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元勇者の復讐劇  作者: 麗月
3章:勇者と巫女と奴隷と
32/48

27.5話:恋心(別ルート)

27話の別ルートのお話です。楽しんで頂けると個人的に嬉しいです。


※急いで書いたため変な個所が複数存在するかと思います。御了承頂けると有難いです。

 時は、カアラの報告が終わった辺りに遡る。


 蓮が自室に戻ってしばらくすると、扉がノックされた。そして、返事をするとユリが入ってきた。その姿は、昼間にグレッグ村に訪れた時とは、違う白を基調としたドレスであった。


「蓮様・・・」


「ユリ・・・」


 見つめ合う2人。


「私、あの時からずっとずっと蓮様をお慕いしていました。」


「待たせてすまなかったな。」


「いえ、こうしてまた巡り会えたので気にしないで下さい。」


 そうして、蓮の懐へと入り腕を回すユリ。必然的に触れ合う2人の体。蓮は、ユリが思ってた以上に大胆な行動をとることに驚いていた。


「私とこうして抱き合うのは、嫌なのですか?」


「いや、俺としては、構わない。だが・・・うん。」


「え、どうされたんですか?もしかして、私の事嫌いになりましたか?」


「いやいや、違うんだよ。どうも、扉の向こうで盗み聞きしている連中がいるみたいなんだよ。」


「へ!?」


「シーッ」


 蓮とユリは、静かにする。そして蓮は、無詠唱で透視魔法を展開して扉の向こうの様子を映し出す。そこには、扉に耳を当てているフィルとカアラとセリーナの姿が映し出された。


「これ、どうする?」


 蓮が、ユリの耳元で小声で尋ねる。その行為に若干頬を赤く染めているが蓮は、気づいていない。


「少し懲らしめてみます?」


「それは、面白そうだな!」


「良い案が思い浮かびましたんですが、協力してもらえますか?」


 ユリがそう言うと蓮の耳元でゴショゴショと何かを伝えた。それを聞いた蓮は、親指を立てて「それは、面白そうだな」と言った。そして、蓮は、次元跳躍を使い4層の王の間の手前の階段に移動をした。



――…――…――


「あー、もう!よく聞こえない!」


 フィルが、少々苛立ち気に言葉を発する。


「フィルにこんな趣味があったなんて・・・それに、御主人様の事をフィルが好きになっていたなんて意外だわ。」


 セリーナは、幼馴染の姿を見て驚愕に包まれていた。


「べ・・・別に好きじゃないんだからね!」


「お、それは、ツンデレと言うやつか?」


 カアラが、フィルを茶化す。そう。今蓮の部屋の前には、ユリの行動の真意を探ろうと、フィルとカアラとセリーナが盗み聞きをしている最中であった。


『私、あの時からずっとずっと蓮様をお慕いしていました。』


 ユリのその言葉を聞いたフィルは、顔を真っ赤にしていた。それを見たカアラとセリーナは、興味津々にフィルと同様に扉に耳を当てて中の様子を探っていた。


 すると、中から予想外な声が聞こえた。


『あっ・・・蓮様・・・』『そ、そこは!?』『や、ダ・・ダメです』


 と言った具合のユリの声が聞こえてくる。それを聞いたフィルは、顔が真っ赤になり、カアラは、ほほーっと興味津々に聞いている。セリーナは、これが、男女の・・・と言った具合にぶつぶつつぶやきながら中の声を聞いている。


『れ、蓮様・・・これ以上されちゃうと・・・』


 ユリが、そう言うと、3人が、反応した。


「あぁ・・・ユリが羨ましい・・・。」


「ふむふむ。蓮も意外と大胆だな。」


「御主人様見かけ以上に大胆です。そして、なんだかユリさんの声が色っぽいです。。」


 上から、フィル、カアラ、セリーナが呟く。


「へー。誰が大胆だって?」


 突然かけられた声に3人は、ほぼ同時に答えた。


「蓮様です」「蓮だ」「御主人様です」


 そう答えながら後ろを振り向いた3人の顔は、真っ青になった。


「俺のどこが大胆だって?」


「「「えーっとー、そのー」」」


 3人の目線が泳いでいる。


「ユリー。この覗きの現行犯3人は、どうする?」


 蓮がそう言うと蓮の部屋からユリが出て来た。


「そうですねー、蓮様にお任せします!」


「こういうのは、どうだ?」


 蓮がそう言うとユリの耳元でぼそぼそと話す。話を聞くたびにユリの目が生き生きと輝いて行くのを見た3人は、顔から生気がだんだんと抜けていく。


「処分は、決まった!3人は、これから俺の部屋でお仕置きを行う!3人とも無駄な抵抗をせずに中に入る事。」


 こうして、フィル、カアラ、セリーナは、蓮の部屋に入って行った。


 この後一晩中3人の叫びや悲鳴が迷宮中に響いて、迷宮で休憩していた冒険者、迷宮に住む者達は、なかなか寝付けない一晩になった。


 ちなみに、お仕置きの内容とその結果は、以下のようになる。


フィル:蓮の分身による一晩中こちょこちょの刑。終わった後のフィル曰く「一生分は、笑った気がします。しばらく笑いたくないです。」

カアラ:膝の上に重石を置いて正座。終わった後足のしびれたカアラ曰く「座ることがこんなに辛いなんて。足がうごかないよー」

セリーナ:魔法により一晩中起きても終わらない悪夢を見せ続けられる。終わった後のセリーナ曰く「もう覗きなんてこりごりです・・・寝るのが怖いです。」

最後まで読んで頂きありがとうございます!


今回は、前回同様ユリとの一晩の話です。と言っても、フィル、カアラ、セリーナのお仕置きの話になっちゃいましたが・・・


次回は、本編再開で、ついに勇者が登場します!


次回も楽しみにしていただけると有難いです。

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