閑話1:The Story of REN
キャラ紹介:
名前:アーシャ
年齢:15歳
性別:女
種族:ドワーフ
職業:鍛冶師 Lv58
スキル:鍛冶(Slv9)・マスターウエポン槌/ハンマー・錬金術(Slv5)
エスティアにて借金奴隷として売られていたところを蓮に買われた奴隷。鍛冶のみならず、錬金術の知識も少し持ち合わせていたので、迷宮における様々な必需品の作成は、彼女が行う事になるだろう。
スキル説明:
鍛冶:武器や防具の素材があれば作成することが出来る。使用する道具・Slvにより、作成される物の出来が変わる。
錬金術:必要な素材さえそろえば様々な物を作成することが出来る。(例:薬草を使って回復薬の作成etc)
―この話は、蓮が再びメギドに来る3年前の魔王が討伐された後の話である。
――…――…――
「はぁ、はぁ、あの腐れ国王め・・・ふざけやがって・・・はぁはぁ」
「いたぞーこっちだー」
「よし、1番隊は、そのまま追いかけろ。2番3番は、回り道を」
「「了解しました。」」
蓮は、必死に逃げていた。魔法を使いたいところだが、魔界からゲートを伝って帰って来たばかりなので、魔力が枯渇していて魔法が使えない。
「くそっ、あの国王め、覚えて・・・」
そう言っていると蓮がいたあたりの地面に白い魔方陣が現れて光を発し、魔方陣の上にいたはずの蓮が消えていた。
そもそも、何故こうなったのか。また少し時間をさかのぼる。
――…――…――
時は、蓮が帰ってくる2時間前の話だ。
「して、勇者レンの処分だが如何様にする?」
王様らしき人が言う。
「私は、このままお互い持ちつ持たれつの関係を続けていくべきだと思います。」
と、見目麗しい王妃様らしき人が言った。しかしながら会議に出席している貴族や王族の顔色は、悪い。
「彼は、私たちのために命を懸けて戦ってくれたのですよ?その恩をあだで返すつもりですか?」
「彼は・・・勇者レンは、力を持ち過ぎました。彼の力は、この国を脅威になるでしょう。それならば、帰ってきてすぐ時空間魔法で元の世界に強制帰還させるべきです。」
「「「「そうだそうだー」」」」
多くの貴族や王族がその意見に賛成する。その中、王妃の頬に涙が流れた。
(私一人では、どうしようもなかった。この国は、もう未来がありません。勇者レン・・・いえ、暁蓮。全てを掛けて魔王を倒してくださったのに、このような結果になってしまい申し訳ありません。)
王妃が、心の中で悲しんでいると、周りは、無情にも蓮を地球に強制帰還させる方法をじっくりと考えていた。そして、1人の貴族が思いついた。
「どうせ奴は、この世界に戻ってくるすべを持たないのでベルとカインに頼んで目標地点に呼び出してもらいましょう。」
「それが、最も成功率が、高そうですな。」
「しかしながら、どうやって彼の者たちに頼むのですか?」
「なに。少しばかし賄賂を忍ばせば問題ないですよ。」
「それもそうだな。これで、この国も安泰ですね。」
「ふぉふぉふぉ。左様ですな。」
(このような国で申し訳ありません。蓮・・・貴方の事は、一生忘れません。いつか機会があったら、貴方に頭を下げて許しを請いたいです。)
貴族や王族が喜んでいる中、1人浮かない顔をした王妃であった。
――…――…――
「おいおい、それは、マジかよ。」
「本気みたい。蓮を地球に強制帰還させて蓮は、処分されるみたい。」
「さすがにその依頼は、俺には、きついな。」
「そう言うと思った。私が、なんとかする。」
「ベル・・・お前、蓮の事なんとも思ってないのか?」
「私は、元々、貴族の奴隷。だから、逆らえない。私にもどうする事も出来ないの。こうするしかないの。蓮のことだってようやくだけど好きになって来た。これからもっともっと仲良くやって結婚だってしたかった。でもでも・・・私には、どうしようもないの。」
涙を流しながらカインに対して本心をさらけ出すベル。ベルは、蓮の事が最初の方は、気に食わない奴だと思っていた。しかしながら旅を続けて彼の優しさに触れ、恋心を抱いていた。そんな彼女であったが、実は、貴族の奴隷であり、そんな思いを持っていようが主に対しては、絶対である。そこを利用され彼女は、受けたくもない案件を受ける羽目になった。
「蓮・・・また会う事があったら、その時は、私が、罪を償うためこの身を差し出します。その時は、殺すなりなんなり好きにしてくれて構いません。」
ふと、そんな独り言をこぼしたベルであった。
――…――…――
そして、時は、計画実行の時になる。
「蓮・・・」
「お、ベルか。こんな時間にどうした?って、俺も人の事言えないな」
「私は、蓮を見かけたから追いかけて来ただけ。蓮は、どうしたの?」
「なんか、まだ魔王を倒したって実感がわかなくてさ。魔力が枯渇するほど疲れてるんだけど、寝れなくて夜風に当たりに来たんだ。」
「なるほど。そう言えば、さっき王様が蓮に会いたいって言ってたよ?なんでもすんごく重要な話があるとかで王の間で待ってるって」
「おぅ。伝言係みたいにして悪いな。ありがとよ、ベル。」
「気にしないで。それよりも、急ぎのようだったみたいだから、急いだほうが良いよ。」
「おぅ。またな。良い夢見ろよ!」
「うん。またね」
そう言って蓮は、走っていた。蓮は、疲れては、いたが王様の大事な用との事なので、持てる全力で王の間に向かった。そして、そこには、王様と護衛の騎士団がいた。
「悪いな。このような時間に呼び出して。」
「いえ。御気になさらず。それより、急ぎの用途は、いかがいたしましたか?」
「うむ。蓮よ。そなたは、よく魔王を倒してくれた。感謝しておるぞ。」
「いえ。当然のことを下までですので、気にしないで下さい。」
「それでな、蓮よ。そなたの力は、巨大すぎる。それゆえ、王族や貴族で話し合った結果一つの事が決まったのじゃ。」
「・・・参考程度にお聞かせ願えますか?」
「そなたを元居た世界に強制帰還させる。」
「左様ですか・・・。ちなみに、ベルは、このことを知っているのですか?」
「彼女は、元々、貴族の奴隷じゃ。どうやら主に対して幾分か好意を持っていたようじゃが、奴隷であるがゆえに主の命令には、逆らえまい。だから、今回は、それを利用してお主をこの場に引きずり出したのじゃ。カイン、ベル。この咎人を捉えよ。」
「「は。仰せのままに。」」
「おいおい・・・嘘だろ・・・。嘘だと言ってくれよ?ねぇ、カイン。ベル。君らは、俺の仲間じゃなかったのか?」
「・・・私は、貴族の奴隷。一時期は、貴方の仲間だった。でも今は、違う。」
「・・・蓮。すまない。」
「ちくしょおおおおぉおぉ」
そうして、蓮は追われる身となって、追われ始めて約3時間後。王都内のとある路地裏で蓮は、故郷である地球に帰還を果たす事となった。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
今回の話は、蓮の魔王討伐後の話です。この話が原因で王に対して復讐を行おうと蓮は、決意しました。
次回は、フィルの話です。フィルの話が終われば、ついにダンジョンを作った後の全貌が明らかになります。次回も次々回の話も楽しみにしていただけると有難いです。
※ユニークアクセスが、1万越え・Pvがそろそろ10万突破しそうです。読者の皆様方、このような趣味で書いている作品を読んで頂きありがとうございます。今後も出来る限り2・3日に1話を目標に頑張っていきます。と言っても、就活中なので、ペースが落ちるかもしれませんが、その辺は、生暖かい目で見守って頂けると有難いです。
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