28話:勇者の登場!王妃の計画
次の話の投稿は、金曜日になります。木曜日は、リアルが多忙のためおそらく小説の投稿が出来ないです。
申し訳ないです。
「蓮さん、大変です!」
いつも冷静なアミンが焦って此方にやってくる。
「ん?アミンが慌てるなんて珍しいな。どうした?」
「勇者がやってきました。」
「へ?」
蓮の顔は、驚愕に包まれる。自分がいなくなってから勇者と言う役職は、消えた物かと思っていたのだが、蓮がいなくなってる間にどうやら新たな勇者が現れたらしい。
「めんどくさいなー。ちなみに、パーティー構成を教えてくれるか?」
「はい。多分あの勇者は、クロードだと思います。」
「ちょっと待て。『あの勇者』って事は、勇者は、複数存在するのか?」
「はい。今は、3名ほどいます。その中で一番弱いのがクロードですが、それでも私の知る限りは、Lvが、150を超えています。」
「あ、そんなもんか。心配して損した!」
「え!?勇者ですよ?」
「あれ?俺話してなかったっけ?俺元勇者。勇者レンって俺の事だよ?」
「はーーーいーーーー!?」
アミンがここに来て一番の驚きの声を上げる。
「勇者レンって、あの魔王を倒した勇者レンですか?」
「そそ。」
「え、でもエルフ族の討伐戦に参加した蓮さんが、何故エルフ族と仲良く?」
「あー、そりゃ俺の名前を語った偽物だよ!俺魔王倒してすぐ元居た世界に強制帰還させられたから。」
「・・・」
言葉が出ない程の驚きをアミンは、この数分の間に味わされた。
「ま、Lv150ぐらいのお子ちゃま勇者には、負ける気しないよ!俺、勇者の時は、Lv300だからさ」
苦笑いをしながらさらりと爆弾発言をする蓮。ちなみに、当時の魔王のLvでさえ280程度である。300の経験値+今の転生してから現在までの経験値を合わせると膨大な量になる。蓮の強さの秘密を少し理解できたアミンであった。
(こんな非常識な人にLv20程度で私たちは、挑んだのね・・・負けて当然だわ。)
ふと過去を思い出すアミンであった。
騒ぎの元凶となっている勇者だが、何故彼らが来たのか。少しばかり時を遡る。
――…――…――
時は、勇者クロード一行がビアの迷宮にやってくる1週間前の話である。
「勇者クロードよ。よくぞ我が呼び声に応じてくれたな。」
「いえ。王様が御呼びとの事なので、是非王様の力になりたく馳せ参じた所存です。」
エスティア国王様の呼び声に一番早くやって来た勇者クロードであった。そんなクロードに国王様は、質問をした。
「うむ。ご苦労であった。クロードよ。お主は、迷宮と言う物を知っているかな?」
「それは、この世界の常識に近い物ですね。存じております。」
「最近、ビア山脈の麓に新たな迷宮が出来たのだが、そこの魔物どもが付近の村に被害を及ぼしておるのじゃ。なので、その大元となる迷宮を攻略して欲しいのじゃ。」
「そのような事でしたか。勇者クロード、急いで準備をして迷宮に行ってまいります。」
「うむ。期待しておるぞ。」
こうして、国王とクロードの面会が終わった。その様子を隣に座って見ていた王妃は、どこか嬉しい表情をしていた。3年前の事を悔いて一時期は、非常に落ち込んでいた王妃であったが、このクロードの面会の2日程前に彼女が待ち望んでいた情報をモルガンが持ってきたのだ。
『勇者レン事暁蓮は、この世界に未だに存在する。』
この知らせは、彼女に対して非常に大きな希望を持たせた。そして、同時に謝罪をしたくて仕方がなかった。そんな彼女が蓮に合うために考えた方法は、非常に大胆な物であった。
面会を終えて出て行こうとするクロードを王妃は、止めた。
「勇者クロード。しばし待たれよ。」
「エレノア様。一体どのようなご用でしょうか?」
「ビアの迷宮に行くと仰ってましたよね?私は、ビアの迷宮付近にあるグレッグ村のヒサギ織りの新しい服が欲しいのです。そのため、私を近くまで護衛して貰えないでしょうか?」
「私は、一向に構いませんが、国王様、よろしいのでしょうか?」
「うむ。構わん。最近までエレノアは、浮かない表情をしていたからな。気分転換も良いじゃろう。それにクロードの護衛であれば問題ないな。エレノア。充分に羽を伸ばしてまいれ。」
「ありがとうございます。あなた。」
(そして、ごめんなさい。)
口でお礼を言いながら心の中で謝罪をしたエレノア事王妃様。この後、蓮とエレノアは、グレッグ村にて再会することになる。
――…――…――
「では、私はこの辺で失礼いたします。この先は、後数時間もすればグレッグ村です。私が迎えに行くまでは、どうか村の中で滞在していてくださいな。」
クロードは、そう言うと依頼をしていた冒険者たちに任せてエレノアと別れた。それからクロードは、数分ほど歩いてダンジョンへと向かい、入り口に入ったところでアミンらに発見された。
しかし、そんな事とはつゆ知らずパーティーメンバーと共に蓮が作り上げた迷宮を国王様のために攻略しだす。しかし、国王自身は、クロードを捨て駒の如き扱いをしていた。噛ませ犬として蓮の迷宮に挑ませたのだ。このことを知っているのは、国王と極一部の貴族。そして、盗み聞きをしていたエレノアだけであった。
最後まで読んで頂きありがとうございます!
今回は、新たな敵の発覚と過去編に登場した王妃様のお話です。
読者様の要望で『王妃様は、どうにかならないのか?』っとあったので、この辺で登場させてみようと思い予定を変えて登場させました。
次回は、蓮VS勇者になる予定です!
次回も楽しみにしていただけると有難いです。




