表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
2/57

【第2話】私と、今世の家族

第二話です。

書き立てほやほやで、ストックないです。

それでは、書け次第の順次投稿・不定期更新となりそうですが、よろしくお願いいたします(*´꒳`*)

一気に読みたい方が多くいらっしゃると思いますが、気長にお待ちくださいませ(´;ω;`)



「お嬢様、お目覚めですか?」


「うぅん、おきているわ」


まだ眠い目を擦りながら、起き上がる。

まだ幼い身体は、完璧な呂律ではないけど、中身が大人の私だったので、かなりしっかり喋ることができていると思う。


私が、おそらく死んでしまって、それから産まれてきたのだと分かってから5年が経った。

産まれた日と、それから翌年から5回、誕生日おめでとう!と両親が誕生会を開いてくれていたので、ただいま5歳。


暦の様なものはまだ正確にはわからないが、日本に似た四季があるみたい。

1ヶ月や1年の日数や、1日の時間もかなり元いた世界に近いと思う。


元いた場所ではなく、“世界”と考えるのは、どう考えても、同じ地球だとは思えないことがあるからだ。


そう、この世界…魔法が存在する!!!!!

私も魔法が使えると良いな……きっと使えるよね!せっかく転生してきたんだから!




毎朝起こしに来てくれる侍女のアニーが、今日もカーテンを開けながら、優しく微笑んでいる。


「おはようございます。お嬢様、洗顔のご用意をいたしました」

「ありがとう」


いつもの様に、洗面器で暖かなお湯を絞った布で顔を拭いてもらう。

この生活にも慣れたものだな、と目を閉じたまま物思いにふける。



“お嬢様”

そう、私!お嬢様なのである!!

 

この5年間、大事に大事に育てられた私は、ハワード侯爵家に産まれた長女で、アメリアと名付けられている。

つまり、アメリア・ハワード侯爵令嬢が今の私。


侯爵令嬢な私は、朝の準備もアニーが全部やってくれる。




◇◇◇◇◇◇◇◇




日本で生きていた頃の私は、漫画家だった。

少女漫画を描いていた。

小さな頃から、漫画を読んだり、アニメを見るのが大好きで、いわゆるオタクだった。

その延長線で、お絵かきから始まりイラストや漫画を描くようになり、社会人ニ年目で投稿した漫画でデビューして、それから25歳のあの頭痛の日まで、漫画を描き続けてきた。


前世、と言えばいいかな?日本の私の名前も覚えてる。

花宮(はなみや) 円香(まどか)それが私の名前。

漫画の作家名は、花宮(はなみや) 茉莉花(まつりか)

本名を残しつつ、若干の中二病心でつけた名前だ。

 

オタクだからしょうがないよね?

しょうがないと思いつつも、決して表に出してはいないが、私の脳内はかなり中二病に染まっていた。

 

例えば、軽いところだと、パステルカラーより断然!黒か白…もしくは原色の色がカッコよくて好きだし、分かりやすいところだと、アニメで好きになるのも、俺TUEEEだったり。

……ハマったキャラクターに様付けで呼んでいたのは、言うまでもない。


(え、みんなやってたよね?)


そんなオタクな私は、イケメンが大好きである。

主に2次元のだけど……。

勿論、漫画家なので、自分でも「俺の考えた最強のイケメン」よろしく、自分の漫画のヒーローは好みのイケメンを描いてニマニマしていた。


(と、当然だよね?)


少女漫画家だから、俺TUEEEを全面には押し出せないけど、結局は同じ様な“スパダリ”を描いていた。

 

今となっては、どうにもならないけど、連載中の漫画、私が死んだことで、「作者急逝の為」のあの見たことあるお知らせが載って、終わったんだろうな……。




◇◇◇◇◇◇◇◇




そう言えば、産まれた時お尻を叩いたのは、私のお母さんで、産声をあげないから息をしていないと思って、叩いたみたい。

思考はしてたけど、実際あの時の産まれた瞬間の自分が、息をしていたか覚えていないので、ほんとに息してなかったなら、母かつ、命の恩人である。


お母さん…お母様の名前は、アリステア・ハワード。

お父様の名前は、ロメリアス・ハワード。

 

そして、未だ見ぬ…いや、産まれた日に、まだほとんど見えない目でしか見たことがないけど、兄がいる。

 

お兄様の名前は、ユリシス・ハワード。


直接伝えられてはいないが、どうやらお兄様は実の兄ではなく、お母様の姉…つまり伯母の息子さんで、私の従兄弟に当たるらしい。

産まれた日には来てくれたのに、それ以来、誕生日パーティーにも出てくれないレベルで引きこもっているらしい。

だから、顔も知らない……。


なぜ教えてもらってないのに知っているかというと、侍女やメイドが私に聞こえても分かるわけないと思って、「お嬢様のパーティーにお出にならないなんて」から始まり、「やはり実の親子ではないし、あの顔では気が引けるのだ」やら、「奥様の姉君の旦那様に生き写しらしい」と眉を顰めて話しているのを聞いたからだ。


実の兄ではないからというのは理解できるが、“あの顔では”とはなんだろう?と疑問だった。

 

ちなみに、伯母様と伯父様は、事故で亡くなっているらしい。

一人息子で、ひとりぼっちになったユリシスを、妹夫婦のハワード侯爵家に引き取った。

というのが、ユリシスが私の兄になった経緯だ。


ここまで把握出来てしまうとは、まだ幼い私が分かるのが異常だとしても、侯爵家の使用人の方々の口の軽さ大丈夫か?と、ちょっと心配である。


まだ顔も知らぬ兄は、伯父様に生き写しらしいが、伯父様達は私が生まれる前に亡くなっているので、そちらも顔がわからず、想像がつかない。


だけど、私のお母様はビックリする程の美人なので、姉である伯母も美人なんじゃないかな?

その旦那様なんだから、期待できるというもの!


イケメン好きとしては、つい兄がイケメンなのではないか?とちょっと期待してしまう。


家族なんだから、イケメンじゃなくても、仲良くできるといいんだけどね。




「お嬢様、お支度が終わりました。食堂へ参りましょう」

「ええ、きょうはお父様もいる?」

「はい。旦那様もお嬢様とのお食事を楽しみにしておられますよ」

「そ、そう!わたしも楽しみだわっ」


物思いに耽っている間に、完璧に身支度された私は、正直…くっそ可愛い。

欲目なく、客観的に見て、美幼女である。


そんな私の母はビックリするほどの美人だとさっきも言ったが、私はその素晴らしい遺伝子を上手いこと引き継いで、さらに!父の良いところ“だけ”を拾い上げ、将来女神になれるかもしれないレベルなのだ!


……ただ、父の良いところとは、透き通る様なプラチナブロンドの美しい髪“だけ”である。

いや、あの、これは容姿に限った事の話ね?


さっき父が来ると聞いて一瞬もごついたのは、心の準備が出来ていなかったからだ。

父は殊更私を溺愛しており、なんかもう凄いのだ。


……そう、とにかく凄いのだ!

すっごく愛してくれて、嬉しいし、私も父親として慕っているけど、どうしても心の準備がいるのだ。


要るったら、要るのだ。


 

 

読んでいただき、ありがとうございます。

誤字脱字、異常な言い回しなどありましたら、ご指摘受け付けておりますので、お手柔らかにお願いいたします。


“スパダリ”とは、スーパーダーリンの略で、顔・スペックなどが良い、相手男性役のことだと、朧げに思って貰えればと!

最近見る様になった、用語かもしれません。

(この説明で間違っていたら、今後訂正します)

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ