9話:ビアの迷宮
修正:
今回の話を書きあげていくうえで、不備が生じたためカアラのスキルを少し変更しました。
魔族の心→魔獣の心
そして、追加効果で○○の心は、パーティーメンバーと共有することが可能となることをスキル説明に追加しました。
ダンジョンを作ってすぐに蓮は、疲れて寝た。それもそのはず、彼が作ったダンジョンは、最初から地下に3階層存在していた。
1階層目は、通路といくつかの小部屋がメインのダンジョンっぽい仕上がりになっている。このフロアは、ゆくゆく迷宮内に自然発生した魔物が住んで、戦場になるエリアにする予定である。
2階層目は、大きな部屋が3つと、それをつなぐ通路、そして少数の小部屋からなり、幾分か強力な自然発生の魔物と友好関係にある魔獣の戦場になる予定だ。
3階層目は、一言で言えば、居住区である。2階層からの階段は、王の間事、このダンジョン最後の防衛線に繋がっている。そして、王の間の後ろには、居住区が広がっており、友好的な魔獣の非戦闘員と、迷宮の主たちの住む部屋や、様々な施設が存在する。今現在存在する施設は、監視室・食料貯蔵庫・訓練部屋(小)が、存在している。ゆくゆくは、増えていく予定だ。
とりあえず、初日でこんな具合に作った蓮だが、魔力を使用しすぎたため、作ってすぐ倒れるように寝た。ちなみに、迷宮をステータス化すると・・・
名前:ビアの迷宮(ビア山脈麓に存在するため)
階層:3
迷宮レベル:2
迷宮内魔素:1000/h
迷宮内貯蔵魔力:0
迷宮の主:暁蓮
みたいな感じになる。迷宮レベルは、魔素と貯蔵魔力により決まる。迷宮内魔素は、時間当たりに発生する魔素の量を示しており、魔素が高ければ高い程強い魔物が発生しやすい環境になる。ちなみに、今現在発生するであろう魔物としては、1階層目は、プチコウモリ・スピリット・腐ったスケルトン・バイパーが発生し、2階層目は、吸血コウモリ・スケルトン・ゴースト・ポイズンスネークが、発生する。貯蔵魔力は、死んだ魔物や魔獣や人間により溜まっていく。主が、迷宮内を造り替える際には、自分の魔力の代わりに貯蔵魔力で行う事も出来る。貯蔵魔力が多い程、魔素が多く発生する。今現在、魔素が発生している理由としては、主が迷宮を作った際にある程度の魔力を使用したため、魔素が発生している。そして、魔物と魔獣の違いとしては、魔物は、知能が低く友好的な関係には、なれないものを指す。しかし、迷宮の住人には、手を出さない程度の知能は所持している。魔獣は、ある程度の知能を有して友好的な関係になれるものを指す。
そして、この時出来たばかりの迷宮に最初のお客が、やって来た。
――…――…――
「くそ、俺たちの村が」
「村長、早く逃げましょう」
「女を優先して逃がすんだ!」
「了解しました。自分と戦える者の約30名で足止めをするべきですか?」
「ならぬ。とにかく逃げる事だけを考えろ。」
ビア山脈付近の大森林のゴブリン村にて悲劇が起きた。突如冒険者たちが攻めて来たのだ。その人数約10名。村の警護に当たっていたオーク達は、すぐにやられてしまい、村長であるゴブリンのレンガは、村の者達に逃げる事だけを考えろとビア山脈の麓に向かって逃げていた。最初は、ゴブリン300オーク50いたはずなのに、今では、ゴブリン200オーク20にまで減っていた。そして、逃げているとビア山脈の麓に今まで見たこともない洞窟を発見した。恐る恐る生き残った者たちで入っていくと、そこは、迷宮のような場所であった。
「ようこそ、ビアの迷宮へ。君らは、ゴブリンとオークで間違いないかな?」
男性の声がした。そこには、迷宮の主である蓮とエルフ族のフィル魔王の娘のカアラの3人がいた。
「そうです。我らは、ゴブリンの村にて暮らしていました。俺は、村長のレンガと言う。ここにいるのは、村の生き残りだ。頼むから殺さないでくれ。」
「俺は、この迷宮の主の蓮だ。左にいるのは、エルフのフィル。右にいるのは、魔族のカアラだ。俺は、君たちが敵対しなければ、殺すことは、無い。だが良ければ、俺たちの仲間にならないか?」
「詳しく聞かせて貰えませんか?」
「この迷宮にて住むことを許可して君らを保護する。その代償として労働力を欲しいのだが、どうだろうか?もちろん食事もある程度は、用意する。どうだろうか?」
「え?そんな良い条件で良いのですか?喜んで承ります!」
「そうか!よろしく頼む。そう言えば、聞き忘れていたけど、なんでこの場所に来たんだい?」
「実は、村が冒険者に襲われて逃げて来たんですよ。」
「なるほど。んで、冒険者は、何人ぐらいなの?」
「おおよそ10人ぐらいは、確認できました。」
「よし!ありがとう。さて、居住区に案内するか。カアラは、魔物の発生を調べてくれ。フィルは、俺と一緒に来て監視室に行ってくれ。」
「「了解しました。」」
「んじゃ、戻るか。」
そう言って、蓮達は、この迷宮の最初の住人であるゴブリン達を引き連れて迷宮の中に消えていった。
――…――…――
「ゴブリンの村の壊滅は、完了したね!」
「案外簡単な依頼だったな。」
冒険者達が会話する。
「逃げたゴブリンやオークは、どうする?」
「とりあえず、コイントスで決めないか?」
「それで、良いわ。表が出たら私たち『ワルキューレ』が向かうわ。裏が出たら貴方たち『オリオン』が、向かってね?」
「よし分かった。」
そう言って冒険者の男がコイントスを行った。結果は、裏が出た。
「チッ、俺たちか。」
「んじゃ、頑張ってねー」
そう言って『ワルキューレ』のメンバー4人は、帰路についた。
「んじゃ、俺たちは、ビア山脈の麓に向かうぞ。」
そう言って、チーム『オリオン』は、ビア山脈の麓に向かった。
最後まで読んでくれてありがとうございます!
そして、投稿が遅くなってすいません。
今回、モンスターと言えばこいつ!と言っても過言じゃないゴブリンが登場しました。今後彼らは、迷宮内において地味に活躍する事となります。
次回は、チーム『オリオン』のメンバーが、苦しみます!復讐の第一歩ってやつですね!
出来る限り早く書けたらなーと思います。
次回も楽しみにしていただけると嬉しいです。




