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2 . 君

 始まりは暖かい春の始業式だった。

 私は新しい学校の校門をくぐり抜け、自分のクラスを確認した。

 その時、私の横を通り抜けていった女の子がとても可愛くて、一瞬で目を奪われた。

 その子は同じクラスで「潤井 翠」ということを知った。

 1つ1つの所作がゆっくりで可愛くて、ただただいつも君に目を奪われていた。

 ある日、体育でたまたま潤井さんと見学が一緒になった。

「...今日、潤井さんも見学?」

 思い切って話しかけた。もう、心臓バクバク。

「う、ぅん!」

「どうしたの?」

「あ、昨日足を痛めちゃって、」

「え、大丈夫?」

「う、ぅん!僕がドジなだけだから」

 ...僕って、一人称も似合ってる...可愛い。

「あ、あはは間違えた...ぼ、ぼくじゃなくて私だよね、」

「え?いいんじゃない。だって、似合ってるもの」

「っ、え?...そ、そう?...//」

 照れる姿も可愛い、!!

「というか、ずっと言おうと思ってたんだけど、×××って名前、綺麗よね」

「っ、あ、え?」

 あれ、反応が鈍い...。

「あら、聞こえなかった?」

「“翠”って、名前綺麗よねって言ったの」

「あ、ありがとぅ...、!!」

 え、可愛い。

「別に、礼には及ばないわよ。ただ、私が思ったから言っただけ」

「...ありがとう、/」

 そんな幸せな時間もあっとういうまに終わっていた。

 もっと話していたかった...。

 その後、放課後職員室に呼ばれた。

悠真(ゆうま)先生、来ました」

「あ、ありがとう」

 悠真先生は家庭科の先生で男性だけど、とてもふわふわしていて可愛い。生徒からの人気も高い。

「えっと、花さん調理実習休んで参加してないでしょ?いつか空いてる放課後とかにやらなくちゃなんだけど...」

「分かりました。親に確認してみます。」

「うん!ありがとう!」

「失礼致しました。」

 職員室を出て、昇降口まで向かっていると後ろから翠さんの声がした。

 どうやら、翠さんも職員室にいたみたい。え、気づけなかった。

 昇降口で彼女の方が早くて私を追い越した時、私は咄嗟に引き止めてしまった。

「あ!潤井さん!この後暇、?」

「え、ぁ、暇だよ、?」

 私は咄嗟に引き止めたから言い訳が思い浮かばなくて必死に脳みそを絞り出して思いついた言葉を口にした。

「...無理なお願いしてもいい??彼氏のフリしてくれない?」

 思いついた言葉は、包まれずに口から飛び出した。そういえばカップル限定のケーキ食べたいなと思い出したのだった。

「か、彼氏?」

 だめだよね、だって、こんなに可愛い子が...そんな扱いされたら嫌だよね...でも、見た目は男の子っぽいから行けるとは思うんだよな...(正直な気持ちは)

「...やっぱりダメだよねぇ...男の子に頼んだ方がいいのかな」

「...うぅん、いいよ、」

 ...え、今なんて言った?

 私の脳は一瞬思考停止した。

「え、!?ありがとう...!!」

 ...嬉しすぎる。今から、倒れ込んで泣いちゃいそう。

 そして、私は翠さんを連れて、カフェに行った。

(つむぎ)さん!彼氏連れてきたよ!」

「え、本当だったんだ。完全に勢いだと思ってた。」

 その通りです。完全勢いでした。

「むぅ...」

 その後、翠ちゃんを連れて、私は席に座った。

 そうして、喋りながら待っているとピンク色のかわいいケーキが運ばれてきた。

「えっと...まだ頼んでないよね、?」

 翠ちゃんが困惑している。うん、可愛い。

「あ、説明してなかったね、!ここカップル専用のケーキがあって...と〜っても美味しそうだったんだけど、彼氏いないし...って思ってたの、!巻き込んでごめんね、?」

「ん〜ん!大丈夫だよ」

 え、めっちゃ優しい。好き。

「というか、意外だったなー」

「え、?」

「あ、花ちゃんが甘いもの好きとか、学校と結構今雰囲気違うから可愛いなーって思って」

「…花ちゃんはさ、僕の憧れだから」

「...え、?」

「...な、んで、?」

「え?なんて言ったの?」

「わた、しに、憧れないで、!私は、...翠ちゃんが、憧れなの...!!」

「...、?え?」

 急にこんなことを言われても困るなんてわかってる。

 わかってるけど、君は私に憧れちゃだめだよ。

 君と私は違うから。

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