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メイリーンやアイリッシュ達とお茶を楽しんだあと、二人は、町へと出かけた

町では、人々が美味しいものを食べたり飲んだり楽しそうにしていた。

「ステフ、何か欲しいものはある?それとも、何か買ってベンチで食べようか。」

先ほどまでお茶会をしていた為、そこまでお腹はすいていなかったがせっかくなので何か買うことにした。

最初の頃、サングラスをかけても顔をあげるのを怖がっていたが、今は顔をあげ目を輝かせた。久しぶりの外の世界は輝いて見えた。たくさんの笑顔がサングラスのステファニーに向けられた。

二人は、野菜がたくさん入ったスープを買って噴水の近くのベンチに座った。噴水の回りではたくさんの子どもたちが遊んでいた。

「ステフ、疲れてないかい?大丈夫?」

「大丈夫。アイリッシュ様に頂いたサングラスのおかげで人の目が怖くなかったわ。」

温かいスープでサングラスが曇るのでステファニーはサングラスを外し、髪で控えめに瞳を隠した。

二人が話していると足元にボールが転がってきた。

男の子がステファニーからボールを貰おうと近づいた。すると、男の子は、黒い瞳に気付くと驚いて固まった。

「何で黒い目の人がいるの…。黒い目は悪い人の証なんだよ。僕近づいちゃいけないって言われているんだ。」

男の子の言葉にステファニーはあわててサングラスをかけ、下を向いた。

「このお姉さんは悪い人なんかじゃないよ。」

ブラッドリーは、男の子に優しい声で話した。

「だって、黒い目は悪い心の人だって、母さんが言ってた。」

男の子は、信じられないとブラッドリーに向かって言った。

「このお姉さんは、綺麗な花を育てている優しい人なんだよ。お姉さんのお花は見る人を優しい気持ちにさせるんだよ。そんな人が悪いはずないだろう。」

「でも…。」

「君のお母さんが今まで会った悪い人がたまたま黒い瞳だっただけじゃないかな。僕は黒い瞳の人はこのお姉さんしか知らないけど、彼女はとても優しい人だって証明できるよ。何より僕の大切な友達なんだ。大切な友達を悪く言われるのは悲しいな。君だって大切な友達がいるだろう。」

「本当に悪い人じゃないの?」

「もちろん。」

「わかった。お兄ちゃんを信じる。」

「お姉ちゃん、さっきはごめんなさい。あと、ボール拾ってくれてありがとう。」

男の子は、ステファニーに謝るてボールを受けとると走って行った。

「ステフ、ごめんね。嫌な思いさせちゃったね。」

ブラッドリーは、悲しげにステファニーを見た。

「ううん。ブラッドは助けてくれたじゃない。それに友達だって。」

「ごめん。友達になってくれるか確認してもいないのに勝手に言って。嫌だったかな。」

「私もずっと友達になりたかったから。ブラッド友達になって下さい。」

「本当に?やったー。友達に昇格だ。」

ブラッドリーは、ステファニーを抱き締めた。

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