終わりのない世界にいる僕らは。
第三部です!楽しく読んでいただければ幸いです♪
僕らは終わりのない世界にいる。
でも、終わりのない世界なんて、存在しない。
終わりのないというものほど脆いんだ。
「とりあえず、僕と彼女の分身は、体の中に入る。それからこれからのことを話すよ」
そう言って僕の分身は体の中に入っていった。雨宮さんの体にも分身が入る。
前から言っていたことだが、気持ち悪い。悪寒がする。
「で、私たちはどうすればいいの?」
雨宮さんが聞いた。
『説明してあげて』
『これから、僕たちが暮らす砦に行こう。そこに君たちのような子たちがいるから』
僕たちのほかに契約者が?
僕たちは歩いた。
現実と同じ街、建物。人間がいたら、ここは現実の世界だと現実逃避ができるものだけど。
『ここだよ。入ろうか』
そこは小さなビルだった。見た目はぼろぼろだが大丈夫なのだろうか。
ドアを開けると同時に、男が顔を出す。
ぼさぼさの漆黒の髪に、赤い伊達メガネをつけている。
「おお!新入りだな!」
「零、うるさいよ?」
にこにこ笑ってソファーに座っているこの男は、茶色の長髪を後ろで結び横に流している。
「うるさいのはいつもだよー」
最後の一人は、ポニーテールの少女だ。
「俺は和泉零。零って呼べよ。あ、君可愛いね」
『よろしくな!にしても、女の子のほう可愛いなー』
分身も挨拶をする。
零という人は雨宮さんを口説いている。
『口説かれてるけど、いいの?君ー』
僕の分身は笑いながら言う。
僕は零をじっとりとした目で見ながら、ほかの人たちを見る。
すると、にこにこ笑っていた人と目があった。
「ごめんね。驚いてるでしょ。俺は初瀬仁。仁って呼んでね。よろしく」
『よろしくね』
「よろしく、仁」
僕もにっこりと笑って返事をする。
「あたしには女扱いしないっておかしいよねえ。あ、私早嶺蒼衣。よろくね!蒼衣でいいよ」
蒼衣は、ソファーに寝転びながらゲームをしている。
『可愛がってあげる』
蒼衣の分身の言葉は聞かなかったことにしよう。
「女扱いってお前、ついてるところに肉ついてねえだろ」
笑いながら零が言った瞬間、蒼衣の凄まじい蹴りが零の顔面にあたる。
僕は苦笑いをして目を逸らす。
『僕たちはこれからこの人たちと行動を共にするんだよ。で、制御していく』
「もしかして、終わりがないのか?」
僕がぽつりとつぶやくと、皆の視線が僕に向いた。
「終わりのない、か」
さっきまで笑っていた零が真面目な顔になり、ヘッドフォンをつけてパソコンを使い始めた。
「臣君?」
雨宮さんが僕を覗く。
「あ、そういえば、自己紹介してもらってないな」
零がヘッドフォンを外して言う。
「あ。僕は立津木臣。高校二年生だよ」
「私は雨宮律夏よ。臣君とは同じクラスなの」
「律夏ちゃんか!かわいい名前だね!俺と付き合ってぐはっ」
また零が蒼衣に殴られる。いつもこんな感じなんだろうか。
ずいぶん賑やかだなと思っていると、仁が話し始める。
「まあ、俺はここのこととても詳しくは知らないけど、君たちよりも先にここにいるからだいたいはわかるから、分からないことがあったら言ってね?」
「そうそう!私達は先輩なんだよ!」
「同じ年齢みたいだけどね」
雨宮さんが笑う。
笑いあう皆を見て僕は思った。
この人たちと会うのは初めてじゃないような気がする。
僕の頭がおかしいのだろうか。
「とりあえず、よろしくな。臣、律夏ちゃん」
僕らは出会った。
出会う運命だった。
今のところの登場人物
★立津木臣
★雨宮律夏
★和泉零
★初瀬仁
★早嶺蒼衣