表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
元勇者の復讐劇  作者: 麗月
3章:勇者と巫女と奴隷と
30/48

26話:噂の巫女様?

なんか、前の話に続き、話の方向性が・・・次回少しふざけた後に真面目な方向に行く予定です。しばし、茶番に付き合って頂けると有難いです。

 蓮とユリは、村の中を歩いていた。グレッグ村は、サルバ村に比べると少し裕福な村と言う印象を受けた。村の特産であるヒサギ織は、貴族に大人気な織物である。値段としては、おおよそ金貨1枚程度の値段である。そんなこんなで村の中心にやって来た蓮は、近くにいる村人に話しかけた。


「この家が巫女様の家かな?」


「えぇ、そうですよ」


「助かった。」


 こうして、蓮とユリは、家の中へと入って行った。



――…――…――


 家の中に入った蓮とユリに巫女が出迎えた。巫女は、この世界には、珍しく黒髪であり、髪をポニーテイルにしていた。顔は、ユリ並みに美人であったが、胸が、ユリに比べると非常に大きかった。蓮からしたらあまり気にならなかったが、巫女を見たユリは、どこか落ち着きがなかった。


「お主が、我が村と取引をしたいと申す者達か?」


「あぁ、そうだ。暁蓮と言う。」


「クレアだ。取引の内容を聞かせてもらおうか。」


 クレアは、世間話が嫌いなようだ。すぐに取引の話を持ちかけた。


「安全を保障する代わりに作物を分けてほしい。」


「対価は、作物で良いのか?ちなみに、如何様に安全を保障するのだ?」


「まずは、自分の召喚魔法で監視用のガーゴイルを村の四方と入口に設置します。基本的にそれだけですね。」


「それだけなのか?それで、どうやって守るというのだ?」


「基本的にガーゴイルが対処しますが、いざと言うときは、自分が出ます。ガーゴイルには、自分で倒せそうにないと判断した場合、俺に連絡が行きます。それからは、ガーゴイルたちが、俺が来るまでの時間稼ぎを行います。と言っても、1秒ぐらいで来れるから何とかなるんですが、何か不満でもありますか?」


「いや、特にないが・・・しかも、未だに嘘を一つも・・・」


 蓮の提示した安全を守る方法については、全く持って問題を感じなかった。少なくとも今まで交渉してきたどの貴族よりもしっかりとしており、尚且つ嘘が、一切なかった。巫女のつぶやきに疑問を思えた蓮は、巫女を千里眼で観察した。


名前:クレア

年齢:16歳

性別:女

種族:人間

職業:巫女 Lv36

スキル:魔法(治癒・光・雷)・真実の目・御告げ・天使召喚


 千里眼でクレアを見て確信した。クレアは、嘘か真実かがわかる。今までの貴族は、どうやら安全に関して嘘をついたみたいだ。そして、安全の代わりの対価をアホみたいなものを要求したのがなんとなく頭に思い浮かんだ。


(はぁ、どこの世界でも欲深いアホな人間は、アホだな。)


 そんな事を蓮が思っていると、クレアが、訪ねてきた。


「蓮と言ったか。何故この村にやってきた?」


「んー、噂を聞いて興味を持ったからかな?」


「その噂とやらは?」


「巫女様が治める村があるっていう噂です。」


(この蓮と言うやつ、一切嘘をついておらん。この者なら信じてよさそうだな。)


「よかろう。貴様の取引乗った。」


「マジか?いあー良かった。んじゃー詳しく話そうか。」


 クレアと蓮は、話し合った結果以下のように落ち着いた。


1:農作物の出来高から1部を蓮に渡す。

2:蓮は、いかなる脅威からもグレッグ村を守る。

3:この村は、蓮の領地とする。

4:村の中央に転移用の祠の設置。


「とりあえず、こんなところか。」


「うむ。さて、最終確認じゃ。蓮の実力を試したいのだが良いか?」


「おう、構わないぞ。」


 こうして3人は、外へと出た。



――…――…――


「天使召喚」


 クレアがそう言うと下級天使が現れた。現在蓮、ユリ、クレアは、町の広場的な開けた場所に移動していた。そして、クレアは、天使召喚を行った。


「では、この天使を倒すことが出来れば、取引は、成立じゃ。」


「1体で良いのか?」


「うむ?構わないが何か問題でも?」


「んー、まぁしっかり見てろよ?」


「わかった。はじめ!」


 クレアが、初めの号令をかけた途端、天使は、上空に移動した。そして、何やら魔法の構築を行っているらしく魔方陣が出来てきている。


「雷牙」


 手を天使に向けて蓮がそう言うと、手から一筋の稲妻が迸った。天使は、魔法を発動する前にあっけなく消えていった。その様子を見ていたクレアは、唖然としていた。


「・・・。」


「おーい?クレアさーん?大丈夫ですかー?」


 デコピンをしたり頬を軽くたたいたり頭を揺らしたりしていると、しばらくして、正気に戻った。


「はっ!ここはどこ?私は、誰?」


「クレアさん、起きてますかー?」


 蓮のその声と周りを確認して状況を把握できたクレアは、顔をリンゴのように真っ赤にしていた。真っ赤になった顔もしばらくすると落ち着きを取り戻した。


「うむ。そなたの強さは、問題なさそうじゃな。それと、条件を一つ追加してもいいか?」


「構わないけど、どういった条件?」


「うむ。私の婿になってくれないか?」


「「はい!?」」


 蓮とユリが、驚愕の表情を浮かべる。


「ははは!冗談だ。条件と言うのは、私にもその迷宮と言うやつを見せてほしいのだ。そして良ければ、そこに行き来できるようにして欲しい」


「そういう事ですか。わかりました。とりあえず、取引は、成立って事で良いですね?」


 蓮はそう言ったが、内心では、


(あー焦った・・・。ユリの視線が怖い。やばい、今日の夜が俺の命日かも・・・。)


 と言った具合にどうでも良いような事を考えていた。ちなみに、ユリは、


(ライバルが、増えたかも・・・)


 と言ったように頭の中は、蓮の事でいっぱいであった。

最後まで読んで頂きありがとうございます。


グレッグ村とも取引が成立しました。ヒサギ織りに関しては、後程、登場する予定です。


次回は、迷宮内の恋愛に関する話です。


次回も楽しみにしていただけると有難いです。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ