニーにとって大切な時間だった。
空いた時間には、必ずと言っていいほど、毎回図書館を利用する為、司書の人も優しく迎えてくれる。
「今日は何を読もうかしら。」
ステファニーは、魔法に関する書籍の棚をみていた。本棚から一冊手に取ると、机へと向かった。
その本には、様々な魔法の種類や強さに関することが書いてあった。授業でも、基本的な魔法の種類や訓練することでどのようなことが可能になるかは学んだが、ステファニーの癒しの魔法は珍しく授業では習っていなかった。
火の魔法→使用者は、赤い瞳の者に多い。
炎を生み出し相手を攻撃する。
訓練により、炎の威力の増減の操作が
可能になり、火の壁をつくることも
可能となる。
火使いは、雷の魔法との相性が良い。
風の魔法→使用者は、黄色い瞳の者に多い。
風を使い、突風で相手を攻撃する。
訓練により、風で防護壁を作ることが
可能になる。
また、竜巻も得意な攻撃と言える。
風使いは、土や植物の魔法との相性が
良い。
水の魔法→使用者は、青い瞳の者に多い。
水を使い、放水などの技を使い相手を
攻撃する。
訓練により、水の威力の増減操作が
可能なり、様々な形に水を変化させ
ることが可能となる。
水使いは、氷の魔法との相性が
良い。
その本にも、基本の三大魔法の説明は詳しく載っていた。しかし、ステファニーの癒しに関する魔法に関する説明は少なかった。
光の魔法→使用者は限られた僅かな者。
癒しの力を使い、傷を治したり、
癒しを与える。
(これだけでは、何も分からないわ…。限られた者ということは、この魔法について分からない事が多いのかしら。次の実技の授業の時にでも、先生に聞いてみようかしら。)




