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元勇者の復讐劇  作者: 麗月
3章:勇者と巫女と奴隷と
31/48

27話:調査報告と恋心

修正>


26話:


条件2:いかなる脅威からもグレッグ村から守る→いかなる脅威からもグレッグ村を守る



今回は、ルート1です!

 グレッグ村から迷宮に帰った蓮には、報告の雨嵐だった。迷宮には、希少種の発生も確認された。


 希少種とは、通常の魔物と色が違い能力が通常種と比べ物にならないほど高い。名前の通り、普段は、滅多に見かけることが出来ない。例えば、2階層に生息しているスケルトンを例に挙げる。スケルトン自体は、白い骨で出来た骸骨の魔物である。能力としては、平均より少し低い程度で、剣や槍を使ったりする。しかしながら、知性が低いため、魔獣とは、言いきれない。しかしスケルトン希少種は、骨の色が、白色以外で、今までの調査で確認されたのは、赤色と黒色である。赤色のスケルトンは、通常種に比べるとある程度の知恵を持っているため、蓮のモンスターテイムのスキルを使えば、仲間にすることが可能である。そして通常種と大きく違うのは、攻撃に炎の魔法が使える事である。と言っても、拳大の大きさの火の玉を飛ばしたり、剣や槍に熱を持たせることが出来る事である。同じように、黒いスケルトンは、闇魔法が使える。スケルトンに関しては、色に応じた魔法が使えるのが、希少種である。しかし、魔物だからと言って全ての魔物に希少種が存在するわけでは、無い。


 今回の魔物の調査の報告をまとめると・・・


1階層目:プチコウモリ・腐ったスケルトン・バイパー

2階層目:スケルトン(通常種・希少種[New])・ゴースト・ポイズンスネーク・フレイムスネーク[New]

3階層目:スケルトンロード・レイス(通常種・希少種)・ポイズンリザード(通常種・希少種)

4階層目:スケルトンキング(通常種・希少種)・リッチ・ポイズンリザードフライ


 と言った具合に非常に凶悪な魔物が数多く生息している状態である。


 カアラからの報告を終えた蓮は、自室へと戻って行った。そして、しばらくすると約束していた人物が入ってきた。



――…――…――


 蓮が自室に戻ってしばらくすると、扉がノックされた。そして、返事をするとユリが入ってきた。その姿は、昼間にグレッグ村に訪れた時とは、違う白を基調としたドレスであった。


「蓮様・・・」


「ユリ・・・」


 見つめ合う2人。


「私、あの時からずっとずっと蓮様をお慕いしていました。」


「待たせてすまなかったな。」


「いえ、こうしてまた巡り会えたので気にしないで下さい。」


 そうして、蓮の懐へと入り腕を回すユリ。必然的に触れ合う2人の体。蓮は、ユリが思ってた以上に大胆な行動をとることに驚いていた。


「私とこうして抱き合うのは、嫌なのですか?」


「いや、別に嫌じゃないぞ?」


「では、何故抱きしめてもらえないのですか?」


 上目遣いに若干ウルウルしたブラウンの瞳を向けてくる。


(やばい、このままじゃ俺の理性が・・・)


 そんな事を内心で考えながら蓮は、ユリの後ろに手を回す。


「お慕いしている人と抱き合う事がこんなにも幸せな事とは、知りませんでした。今、私は、とても幸せです・・・。」


 頬を若干赤色に染めながらユリが言う。うん。こんな顔を見せられたら9割方の人間は彼女の虜になるだろうな。


「幸せならよかった・・・。」


 蓮とユリが、良い雰囲気になる。この後ユリは、大人の階段をのぼった。一言で言うならそこそこ激しかった。ユリ相手に2回ほどやった後にお互い疲れて寝たが、ユリの寝顔は、見るからに幸せに満ち溢れていた。しかし、2人は、部屋の中の様子を最初からずっとうかがっている3人の存在に気付かないでいた。



――…――…――


「あー、もう!よく聞こえない!」


 フィルが、少々苛立ち気に言葉を発する。


「フィルにこんな趣味があったなんて・・・それに、御主人様の事をフィルが好きになっていたなんて意外だわ。」


 セリーナは、幼馴染の姿を見て驚愕に包まれていた。


「べ・・・別に好きじゃないんだからね!」


「お、それは、ツンデレと言うやつか?」


 カアラが、フィルを茶化す。そう。今蓮の部屋の前には、ユリの行動の真意を探ろうと、フィルとカアラとセリーナが盗み聞きをしている最中であった。


『私、あの時からずっとずっと蓮様をお慕いしていました。』


 ユリのその言葉を聞いたフィルは、顔を真っ赤にしていた。それを見たカアラとセリーナは、興味津々にフィルと同様に扉に耳を当てて中の様子を探っていた。すると、ユリは、


『私とこうして抱き合うのは、嫌なのですか?』


 この発言を聞くと、3人は、それぞれ違った反応をした。フィルは、頭がボンッと言わんばかりに顔全体を真っ赤にしている。カアラは、ユリの大胆さに目をキラキラさせている。セリーナは、人間の恋愛と言う物を少し知って満足げに頷いている。


「御主人様って案外大胆ですのね。」


「いあ、蓮じゃなくてユリが大胆だよ。多分会話から考えるにユリの方から抱き着いたと思うぞ」


「蓮様ー」


 カアラとセリーナは、中の様子を考えて妄想をしている。そして、フィルは、何故か泣いている。


 そんな3人を見ているアミンとリリーナは、なんとも言えない気持ちだった。


「アミンさん、女性と言う物は、ああも人の恋愛に対して貪欲なのでしょうか?」


「リリーナさん。恋愛と言う物は、人それぞれの形が御座います。多分、カアラさんとセリーナさんは、純粋に楽しんでいるだけかと思われます。」


「なるほど。ここは、魔界に比べて平和ですが、面白い場所ですね」


「そう言ってもらえると、有難いです。まさか自分が魔族の方とお話しする機会がやってくるなんて思いもしませんでした。」


 傍観を続ける2人の視界には、クスクスケラケラと笑うカアラとセリーナ。膝をついて泣いているフィルがいた。


(うーん、こんなんで本当にエスティア王国を潰せるのかなー?)


 アミンの最大の疑問であった。

最後まで読んで頂きありがとうございます!


今回は、迷宮内の魔物調査の結果とユリとの一晩の話です。うーん、どこまでがセーフでどこまでがアウトか微妙ですね!どこまで書いていいんだろう?


ちなみに、次回は、ルート2です!今回は、ハッピーエンド(?)的な感じでしたが、次は、今回とは違う形で終わります。楽しんで頂けると有難いです!

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