33話:王女救出作戦~王女遭遇&宣戦布告編~
修正>
30話:
聖剣の名前に関しての御意見があったので、採用させて貰いました!御意見を下さった方、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます!
アスカロン→ガラティーン
エクスカリバーとアロンダイトが、アーサー王関連の物で、アスカロンだけが違うので、どうせなら3本関連性を持たせては?と言う事だったので、変更してみました。
魔法を使って姿を消し、ミリアの案内で王女の部屋に向かい始めてしばらくして蓮は、ある事に気が付いた。
(何故、巡回兵がいない?)
蓮が、勇者をしていた頃、城には、常に巡回をしている兵がいた。
〈ミリア、巡回兵がいないみたいだが、何か知らないか?〉
〈!念話でしたか・・・確かに、巡回兵が、見当たりませんね。〉
〈ちょっと、音を拾ってみる。〉
念話を終えた蓮は、音を拾う魔法を展開した。
「サウンドピック」
蓮が、小声で魔法を唱えると、音が聞こえてきた。
『ぐへへ、やっぱ酒は、うめぇな。こんな時間に巡回とかやってられるか。』
『ですね。とりあえず、巡回用の魔物を召喚しようと思います』
『いつも悪いな』
〈ミリア。どうやら敵は、巡回用の魔物を召喚するみたいだ。とりあえず、魔物を見かけたら動かないでくれ。〉
〈了解しました。〉
それから、蓮達は、慎重に移動を再開した。道中、何度か巡回用の魔物に遭遇するも、やり過ごして行った。そして、蓮は、第1王女エイリーンの部屋へと到着した。
――…――…――
蓮は、扉をすり抜ける魔法を使い、部屋の中でミリアと自分に掛けた魔法を解いた。
「何者です?警備兵を呼びますよ?」
「突然の訪問御許し下さい。暁蓮と申します。エイリーン様、覚えておりませんか?」
「蓮なのか?本当に蓮なのか?」
「はい。お久しぶりです。」
久しぶりの再会に少し涙ぐむエイリーン。元々話し相手が、立場上少なかったエイリーンの数少ない話し相手であった蓮は、エイリーンにとって親族と同じぐらい特別な存在であった。
「蓮、寂しかったぞ。今まで一体どこへ行っておったのだ。旅とやらは、終わったのか?」
(旅?どうやらあの腐れ国王は、俺が旅に出たとでも言ったのか・・・)
「はい。寂しい思いをさせてしまい申し訳ないです。」
「よい。気にするでない。私とお主の仲じゃろ。そう言えば、何故このような時間にやって来たのだ?」
「はい。実は、ですね・・・」
そう言って蓮は、自分がエレノアから依頼を受けてエイリーンを迎えに来たこと。この国に戦争を仕掛ける事、実は、王様の手によって故郷に強制帰還させられた事を手短に説明した。
「左様か。1つ質問良いか?どうしても戦争を仕掛けるのか?」
「個人的には、ここに戻って来た時には、戦争以外の復讐の解決策を模索していました。確かにエスティア王国は、憎いです。しかし、戦争は、無駄に多くの人を傷つけます。無駄に犠牲を増やすのは、この身では、ありません。」
「では、何故戦争をする?」
「エイリーン様は、エルフと言うのを御存知ですか?」
「うむ。森に住む賢い者達であろう。いつの日か話をするのが私の夢じゃ!」
「彼らは、国王の手によって殺されました。」
「なんじゃと?蓮、嘘を申すでない。」
「エルフの里が攻撃されたのは、事実です。生き残ったエルフは、奴隷にされて今は、蓮様と一緒にこの国に対して戦争を行う準備をしています。」
「父上が、私の夢を知っておきながらそのような事をしたのか・・・。どうやら私は、蓮の国で言う『せけんしらず』とか言うやつなのか。蓮よ。そなたの元にエルフ族の生き残りがいるとそこの兎の娘が申したが真か?」
「はい。2人の女性のエルフがおります。そして、エルフ達は、この国の人を恨んでいます。それ故、戦争を行う事を決意しました。可能な限り被害は、最小限に抑えるつもりです。」
「わかった。私は、蓮について行く。母上の元に連れて行ってくれ。」
「はい。それと、エルフィナ様の所在を御存知ですか?」
「エルフィナなら、今は、隣の部屋におるぞ。それより、蓮。まずいぞ。長く話過ぎたが、そろそろ父上が、この部屋にやってくる。早くしないと大変なことになるぞ。」
蓮とエイリーンとミリアは、この時1時間近く話していた。蓮が侵入したのは、現実世界で言う午後9時頃。午後10時半頃に王様は、エイリーンとエルフィナに寝る前の挨拶をしに来るらしい。
「しょうがない。壁を壊すぞ。」
蓮は、そう言うと竜王剣を取り出し鞘から刃を抜いて隣の部屋に入れるように横1m、縦2mの長方形型に壁を斬って隣の部屋と繋げた。そして、場内に轟音が響く。
「ミリア。エイリーン様を頼む。急ぐぞ。」
そう言って、蓮は、隣の部屋へと入った。そして、そこには、まだ小さな赤ん坊がいた。
「エイリーン様。この子が、エルフィナ様ですか?」
「そうじゃ。」
すると、突如エイリーンの部屋の扉が開かれた。
「エイリーン。どうした?」
扉から現れたのは、国王だった。
「久しぶりですね。レギンス様。」
「貴様は・・・」
「さて、この場は、お暇させて貰います。」
「ふざけるな。どうやって入ったかは、知らないが、この城から出れると思ってるのか?」
「はい。このような場所からの脱出など赤子の手をひねるように簡単です。次元跳躍。」
すると、蓮の後ろに次元の歪が生じた。
「それでは、レギンス様。今度、この国の国王レギンス様と一部貴族に対して戦争を仕掛けます。その時にお会いしましょう。」
「貴様、ふざけるなああぁぁ」
蓮とミリアとエイリーンとエルフィナは、次元の歪の中へと入って行った。それを追いかけようとレギンスが、近づくが、すぐに次元の歪は、消えた。
「あやつ・・・やってくれおった・・・おい。衛兵は、おらぬか?」
「遅くなって申し訳ありません。いかがなさいましたか?」
「戦争の準備をしろ。」
「は。かしこまりました。」
こうして、蓮とレギンスは、戦争の準備を始めた。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
ついに、最終章へ大分近づいてきました!
なんか、テンポよく進めようと思ったので、予想より大分短くなりそうです!3話か4話で4章が終わりそうです・・・
次回は、迷宮内の戦力の確認のお話です。次回も楽しみにしていただけると有難いです!




