35話:大戦開戦
※今回は、少しキリをよくするためにいつもの約1.5倍の量があります。
スキル解説>
2刀流:両手に武器を装備することが可能となる。
総括者:自分の配下の者に命令を与えると全ての能力が上がる
加速:一時的にスピードを上げる。
神速:瞬間移動の如くスピードを一時的に発揮する。
残虐:敵を倒せば倒すほど能力が上がる
虐殺:残虐の上位スキル。残虐よりも能力値の上がり方が高い。
暗黒古代魔法:魔族の中でも魔王や上位の魔族の者にしか使えない魔法。天災級の威力。
ゴブリンの心:ゴブリンの話が分かる。
オークの心:オークの話が分かる。
観察:相手の強さがなんとなくわかる
統治:配下の者を使役する時能力がほんの少し上がる。総括者の下位スキル。
加護:極稀に攻撃を無効化する。
幸運:運がよくなる。
激運:幸運の上位スキル。すんごく運がよくなる。
治癒魔法効率強化:治癒魔法の消費MPを半減させる。
必中:命中率が格段に上がる
鷹の目:遠くの物でもはっきりとみることが出来る。
連射:一度に複数の矢を放つことが出来る。
曲射:上空に矢を放つと対象に上から矢が降り注ぐ。
貫通能力UP:あらゆるものの貫通能力が上がる。
魔法弓:矢を魔法で作成することが可能になる。
壁抜き:壁を一枚必ず貫通することが出来る。
射貫き:一本の矢で複数の敵を貫くことが出来る。
ソニックウェーブ:稀にソニックウェーブが、発生する。
鮮血の覇者:自分のレベルから100引いた数値よりレベルの低い者を混乱状態に陥れる。
死霊使役:死霊を操れる。
死霊召喚:死霊を召喚する。
ゴブリンの皇帝:ゴブリンエンペラー専用スキル。あらゆる能力が格段に上がる。
搾取:自分の部下の経験値の1割を自分も得る。
総括:総括者の魔物バージョンのスキル。
統括:総括の下位スキル。配下の者の能力が少し上がる。
探知:周りの状況を知ることが出来る。
索敵:探知の上位スキル。周りの状況を把握できる。
忠義:配下の者のスキルを同じレベルで使用できる。
覇者の威圧:本編参照。
皇帝の威圧:覇者の威圧の上位スキル。自分のレベルマイナス50以下のレベルの者を恐怖か恐慌状態に陥れる。
激震:あらゆる魔法攻撃を武器ではじくことが出来る。
指示:配下の者に指示を与えると一部能力が少し上がる。
号令:指示の上位スキル。
ゴブリンの王:ゴブリンキング専用スキル。全ての能力が上昇する。
安定:様々な事が安定する。
王者の威圧:覇者の威圧の下位スキル。自分のレベルマイナス120以下のレベルの者を恐怖または恐慌状態に陥れる。
連絡:通信スキルの下位スキル。通信を持つ者にのみ連絡を行える。
狩人の目:鷹の目の下位スキル。ある程度遠くの者でも見ることが出来る。
見切り:次に来る攻撃がなんとなくわかる。
バサーク:攻撃力が格段に上昇する。代わりに治癒能力が少し下がる。
治癒能力UP:治癒する能力が上がる。
切断:極一部の物を除いたあらゆるものを切断できる。
断絶:切断の上位スキル。どんなものでも切断できる。
絶壁:鉄壁の上位スキル。防御力が格段に上がる。
投擲:投擲技術が上がる。
詠唱破棄:魔法の詠唱を破棄して技名だけで魔法が使用可能になる。
同時展開:複数の魔法を同時に使用できる。
遅延展開:対象の魔法を任意のタイミングで展開できる。
○○サモン:○○を召喚できる。
乱舞:攻撃回数が上がる。
光の加護:あらゆる状態異常を受け付けない。
大盾:絶壁の上位スキル。稀にあらゆる攻撃を無効化し、防御力が格段に上がる。
連携:自分の配下と行動を共にした際に双方の能力を上げる。
雨乞い:一時的に天候を雨に出来る。
ブラックサンダー:自らの体に黒い雷を纏う。
光速:神速の上位スキル。いかなる者も目視できない速度で移動できる。
迅雷:攻撃に雷属性を付与する。
遠吠え:ブラックウルフ系の魔獣にのみわかるように指示が出来る。
咆哮:相手を威圧する。
災悪:敵を倒す度に能力が格段に上昇する。
「さて、今日が、約束の日だな。移動するぞ。ゼロット。留守を頼んだ。」
『はい。かしこまりました。』
蓮に続いてフィル、カアラ、アミン、ユリ、セリーナ、リリーナ、ミリア、ナターシャが続く。
「蓮様、国を頼みます。」
エレノアは、蓮に言った。
「了解。」
これを最後に蓮達は、次元跳躍を使って決戦の地へと移動した。
――…――…――
「ようやく来おったか。」
レギンスは、魔法を使って蓮に声が届くようにしている。
「あぁ、別に遅れているつもりはないがな。」
蓮も同じようにして返す。
「だったら、始めるかの」
「そうだな。」
その合図とともに、王国側の兵士たちが動き出した。目測だけでおおよそ10万の数は、いる。
「相変わらず、数がすごいなー」
「ですね。」
「蓮様、よろしければ、この場は、任せてくれませんか?少しばかし敵を減らそうかと思います。」
蓮のつぶやきにフィルが答えていると、レンガが、提案してきた。
「んまー、良いよ。どのくらいに出来そう?」
「半分程度には、出来るかと・・・」
「マジか。期待しとくわ」
「了解しました。」
そう言って、レンガは、一番前に行った。そして、スキルの覇者の威圧を使った。すると、相手側の半数を超える約6割以上の者達が、声を出してわけのわからない行動をしている。
覇者の威圧。これを使うと、自分のレベルから100を引いたレベル以下のレベルの者が、たちまち恐怖や、恐慌状態に陥り、まともに戦闘が出来なくなるスキルである。つまり、今回レンガがレベル342で使ったので、レベル242以下の者達、つまり敵側の6割以上の人間が恐慌状態や恐怖の状態異常に陥っているというわけだ。
「案外うまくいくもんだな。んじゃ、敵の兵士は、レンガ達に任せる。ゲイルとフェンの部下もレンガの指示に従ってくれ。フェンだけは、俺と一緒に来てもらう。」
『了解しました。』
「フィルとカアラとセリーナとリリーナも俺と共に来てくれ。アミンとユリとナターシャは、ヒーラーとしてここに残っていてくれ。そして、ミリアは、アミンたちの護衛を頼む。」
『了解です。』
「んで、俺たちは、めんどくさいけど、勇者の連中を潰してくるわ。みんな、生きて帰るぞ。以上。」
『了解』
蓮の言葉と共に迷宮側も動き始めた。
――…―Sight of RENGA―…――
「さて、蓮様に正面を任されたわけだけど、犠牲は、少ないほうが良いよな?」
「だな。」
「んじゃ、ゲイル達とバルト達とレイル達で前衛を頼む。メイ達とリク達とゴーダ達は、後衛だ。マルタ達が護衛をするから存分にやってくれ。」
「了解です。」
「ニル達とセフィア達とイル達は、フェンの部下達と共に遊撃に回ってくれ。それから、ニル。今回の対戦に限り、わしとマルタの召喚を許可する。」
「かしこまりました。」
「カレルは、わしと共に指揮官を叩くぞ。カレルの部下たちは、ニル達と共に遊撃に回してくれ。」
「かしこまりました。」
「それでは、行くぞ。」
レンガの合図とともに、皆が行動を開始した。前衛部分では、壮絶な戦いが繰り広げられている。数だけで言えば、1体に対して5人の人間が囲んでいる状態だ。しかし、ほとんどの場所では、魔獣たちが善戦している。そして、一部の魔獣たちのそばでは、圧勝している状態であった。今は、拮抗している状態であるが、時間と共に此方の前衛が押し切るとレンガは、判断した。
「カレルよ。あそこの指揮官を殺しに行くぞ」
「承知。」
そうして、レンガとカレルは、指揮官の元まで走った。途中邪魔をしてくる兵士の全てをカレルが一刀のもとに切り伏せている。そして、しばらくすれば、レンガとカレルは、指揮官とその腹心の2人の目の前に辿り着いた。
「貴様、この包囲網を突破してきたのかたかがゴブリンのくせして」
「あなたは、誤解している。わしは、ゴブリンなんて器で収まるような者ではない。」
「ゴブリンがしゃべっただと?」
レンガが、人族の言葉を話したことに驚く指揮官。そもそも、エスティア王国側の指揮官と言うのは、ほぼ全てが貴族である。ゆえに蓮からは、指揮官は、問答無用で殺害していいとのお達しが出ている。
「そう驚く事では、無かろう。それと、もう一度言う。わしは、ゴブリンでは、無い。ゴブリンエンペラーと言う。同じゴブリンでも違うぞ。」
「ゴブリン如きが、わけのわからんことを・・・」
「カレルよ。」
「はっ。いかがなさいました?」
「そこの貴族の腹心っぽい人間を30秒で片付けれるか?」
「レンガ様。舐めてもらっては、困ります。斯様な者10秒あれば十分ですぞ。」
「そうか。すまなかったな。」
貴族の事など気にせず話しているレンガとカレルに貴族は、怒りをあらわにした。
「貴様らゴブリン風情が何を申す。マーカス。こやつらをさっさと始末してくれ。」
「かしこまりました。」
そう言ってマーカスと呼ばれた貴族の腹心は、剣を鞘から抜いた。
「我が名は、マーカスと申す。我が騎士道において勝負の際は、互いの名を名乗ることにしている。もし名があるのなら名乗るがいい。」
「俺の名前は、カレル。蓮様より頂いた名だ。貴殿は、そこのよくわからん者より話が分かるようだ。お互い尽力を尽くそう。」
「カレルと申すか。わかった。全力で行く。」
そう言ってマーカスは、カレルの元へと駆け出した。しかし、すぐにカレルは、マーカスの視界から消えた。そして、そのカレルは、いつの間にかマーカスの後ろに立っていた。カレルが剣を鞘に納刀すると同時にマーカスがつけていた鎧一式と剣が全て粉々になった。
「マーカスと申したか。中々の腕であったが、まだまだ修行が足らぬな。では、先へと進ませて貰う。」
カレルは、マーカスを10秒と言わず2秒で片付けた。当のマーカスは、何をされたかさっぱりわかっていない。そして、貴族は、目の前で起きた出来事に顔を真っ青にしていた。
「さて、先ほど馬鹿にしてくれた礼をしなくてわ。我が名は、レンガ。そこの指揮官。行くぞ?」
レンガがそう言うと、剣も抜かずに貴族の元へと走った。
「そのような無防備な姿で良いのか?喰らえ。ボルガノン」
貴族がそう言うと足元から赤い魔方陣を展開した。そして、そこから灼熱の炎が迸る。しかし、レンガは、全く効いていなかった。
「どうした?今のは、なんだ?」
「くっ、化け物めが」
そう言って貴族は、懐から1枚の札を取り出した。そして、呪文を唱えた。
「我、汝の契約者也。その姿をこの世に現し給え」
すると、神々しい光と共に天使が舞い降りてきた。以前蓮達が見たエゼリアとは、格が違う。しかし、そんな事を知らないレンガは、不思議な顔をしていた。
「カレルよ。あれが何かわかるか?」
「そう言えば、以前カアラ様が、エゼリアとか言う天使を殺したとか言っておりました。」
「じゃあ、あれは天使なのか?」
「契約者グラハム。私は、どうすればいい?」
「メサイアよ。そこのゴブリン2匹を葬ってくれ。」
「ゴブリン如きで私を出さない・・・」
そう言いながらメサイアと呼ばれた天使が、レンガ達の方を向く。そして、顔色が変わった。
「ゴブリンエンペラー・・・」
「わしが、どうかしたか?天使のメサイア氏。」
「あなたの様な災悪の根源は、我が手で断ちます。覚悟をしてください。」
「うーむ・・・天使と言えども他人の実力を見誤ることもあるのか」
そう言ったメサイアは、両手に光で槍を作り上げた。
「シャイニングスピア」
「ふむ。創造魔法によって槍を作り上げたか。」
そう言いながらも一切剣を抜こうとしないレンガ。
「わかったところであなたは、どうしようもないわ。死になさい。」
そう言って、メサイアは、両手の槍をレンガに向けて突き刺そうとした。しかし、レンガは、それを両手の人差し指と中指で槍の穂先を挟んで止めてしまった。それを見たメサイアは、目の前の出来事が信じられないでいた。
「バカな。貴様如きが私の槍を止めるだと・・・しかも、指二本で・・・」
「そなた如きの力では、わしには、未だに及ばんよ。」
そう言ったレンガは、突如メサイアの視界から消えて今度は懐に現れた。そして、メサイアを地面に向けて上から下に拳を振り下ろすように殴った。メサイアは、凄まじい速度で地面に激突し巨大なクレーターを作り上げて意識を失った。
「さて、先ほどメサイアとか言う天使がそなたをグラハムと言ったな。さらばじゃグラハムよ。」
そう言って、レンガは、唖然としているグラハムの首を胴体と切り離した。こうしてエスティア王国側の指揮官の1人が呆気なくやられてしまった。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
スキルの解説を書くのが地味に大変でした・・・と言うか、予想以上に長い・・・。
今回より最終章が始まります。楽しんで頂けると有難いです。
次回は、勇者が登場します。




