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愛する上司は罪深き転生者(冤罪だけど)  作者: 安藤昌益
冤罪の女上司

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第13騎士隊は解散

「何事ですか?」

 ベアトリーチェは突然のことにではあったが、冷静でかつ威厳と威圧を込めて、乱入者達に一喝、剣に手を伸ばしたロレンツィオを止めた。

 第13騎士隊の、ベアトリーチェの部下達ではないことはすぐわかった。他の騎士隊、しかも3隊、鎧の紋章でわかる。そして、先頭の3人の顔は、ベアトリーチェも、ロレンツィオもよく見知っていた。第5、7、12騎士隊の隊長達である。彼らの後ろの10人ほどは彼らの隊の精鋭達、彼らの側近達だとわかった。ベアトリーチェの一喝で彼らは声も出なかった。が、その後ろから声がした。

「君が転生者であるとの情報を得たので、逮捕する。抵抗しないように。」

 騎士団幹部の一人だった。

 彼の声で、侵入者達は少し散開するように動いた。ベアトリーチェが剣を抜いて抵抗するかもしれないからだ。鎧を着ていないから、数以上に彼女は不利だが、それでも彼女の剣技を知っている者は、用心しなければならないと感じるのである。

「私が転生者?」

 彼女は理解できないという表情ながらも、冷静だった。

「な、何を馬鹿なことを。隊長が転生者などであるはずがないだろう!」

と狼狽えたように叫び、抗議するロレンツィオとは違っていた。血が上りかけた彼を制して、

「全く、身に覚えがないことですが、誰がそのようなことを?」

と落ち着いた口調で言った。

「事実かどうかは、騎士団が判断することだ。大人しく騎士団本部まで来てもらおう。君への審査が速やかに行われることになっている。既に、この建物は占拠している。第13騎士隊は解散となる。しばらくは空番となる。」

 その言葉に反応したように、室内の騎士達は全員剣を抜いた。当然ロレンツィオも剣を抜こうとしたが、ベアトリーチェがまた、制した。

「わかりました。堂々と申し開きをいたしましょう。」

と剣を机の上に置くと、立ち上がった。

 すると男女の騎士数人が彼女を押さえつけて、拘束具をつけた。それに抗議しようと、阻止しようとしたロレンツィオを、またしても彼女は制した。

「わが・・・第13騎士隊の者達は皆優秀な者達です。解隊になっても、しかるべき待遇を与えてください。あ、それから隊の業務の引継ぎはロレンツィオに任せます。ロレンツィオ君、手数をかけるがよろしく頼む。」

ち流石に青ざめた表情になっていたが、形勢な口調で、ロレンツィオに対して温かみを感じさせる口調で命じた。

「は、はい。」

 彼にはそれだけしか言えなかったし、口の中が異様に乾いて、痛いくらいだった。

「心配するには及ばぬ。この女を連行しろ。」

その言葉でベアトリーチェは荒々しく引き立てられていった。ロレンツィオは、それをどうすることもできなかった。ただ見送るしかなかった。


「い、一体どういうわけだ?」

と彼は呟いた。このように連行されて、無実だった、転生者ではなかった、とされて戻ってくることはあり得ないことは知っていたが、彼女なら堂々と審問官に反論して、無実、事実無根であることを認めさせ、転生者でないことを証明して帰って来るのではないか、彼女ならできるのではないか、と淡い期待をかけたのだったが。


 第13騎士隊は、ロレンツィオを除き騎士団寮の自室に謹慎、彼は替わって入ってきた第12騎士隊に対する引継ぎに忙しい日々を送ることになった、しばらくの間。それが終わると彼も自室に謹慎処分となった。そして、それから数日後ベアトリーチェの異端者認定の知らせを聞いたのである。

 それと同時に謹慎処分が解かれ、騎士団本部直属の書記官となり、転生者監獄の1つの管理を任されることとなった。所長ではなく、その補佐だが、事実上は彼が管理事務を全て担うことになったのである。

 それは、元々第13騎士隊の管轄である、フローレンス王国王都にある監獄だった。聖アテナ騎士団は、他の聖騎士団同様、各国にまたがった組織である。ベアトリーチェとロレンツィオは、フローレンス王国の貴族ではあるが、第13騎士隊の大半は他国出身である。それも、もうないのであるが。彼は、騎士団復帰の初日に驚くこととなった。その監獄は、今までは、模範的な監獄でさえあった。それが・・・。 

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