32話:王女救出作戦~準備&開幕編~
新章開幕です。
この章は、そこまで長くなりそうにないです。楽しんで頂けると有難いです。
修正>
30話:
3本の政権→3本の聖剣
3本も政権が、あったらややこしいだけですね・・・
該当箇所を指摘して下さった方々、この場を借りてお礼申し上げます。ありがとうございます!
それと、追加修正で、第1王女様の名前を、エリンシアから、エイリーンに変更します。ユリの名前とかぶったり、国名とかぶったりと少々ややこしいためです。
該当箇所は、随時修正するため修正が少し遅れます。申し訳ないです。
「と言うわけで、俺は、王宮に行ってくる。」
『どういうわけだ!』
蓮は、王の間にエレノアと共に帰ってきて王宮に行くことを急に言い出した。その発言を聞いたフィル、カアラ、ユリ、セリーナ、リリーナは、ほぼ同時に蓮に突っ込んだ。
「あぁー、頭に響く・・・」
「蓮様、いくら何でも単身で王宮なんて不可能です。」
「蓮なら何とかなりそうだけどなー?」
「蓮様、ついに私のかたき討ちを・・・」
「フィル、御主人様は、いつもこうなのか?」
「ところで、そこの女の人は誰?」
(な・・・なんですのこの状況・・・自由すぎますわ・・・)
迷宮の現状を見たエレノアは、内心で呆気にとられていた。それに、蓮が連れている者達を見てさらに驚いた。
「エルフに、ドワーフに、人族に、魔族に、エリンシア王国のお姫様まで・・・一体どういう事ですの?」
「あ、エレノア様、実は・・・」
「エレノア様!?」
蓮の発言にアミンが、驚きの声を上げる。
「はい。何かご用でしょうか?」
「い、いえ。御気になさらず・・・」
「もっと気軽に接してくださいな。」
「無理です・・・」
想像と随分違ったエレノアに対してアミンは、なんとも言えない感じになった。
「あー、そろそろ良いかな?」
困った顔をしながら蓮が、皆に尋ねる。すると、今まで話していた皆が、静まった。
「俺は、ここにいるエスティア王国の王妃様より依頼で王女様2人の奪還を頼まれたわけ。んで、複数で行くと目立つから俺一人ともう一人の計2人で行くってわけ。城の案内には、ナターシャか、ミリアを連れて行こうと思うんだけどどうだろう?」
「え?ナターシャ?」
蓮の発言に疑問を持ったエレノアが、問い返す。
「はい。何でも、パーティーには、無理やり入れられて従わされてたとかで此方に対して友好的でしたよ?」
「多分、それは、嘘ですよ。彼女は、極一部の方しか存じないですが、貴族の御令嬢ですわ。多分途中で裏切る計画でも企てていたと思われますわ。」
「なるほど。フィルとセリーナには、俺がいない間ナターシャの監視を任せる。カアラは、魔物の調査を頼む。リリーナは、ゴブリンとかの魔獣の訓練として新しい階層を作るからそこで指導役として彼らを指南してくれ。俺は、ミリアと一緒に王宮に行ってくる。ユリは、エレノア様の対応を任せる。アーシャとオリクは、仕入れを任せる。アミンは、監視を頼む。エレノア様は、ユリの部屋でゆっくりしていて下さい。」
蓮の言葉に皆が同意を示した。そして、蓮は、5階層まであった迷宮を6階層にした。6階層目は、ゴブリンやオーク達魔獣の訓練用の階層である。6層目を作った際に、5階層より大きな迷宮を作成したことによる特典で、新たなスキル『迷宮内の魔物選別』と言うのを得て、階層に生息する魔物を自由にすることが出来る能力を得た。これにより、6階層は、迷宮の住人の訓練の階層と言う位置づけが定着した。そして、新たな住人達のために4階層の王の間に、エレノアとナターシャ、ミリアの住居を作成した。迷宮内の奴隷的立場のミニルの住居は、5階層に作り上げた。
「よし、やることは、やったかな。」
「蓮様、娘達をよろしくお願いします。ミリア、蓮様の案内よろしくお願いします。」
「了解です。」
「エレノア様!?頭をあげてください。それに、蓮様は、私を腐った貴族達から解放してくれた大恩人です。なんとしても任務を全うします。御安心下さい。」
「では、そろそろ行くか。次元跳躍」
蓮は、そう言うと目の前に次元の歪を作った。
「ミリア、案内頼むぞ。」
「はい。蓮様、参りましょう。」
そう言って2人は、次元の歪の中に入っていた。その様子を見ていたエレノアは、祈るように2人を見送った。
――…――…――
「!こ、ここは・・・」
「ん?エレノア様の私室だよ。王女様の部屋に直接行きたかったんだけど、俺は、あいにく場所を知らないんだ。案内を頼むよ。」
「あ、わかりました・・・ってそうじゃないです!どうしてワープでここまで来れるんですか」
「ん?この魔法は、ワープじゃないよ?次元跳躍って言う俺のオリジナル魔法。」
「オリジナル魔法でも、侵入防止用の結界が貼ってある王宮にどうやって入れるんですか?」
「そりゃー、俺たちは、別次元からここに来たことになってるからねー。ここの結界は、同じ次元からの魔法による侵入を防いでるから異次元から侵入すれば、問題なく入れるよ」
「蓮様が、敵でなくてよかったです・・・」
「元々は、敵だったけどね!」
「うぅー・・・蓮様の意地悪・・・」
蓮の物言いに少ししょんぼりするミリア。そして、蓮は、ミリアに尋ねる。
「そう言えば、王女様の部屋の位置は、わかる?」
「はい。第1王女様と第2王女様は、別室ですが、双方知っております。」
「んじゃ、行くか。インビジブル、風の結界、隠蔽」
蓮は、3つの魔法を自分たちに掛けた。
インビジブル。俗にいう透明化である。これを掛けられたものは、姿かたちが見えなくなる。しかし、臭いや音、魔力、気配は、わかるので、この魔法単体での王宮等への潜入には、むかない魔法である。
風の結界。自らの体に風の薄幕を貼るような感じで、臭いや音を消す効果を持つ。待ち伏せ等の戦法を用いる際に便利な魔法である。
隠蔽。闇魔法で、魔法を掛けた相手の気配と魔力を隠すことが出来る。物を隠したりする際には、非常に便利な魔法である。
蓮がかけた3つの魔法により、蓮とミリアは、いかなるものでも発見する事の出来ない状態となった。こうして、蓮とミリアによる王女救出作戦が始まった。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
今回は、主に準備に関する事でした。
次回は、エイリーンの登場が、主な内容です。次回も楽しみにしていただけると有難いです。




