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エイミーは、ニコッと笑った。

「もし、無理だと思ったら友達になってからでも、距離を置いてもいいんです。友達としてやっていけるかどうかは、その人と一緒にいたいと思えるかじゃないでしょうか。一緒にいて辛いのは友達ではないのでしょうか。一緒にいて辛いなら私は距離を置きます。」

あっけらかんと話すエイミーにステファニーは驚いた。

「えっ。だって友達なのにそんな簡単に…。友達って大切にするものでしょ。」

「さすがに、次の日から友達じゃなくなるわけではありませんが、一緒にいて辛いなら距離を置いて友達から知り合いくらいの関係になるかもしれません。ひどい裏切りだったらすぐ別れてしまうかもしれませんが。」

「でも、今まで仲良くしていたんだし、もしかしたら自分が悪いかもしれないし。」

「ステファニー様。私は自分の気持ちを押し殺してまで、自分を傷つけてくる人のそばにいる必要はないと思います。ましてや、友達とは思いません。友達だからこそ、相手を思ってあえてきついことを言うことがあるかもしれません。それでけんかしたり傷ついたり、落ち込むこともあるでしょう。でも、それは相手を大切に思うからこそです。それは、仲直りができるけんかです。しかし、裏切りや影で悪口を言ったりするのは友達ではないと思います。離れるべき人だったのです。」

「私には、わからないのよ。エイミーの様になかなか考えられないわ。裏切られるくらいなら、一人がいい。深く傷つくのは怖いのよ。」

「エイミー様にとって友達とは本当に心を許せて初めてなるものなのですね。とても特別でありお互いを信頼できてからなるものなのかもしれませんね。ですから、まだあったばかりのブラッドリー様とご友人関係になると言うのが怖いのではないでしょうか。」

「そうかもしれないわ。ブラッドリー様が悪い方だとは思わないのだけど。」

ステファニーはまた悩みこんでしまった。


「ステファニー様は、心が清らかだからこそ傷つきやすいのに。ご友人を作ることがこんなに心を悩ませると言うことに旦那様は気がついていらっしゃるのかしら。」

エイミー小さな声で呟いた。

「そうだ、ステファニー様。ブラッドリー様とは、いきなりご友人ではなく、少しずつ交流を深めてからその後どうするか考えてはいかがですか。」

「少しずつ?」

「はい。次にお会いするとしてもまだ二度目です。知り合いの方とお茶をしたり、お話をするととらえてはいかがですか。深い友人関係でなければ、そこまで傷つくことを恐れられなくても大丈夫なのではないでしょうか。もし、ステファニー様がブラッドリー様とお友達になりたいとお考えになった時改めて、ステファニー様から申し込まれたらいかがですか。」

「失礼にあたらないかしら。」

「旦那様とご相談頂かなくてはいけませんが、まだお互いをよく知らないので少しずつ仲良くしたいとお話してはいかがですか。ステファニー様が少しずつでも前向きに考えられた事をきっと喜ばれると思います。」

ステファニーは、まだ不安の中だったがたくさんの思いに答えてみようと思った。

「わかったわ。お父様にお話してみます。」

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