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愛する上司は罪深き転生者(冤罪だけど)  作者: 安藤昌益
脱獄計画

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4/6

異世界転生者と死に戻り転生者

「お二人とも、どうですか?仲良くできましたか?」

と監房に入ると、そんなことを言った。

 首輪をつけられ、それは鎖で壁と結ばれていた、2人の男女が。そんな状態の2人は声をかけた者をジロりと見た。

 半裸にも近い格好であった。二人は大公家令息と公爵家令嬢、婚約者であった。普通の婚約者同志であるのである。

 女は、未来からの死に戻りの転生者が公爵家令嬢である。彼女は、婚約破棄されたあげく冤罪を擦り付けられ、処刑と同時に記憶をもったまま転生されたというわけである。ちなみに婚約破棄される2年前に、前世の記憶を取り戻したのか、その時点の自分の体に入ったのかは定かではないが、その時点から彼女の復讐の準備がはじまったのである。

 つまり、婚約破棄をする婚約者、寝取り女その他に対して復讐しようと考えているわけである。


 他方、男のほうは、冤罪を着せられて処刑された公爵令嬢が、前世知識を使って復讐する小説の世界に飛び込んでしまった、というものだった。だから当然、婚約者にざまあされる運命を回避したいと思っているが、原作の印象では彼女はどんなことがあっても、ざまあする、復讐をするということがはっきりとしているというところだった。だから、どうしたものか、と悩んでいた。


 そんな2人であるから、バエル大公家嫡男アガレスとギューン公爵家令嬢カミュは、互いに偽の微笑みと笑い声をたてて、仲の良い、お互いにそう思わせている、茶会の最中に逮捕されたのだが、牢獄に入れられた時から、悪態をつき、罵り合いを始めたものである。それを期待してのことであり、その趣味の悪いことを考えたのは誰かということになるが、ロレンツィオもそれが誰かかば分からなかった。

「大体あなたが愛人を作って、私を捨てて、冤罪を擦り付けて処刑したのが悪いのでしょう?」

「それは、僕自身ではない馬鹿な僕がやったことには呆れているし、君には同情しているよ。でもね・・・君の言行を聞いて、見ていると僕ではない僕のの気持ちがよくわかるよ。」

「そ、それはどういうことですの?私がいたから何とかなっていたくせに!何が悪いか行ってごらんなさい!この能無し、色ボケ男!」

「分からないようだな、やっぱり。じゃあ、言ってやるよ。耳の穴をかっぼじいてよく聞き給え。」

「な、何よ、それ?言いがかり付けないでよ。この卑しい転生者が。」

「自分だって転生者だろうが。」

と言う具合に期待に応えてくれた2人ではあるが、最近ではかなり静かになっていた。


 殺し合わないように手枷足枷して、それでも相手を殴れる程度にしておいた。実際、そういうことが起きた。その意味でも期待どおりだった。しかし、怒鳴り合って、言いあって、理解しあったのか、手枷足枷で動きが不自由ながらも、寄り添いあって唇を重ねるようになっていた。ロレンツィオが入った時も、唇を重ねていた。慌てて唇を離した二人に、彼は脱獄計画を話した。

「いいのか?」

「いいのですか?」

 2人が問いかけた。二人とも、違った意味であるが、気が優しいのである。アガレスは物騒な婚約者を事前に殺してしまおうという発想ができない男であるし、カミュは復讐に生きようとしたしていたことが、彼女の全てだったといえるのであるが、それが全て覆ってしまって、変わってしまったのである。

「実は私の尊敬する上司の女性が冤罪で転生者とされて、処刑が決まったのですよ。」

とだけ言ったが、それで2人は納得してくれた。

「しかし、私達を助けることにメリットがあるのか?」

とアガレスは疑問を口にした。たいていの者が思い浮かぶ疑問だが、彼らの場合は簡単に言えた。

「お二人のご両親が、お二人の救出を願ったのですよ。取りあえずの拠点を提供してくれることになったからです。恩人の願いは無下にできませんでしょ?それに、あなたがたは、もしものために色々と学ばれ、修練をしていたようですから、それを高く評価したんですよ。」

とロレンツィオは説明した。2人は納得した。

「全く冤罪なのに救おうともしない家族もいれば、転生者と分かっても助けたいという者もいるわけだから・・・不思議なものだな。転生者は我が子ではないと憎しみを感じるのも、転生者でも我が息子、我が娘と考えることはある意味、コインの裏表、同じことなのかもしれないな。まあ、俺も同様なものかもしれないな。」

 ロレンツィオは、しみじみと2人に気がつかれないように呟いた。二人が同意すると詳しい計画の内容を説明してロレンツィオは立ち上がって退室した。その前に、拘束具を、もっとうごけるように調整しておいた。

「もう少し楽にキスできますから。」

と言って顔を赤らめる2人に背を向けて牢獄からでたロレンツィオだった。

「」 


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