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愛する上司は罪深き転生者(冤罪だけど)  作者: 安藤昌益
今度こそ

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ロレンツィオの秘密

「ロレンツィオさんて転生者じゃないのかな?」

「当人は言わないから・・・そうかもしれないし、そうでないかもしれないし・・・分からないでしょう?前世知識を見せたとか、チート的能力を披露したわけではないしね。でも、どうしてそんなこと言うわけ?」

「彼さ、ベアトリーチェさんと同棲して、添寝までししていないんだろ?あれだけの美人の側にいて、むらむらしていないなんて、男としては疑問なんだよな。」

「全く、それはあなたが・・・。彼女はトラウマになるくらいひどい目にあったのよ。顔には出さず凛々しく振舞っているけど・・・内面のことはわからないわ。女同士だって分からないし、みんな違うわよ。ロレンツィオさんは、ベアトリーチェさんのことを思いやってあげているだけでしょう?それを・・・。」

「それなんだけど、そんなところ心配して聞いてみたんだけど、彼も男だから性欲でむらむらしているよと寂しく笑っていたんだ。それで、思いついたことがあるんだ。」

「別にへんなことではないでしょう?それで何を思いついたの?」

「2つだよ。一つは、確かに俺のいた世界の日本というか世界は、女性のそうしたトラウマが理解されているけれど、この世界は違うということ。それから、こんな漫画を見たことがあるんだよ。理想の、大好きな美人の女性と結婚したのはいいけれど、嫁さんはセックスを拒否し続ける。彼女の心情を思って我慢する夫。でも、ついに強引に・・・。そして、嫁さんは夫を殺して、素知らぬ顔で夫が死んでいます、と警察に電話。彼女は養父に幼い時暴行されて、トラウマが・・・、という落ち。」

「それが?」

「彼って、ロレンツィオって、それらを知っている、異世界の人間だったんじゃないかって、思えるんだ。」

「そうだったら・・・彼はいい人では?でも、だからって転生者とは限らないじゃない。自分で言わないんだから、詮索しない方がいいと思うわよ。あの2人、心配だけど。」

「転生者だと知ったら、ベアトリーチェさんがどう思うか?俺達に差別的なところはないけど、自分の・・・。そうだな、君の言うとおりだな。このことは忘れることにするよ。」

「それがいいわね。彼女が疑いを持ったら・・・彼、可哀想だから。」


 その話をベアトリーチェは、少し離れたところから隠れるように聞いていた。

「ロレンツィオは、転生者だったのか。」

 彼女は即断してしまった。彼らの会話では、未確定ということだということは理解していた。しかし、彼女は断定してしまった。その飛躍を、何故かよく理解していながら、全く疑問に感じていなかった。

 そして、その夜。いつもと同様に彼女の体を抱きしめて、それ以上は進まないロレンツィオを感じていたベアトリーチェは、今までも時々あったのであるが、彼が夜遅く起き上がって部屋を出たのに気が付いた。そして、この日初めて、そして最後になるのだが、彼の後を静かに、気がつかれないようにして後をつけた。

 そして、彼女は見た。暗い中であり、物陰に隠れたロレンツィオが息を荒くして、何かの行為に没頭している姿を。そして、自分の名を呼びながら、最後に、

「う。」

と言って、しばらく体を痙攣させている姿まで確認して素早く来た道を戻り、ベッドの中に潜り込んだ。しばらくしてロレンツィオが、何もなかったかのようにもどってきて、再び自分を抱きしめようした時に、あたかも今目をさましたかのように起き上がり、

「どうしたの?眠れないの?」

と寝ぼけ眼を装って尋ねた。彼の顔を見た。暗い中であるから、はっきりとは分からなかったが、彼は困ったような表情でもあり、何かに耐えるような顔でもあった。

「ごめん、起こしてしまった・・・ちょっと小水を・・・。」

と言うのを聞いて、

「それならいいのよ。おやすみなさい。」

とまた横になった。しばらくロレンツィオは黙って、そして身動きをしなかったが、再び彼女の体を抱きしめて、寝息をたてることになった。


 それから数日後のことだった。ベアトリーチェが転生者であったことは冤罪だったという結果がでたことを、ロレンツィオは彼女に伝えたのは。彼は、外部の情報を収集することと物資確保のための売買のため、彼と他のメンバーが外部に出た時、その情報を掴んだのだという。ロレンツィオは、彼女に伝えることを迷った。しかし、どんな結果になったとしても、彼女に伝えないのは卑劣な行為だと考えたからだった。

「そうか。」

と彼女は嘆息をついて言っただけだった。


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