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その晩、セドリックがステファニーの部屋にやって来た。

「ステファニー、ちょっと話をしようか。」

セドリックは手に持っている2つのカップの内、一つをステファニーに渡した。

セドリックはステファニーのとなりに座るとゆっくり話始めた。

「今日の昼間の事、父上から聞いたよ。ステファニーは、友達を作ることをどう思っているのかな。」

「友達をつくるのは必要なことだとお父様はおっしゃいました。」

ステファニーは下を向きながら小さな声で答えた。

「父上の気持ちじゃなくて、ステファニーの気持ちを言ってごらん。友達は欲しくはないの。」

「どうして友達を作らないといけないのですか。今までのようにこの中で暮らしてはいけないのですか。」

ステファニーは涙をうかべながら必死に話した。

「いつか、いろんな人と繋がる為とはいつかここを出て行かないといけないからですか。黒い瞳の私は家族のお荷物だからですか。」

ステファニーは、今まで心にたまっていたことを吐き出すかのように叫んだ。


感情を爆発させるステファニーにセドリックは、とても驚いていた。

ステファニーはセドリックに対して、いつも自信なさげに下を向いてばかりで目を見て話すことさえ最近は少なかった。まして、ここまで強く気持ちを伝えてきたことがなかった。

そしてだからこそ、セドリックはステファニーの気持ちをしっかり受け止めてやらなければと思った。

「父上は、ステファニーをお荷物だなんて思っていないよ。もちろん、僕や母上、屋敷の者誰一人もそんな風にステファニーを思っていない。」

「じゃあ、どうしてこのままではいけないのですか。私はこのままで十分なのに…。」

瞳に涙をたくさん為て話すステファニーをセドリックは優しく抱きしめた。


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