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ステファニーは、迷ったが両親に花を飾る事に聞いてみる事にした。
「お父様、お母様、実は私が育てている花を屋敷に飾りたいのですが。もちろん、出来るだけ華やかで綺麗な花を選びますので。」
ステファニーは、賛成してもらえるか分からず、遠慮がちにお願いした。
「まあ、ステファニーの花を屋敷に飾ってくれるの。もちろん、大賛成よ。ステファニーが育てている花は、とても綺麗なものばかりじゃない。すごく嬉しいわ。旦那様も賛成ですよね。」
マリアンヌは目を輝かせて喜んだ。
「もちろん、私も賛成だ。ステファニーの花が屋敷を飾るなんてすごく楽しみだよ。花を飾るために綺麗な花瓶を新しく買わないとな。」
「そんな、新しい花瓶なんて。今ある花瓶で十分です。まだ、綺麗に花を飾れるかわかりませんし。」
アルフレッドが、新しい花瓶を買うと言うのに驚いてあわてて、否定した。でも、二人に受け入れてもらって、ステファニーはほっと胸をなでおろした。
(せっかく許してもらったんだから、みんなが喜ぶように綺麗に飾らなくちゃ。)
そして、さっそく温室に咲いている花をホールやサロンに飾った。ステファニーは花を飾るのは初めてなので、メアリーに手伝ってもらいながらも頑張った。ピンクや黄色で綺麗にまとめられた花は、派手さはないが優しい雰囲気をだしていた。
マリアンヌは、いけた花を見て、ステファニーをそっと抱きしめた。
「ステファニー、とっても素敵よ。ステファニーの花は見てると何か優しい気持ちになるわ。やっぱり育てているステファニーの気持ちが花に移ってるのかしら。」
ステファニーは、マリアンヌに突然優しい気持ちになると言われ、どう返していいか分からず困ってしまった。
「本当にステファニー様のお花は素敵です。使用人たちもとても喜んでおります。」
メアリーにまで花を誉められ、恥ずかしくなった。
「ありがとうございます。これからも頑張って飾ります。」
ステファニーはみんなに喜んでもらえたのが嬉しくて、ますます花を育てるのが楽しくなった。そして、今まで花は自分の悲しみを癒すだけの存在だったが、他の人を喜ばせる存在になり花も喜んでいる気がした。
(こんな気持ちになるなんて。花を飾るのを勧めてくれたブラッドにお礼を言わなくちゃ。)
ステファニーは、ブラッドリーに次会うのがちょっと楽しみになった。




