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ブラッドリーとステファニーの交流は、穏やかに始まった。

しかし、二人の会話は、残念ながらまったく盛り上がらなかった。

「ステファニー嬢は、日中は何をしていらっしゃるのですか。」

「温室や花壇におります。」

「本当にお花が大好きなのですね。」

「はい、大好きです。」


二人の会話は、ブラッドリーが質問し、ステファニーが一言答える。ずっとそんな感じだった。

ステファニーも「何か質問しなくては、…。」と考えているうちに時間が空いてしまい、その間にブラッドリーがまた質問するため会話が一方通行になるのだ。

(どうしましょう。でも、一体何を聞いたらいいのかしら。変な事を聞いて、気分を悪くされたら申し訳ないし。)

ステファニーは、近くにいるメアリーをチラッとみたが、メアリーはただ微笑んでいるだけだった。


「ステファニー嬢、今日はありがとうございました。初めてゆっくりお話し出来て良かったです。では、今日は失礼いたします。」

ブラッドリーは、ステファニーの負担になってはいけないと、1時間ほどで帰って行った。

あまりの会話の弾まなかったこともあり、きっとブラッドリーは怒って帰っていたのではとステファニーは不安になった。

そして、もしかしたらブラッドリーはもうここを訪れないかも知れないと思った。

(万が一、そうなってもしょうがないわ。だって、私、ほとんど話せなかったし。やっぱり、私に友達なんて無理だったのよ。またいつも生活になるだけだわ。でも、一回でお断りされたら、お父様達を失望させてしまうかしら。それは、申し訳ないわ。どうしましょう。)

ステファニーは、断りの文が来た時のことを考えると、心が沈んだ。


しかし、その二週間後、またブラッドリーはステファニーに会いにきた。てっきり、断られると思っていたステファニーは驚いた。

それならば、今度こそはちゃんとしなくてはとおもったが、まったく前回と変わらなかった。そして、残念ながらまた続かない会話を一時間過ごしてブラッドリーは帰って行った。


(これは、本当にまずいわ。どうしましょう。)


ステファニーは、このままではきっとブラッドリー様に本当に飽きられてしまうと思った。そんなことがあれば、両親に申し訳ないし、そしてせっかく来て頂いているブラッドリーにこんな時間を過ごしてもらうのは申し訳ないとは思った。

いくら自分で悩んでも、答えが見えないステファニーは、メアリーとセドリックに相談することにした。


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