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元勇者の復讐劇  作者: 麗月
第1章:迷宮作成準備編
4/48

4話:竜王ヴリトラ

修正:


※蓮とフィルに自身のレベルを職業の横に追加。


追加修正:


1話の題名をエピローグから、終わりの始まりに変更しました。

 蓮が迷宮にもぐり始めて4日目。蓮は、25層にいた。倒してきた魔物の数およそ400体。1日当たり約100体計算だ。そんな、蓮の目の前に、未だ誰も倒したことのない魔物、竜王ヴリトラが、現れた。ヴリトラが、蓮を発見すると、大きな咆哮を挙げた。


「あいつが、ヴリトラか。そして、あの後ろの扉の中にこの迷宮の財宝があるのか。」


 そんな独り言を言っていると、ヴリトラが、口を開けて火球を10個ほど飛ばしてきた。蓮は、手に風を纏わせて、飛んでくる火球に狙いを定めて横に薙ぎ払った。


(エアブレイド)


 蓮は、心の中で技の名前を言った。蓮の放ったエアブレイドは、この世界にある似たような魔法である『エアカッター』の強化バージョンである。風の刃をエアカッターに比べて薄くすることにより切断する事だけに特化した技だ。そして、この技の最も厄介なところは、薄い刃のせいで目視するのが、非常に難しい事である。


 エアブレイドは、ヴリトラの放った10個の火球を全て半分に切断した。切断された火球は、全て蓮にぶつかる前に空中で爆発した。火球を切断したエアブレイドは、ヴリトラにも直撃するが、かすり傷をつけるぐらいしかできなかった。


『ほぉ、この体に傷をつけるとは。お主の様な人間は、初めてだ。』


「お前、話せたのか。」


『ドラゴンと言うものは、長命な故、年相応な知識を所持している。長く生きていれば、この世界の言葉だって覚えてしまうものだ。』


「ふーん。なるほどなー。んで、そこを通してくれたりしないのか?」


『無理だな。我を殺した者のみがこの扉の中の宝を手にすることが出来る。』


「なるほど。んじゃ、遠慮なく行くねー」


 そう言った蓮は、右手を頭の上に挙げた。すると、掌に光が集まって行き、光の球体を作り上げた。


「ライトニング」


 蓮は、掌の光の球をヴリトラに向けて投げつけた。すると、光の球は、急激に速度を上げてヴリトラに直撃した。直撃した途端、光の球は、分裂した。


「フォトンスピア」


 蓮がそう言った途端、光の球は、全て光の槍になった。そして、全てがヴリトラを貫いた。


『ぬぐぉ』


「これやって生きてるのか。恐ろしい生命力だねー。んじゃ、これは、どうかなー?」


 そう言うと、蓮の手に光が集まって行き3叉の槍が1本形成された。


『なんだ、その魔法は・・・』


「んっとねー、これは、トライデントって言う槍。これは、頭の中で武器を思い浮かべて魔法でそれを具現化したようなものだよ。どんな性能の武器でも作れる代わりに、とんでもない魔力の量を使用するんだよ。正直、1日2回か3回出来るか出来ないかだね。」


 この時、ヴリトラは、逃げられないと悟った。目の前に迫っている死の恐怖から。たかが一人の人間により、放たれる殺気。それを具現化させたような槍。ヴリトラは、本能から感じていた。


―今ここで、自分は、死ぬ。


『お主、名は、何と申す?』


「蓮だ。」


『蓮か。』


「あぁ、お前を殺した人間の名前だ。じゃあな。」


 そう言うと、蓮は、槍を構え、ヴリトラに向かって投げた。すると、槍は、瞬く間に消えた。その途端、ヴリトラの後ろから爆発音と思われる轟音が轟いた。蓮の投げた槍は、軽々とヴリトラを貫通して後ろにある壁に直撃していたのだった。


(ふ。蓮と言ったか。やつの様な人間がまだこの世にいたのか。長生きしてみるものだな。)


 そう思った矢先、ヴリトラは、長い生涯に幕を閉じた。



――…――…――


「えっとー、蓮さん?それは、どういう事ですか?」


「どうって言われても、ダンジョン制覇してきたとしか言いようがないんだけどなー」


「いえ。それは、わかります。ただ、蓮さん。ダンジョンに行ってくるって言って今日この日まで何日たちましたか?」


「ちょうど7日ですね!」


「あれですか。貴方は、非常識の固まりなんですか?どこの誰が、ダンジョンを7日で制覇したという事を信じろと言うんですか?信じて欲しいなら証拠を出してください!」


「わかりましたー!と言っても、ここじゃスペースが足りないので、お部屋か何か借りれませんかねー?」


「わかりました。少し待っててください。」


 受付嬢のメイルは、今蓮と言う名の非常識の塊(メイル談)と対談している。蓮は、自分が、マリードの迷宮を制覇してきたと言っている。それも、たった1週間で。メイルからしたら、この1週間で蓮の頭に何があったのか、気になってしょうがない。


「部屋の準備が出来ました。2回のホールに来てください。」


「はーい」


 そう言って、蓮とメイルは、ホールに向かった。ホールに着くとそこには、おじさんが一人と、商人と思わしき人が1人いた。


「紹介しますね。此方の方が、ギルドマスターのブラックさんで、此方の商人は、鑑定役のウォルトさんです。」


「蓮とやら。お主がマリードの迷宮を制覇したというなら証拠を見せては、くれないか?」


「わかりましたー」


 そう言った蓮は、アイテムボックスの中から次々とアイテムを取り出した。宝石・金・銀・オリハルコン・ミスリル・防具・武器・モンスターの素材・装飾品等々、蓮が迷宮で手に入れたアイテム全てをホールに出した。アイテムを出す度にブラックや、メイル、ウォルトの顔色がどんどん変わっていくのが、蓮の中では、少し面白かった。極めつけは、ヴリトラの素材を出した時だった。


「ふーこんな感じですかねー?」


「「「・・・。」」」


 3人そろって開いた口がポカーンとだらしなく開いていた。


「あのー・・・皆さん?」


「は!ここはどこだ?わしは、誰じゃ?」


 一番に正気に戻ったブラックであるが、正直頭の中は、まだ混乱している。次にウォルト、最後にメイルが正気に戻った。


「と言うわけで、自分的には、オリハルコンとヴリトラの素材と武具を残して他全て売りたいんですが、いくらぐらいになりますかねー?」


 それから、たっぷりと時間をかけてウォルトが、金額を査定した。アイテムを見るたびにだんだん顔から生気が抜けているのがなんとなくわかった。


「えっとー・・・大体の金額ですが、ざっと5141万505ルビぐらいですかねー」


「「・・・。」」


 ブラックとメイルは、唖然としている。蓮からすると、フィルを買う算段が付いて万々歳である。


(ひ、非常識だわ)


 メイルが、こんなことを思っていようが蓮には、全く届かなかった。

最後まで読んで頂きありがとうございます。


予定より2時間ほど遅れての投稿になりました。すいません。


今回は、蓮の力の一部が露見しました。近い内に蓮が使った魔法の簡単な解説でもしようかなと思います。


そして、次回は、フィルの購入の回です。


次回作も楽しみに待ってもらえると非常に嬉しいです。



※総合評価が、早くも100ptを超えました。読んで頂いている皆様ありがとうございます。これからもがんばって書くので読んで頂けると有難いです。


※御意見・御感想等御座いましたら遠慮なく言って下さい。アイデア等も募集中です。


※おおよそ8話らへんで主人公が迷宮を作る予定です。それまでは、準備編です。

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