11話:装備と新たな影
※今回の話は、キリをよくしたため他の話に比べて少し短めです。
「と言うわけです。」
鎧に身を包んだ男が言った。
「なるほど。その迷宮とやらには、数多の宝があると。」
少し太った貴族風の男が言う。
「シーフの娘がそう言っていたと噂でお聞きしました。」
「よし。そこの迷宮からたっぷりと宝を持ち帰ってこい。」
「騎士団は、そう言う場所での戦いにむかないかと・・・」
「貴様、私に口答えするのか?」
「・・・。はい。わかりました。では、300程の手勢で行ってきます。」
「うむ。良い知らせを期待しとるぞ。」
それを聞いて鎧に身を包んだ男が部屋から出て行った。
(なんで、村を守りたい一心で騎士になって団長にまでなったのにあんなわけのわからんのに従わなきゃいけないのか・・・。)
騎士団団長は、そんな事を考えながら、出撃準備に取り掛かった。
――…――…――
一方、迷宮では、奴隷3人と、ヒーラーを捕えたので、王の間にて皆が集まっていた。
「んじゃ、そこのガーディアンは、レンガたちの自由にしていいぞ。」
「ひぃぃ、命だけは、勘弁してくれー」
「ゴブリン達が、同じ状況下にあってお前は、ゴブリンの命を救うのか?救うわけないよな?そういう事だ。」
「ありがとうございます蓮様。これで、一族の者は、皆満足すると思います。」
「それと、そこの戦士は、ゴブリンの訓練に好きなように使ってくれ。そこの射手は、ゴブリンに弓の使い方を教える事。それと、アーシャ、俺たちの装備を作ってくれないか?」
「素材は、何がありますか?」
「これが終わったら持って行く。そして、フィルは、監視の任をアミンと一緒に行ってくれ。カアラは、魔物の調査を引き続き頼む。」
「蓮様、ちょっと良いですか?」
「フィルが、質問とは、珍しいな。どうした?」
「何故、この子と一緒なんですか?」
「その子は、千里眼とスキル看破で見たときに、『監視者』のスキル適正値が高かったから監視者を取得させようと思う。」
「なるほど。了解です。」
「んじゃ、何もないようだったら、解散。」
すると、みんなは、各々するべきことを行った。これからしばらくした後、チーム『オリオン』の団長ベレットは、帰らぬ人となった。
――…――…――
「んじゃ、これでローブ2つととプレイトメイル2つとクリーブ2足と籠手8つ、それに剣を2振と斧か鎌を1つ、それとアーシャが好きな武器を作って良いよ。」
「えっとー・・・これ、オリハルコンと竜の素材ですか?」
「そうだねー!オリハルコンとヴリトラの素材だね!」
「只者じゃないとは、思ってましたが、ここまでとは、正直びっくりです。」
「まぁ、アーシャが頼りなんだ。よろしく頼む。」
「わかりました。多分3日ほどで試作品が出来るでしょうからそれから寸法を測って大きさを合わせて全部で約5日ってとこですかね。」
「了解!よろしく頼むよ。」
こうして、アーシャに武具を頼んだわけだが、とんでもない武具が揃ってしまうのは、まだ迷宮の誰もが知らない事であった。
――…――…――
「カアラ、魔物の方は、どうだった?」
「はい。良い感じに増えています。今まで強い奴でもスケルトンでしたが、最近は、それよりも強い奴が、まだ極めて少数ですが、発見することが出来ました。」
「そっか!それと、召喚でモンスターを呼ぼうと思ってるんだけど、どんな奴が良いと思う?」
「そうですねー・・・魔王様は、『カオスナイト』を最初召喚してましたね。」
「そいつは、どんなやつなの?」
「命令に忠実で、何かしらの特殊なスキルを所持して生まれます。」
「んじゃ、そいつを呼ぶか。」
そう言って、蓮は、王の間の床に魔方陣を書いた。
「我が名は、蓮。契約に応じて姿を示せ。カオスナイト」
すると、魔方陣が光だし、しばらくすると、そこには、真っ黒な鎧に身を包んだ騎士が現れた。その手には、鎖が撒かれた剣が存在した。千里眼でステータスを確認すると、
名前:
カオスナイトLv80 装備:呪いの剣・呪われた全身鎧 スキル:ウエポンプロフェッサー(剣)・恐怖・隷属
『お呼びですか?我が主。』
「うむ。この辺の魔獣の村で迷宮に住む者がいないか探してきてくれ。条件は、迷宮に居住する事と非戦闘員の保護を約束する代わりに労働力になって欲しいと。食事も睡眠もしっかり保証すると伝えてくれ。」
『承知しました。これが、上手く行きましたら我が忠誠を御受け下さい。』
「よかろう。お前は、今日からゼロットと名乗るのだ。」
『名前を付けて頂きありがとうございます。ゼロットは、この身で蓮様の命令を遂行いたします。』
「んじゃ、頑張ってきてね。5日後には、一度帰ってきてほしいな。」
『承知しました。』
そう言ってゼロットは、迷宮の外に向かって歩み始めた。
「さて、俺は、迷宮を拡張してくるとするか。」
「蓮、頑張ってね」
「うむ。カアラは、トラップを仕掛けてくれ。トラップわかるか?」
「すんごく簡単な物なら大丈夫。」
「んじゃ、頼んだ。」
そう言って蓮とカアラは、各々やるべきことを開始した。
最後まで読んでくれてありがとうございます。
最初の迷宮での犠牲者が出ました。そして、次なる犠牲者ものこのことやってくるみたいです・・・!
次回は、新たな仲間と装備品と騎士団との衝突について書きます。
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