睡眠グッツ
コーンカーンコーンカーン。
チャイムの音が授業の終わりを告げる。
「毒吐き君!」
「・・・」
天使ちゃんが毒吐き君に駆け寄る。
だが、反応は返ってこない。
机に突っ伏したままである。
「ねぇねぇ」
ユサユサと毒吐き君の背中を揺らす。
すると、毒吐き君がうっすらと目を開ける。
だが、また目を閉じてしまった。
それを見た天使ちゃんは、
パシィィンッ!!
「っ!!???」
背中を平手でたたいた。
毒吐き君は背中を押さえながら、ガバッと起き上がる。
そして、天使ちゃんをギロッと睨み付けた。
「何!眠いんだから用事は速く済ませて!!」
怒鳴るように言いながら、毒吐き君は天使ちゃんの言葉を促すように顎を動かす。
天使ちゃんはそれを見て、ニツと笑う。
そして、今思いついたかのような素振りをしながらこう言った。
「毒吐き君。さては、寝れてないなぁ」
「ダメだよ。学生なんだからちゃんと寝ないとぉ」
「、、そうだ、じゃあ、その眠そうな毒吐き君に、よく眠れる睡眠グッツを教えてあげよう」
「何?」
毒吐き君は眠そうに首をこっくりこっくりさせながら天使ちゃんの言葉に相づちを打つ。
それを見て天使ちゃんは笑顔を浮かべた。
それから、腰からあるモノを取り出す。
「ジャジャァァンッ!!」
「アイマスクだよ!!」
「いる?」
「、、へぇ」
「うん。じゃあ、貰う」
天使ちゃんは毒吐き君にアイマスクを手渡した。
睡眠グッツをくれるその姿は、毒吐き君にとっては天使のようだっただろう。
そこで、天使ちゃんは思い出したように言葉を付け加えた。
「あっ。そうそう」
「それ3000円したから、後でちゃんと払ってねぇ」
「、、ふぁい」
眠さが限界に達していた毒吐き君は何も考えずに応えてしまう。
そして、快適な睡眠を送った後、いつの間にか消えていた3000円と、それで買うつもりだった学食のことを考えて頭を抱えるのだった。