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本日2話目です。
ひとまず、この言い合いを止めなければと、ステファニーはあわてて話を始めた。
「お兄様、メアリー。二人の話はよくわかりました。お兄様の言うように、話せない事がプレッシャーになるとよくないし、でもメアリーの言うように無理をしすぎてブラッドリー様との交流が苦痛になるのも嫌です。ひとまず、聞きたい事は事前にいくつか考えておくけれど、まずはブラッドリー様との会話を一番に考えて、どうしても沈黙が辛くなったりした時は考えていた質問を聞くようにします。それで大丈夫かしら。」
ステファニーは二人の顔を交互にみた。
「ステファニーが、そう答えをだしたなら僕はいいよ。」
「ステファニー様が出した答えが一番でございます。」
ブラッドリーとメアリーはステファニーの答えに賛成してくれた。
「じゃあ、お兄様とメアリーは私の事でけんかしないでね。お兄様、メアリーは私の事を思って言ってくれたの。だから、メアリーを怒らないでくださいますか。」
ステファニーは、心配そうに二人を見た。
「セドリック様、先ほどは使用人の分際で意見など申し訳ありませんでした。」
メアリーはセドリックに深く頭を下げた。
「メアリー、気にしないでいいよ。メアリーもステファニーの事を真剣に考えてくれたからこそだ。ありがとう。」
「いえ、ステファニー様の幸せが私の幸せですから。」
メアリーとセドリックは、互いに微笑んだ。
ステファニーは、二人が先ほどの険悪な雰囲気からあっさり元の状態に戻った事にびっくりした。
(二人が仲直りしたようで良かったけど、どうしてかしら。あんなに相手を怒っていたように見えたのに。もし私だったらあんなに簡単に仲直りできるかしら。)
メアリーとセドリックをみて、ステファニーはやっぱり自分には友達を作るのは難しいのではないかと少し不安になった。
セドリックやメアリーに相談した事で、やっとステファニーからも少しずつ質問出来るようになった。まだまだ話す分量は7:3くらいだが。
そんなある日ブラッドリーは手に鉢植えを一つ持ってやってきた。
「ブラッドリー様、今日もお越し頂きありがとうございます。」
「今日でちょうど半年ですね。私が上手に会話をすすめられないので、いつ交流をやめたいと言われるかと本当はびくびくしていました。」
「とんでもありません。ブラッドリー様は話ベタなわたしの為にたくさん質問してくださいました。それなのに、私はそれに答えるのが精一杯で…。申し訳ありません。」
「ステファニー嬢が一生懸命に会話しようとしてくれてるのに、私がせっかち過ぎて質問の隙をなかなか与えられなかったのです。私こそすみません。」
「いえ、そんな…。」
お互いに謝っている状態に、ブラッドリーはおかしくなった。
「これでは、なかなかおわりませんね。ひとまず謝るのはそこまでで。」
「はい。すみません。あっ…。」
ステファニーは、また謝ってしまいあわてて口をふさいだ。
そんなステファニーの姿にブラッドリーは微笑んだ。
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