宿題
コーンカーンカーンコーン。
チャイムが授業の終わりを告げる。
「毒吐き君!」
「数学の宿題やったぁ?」
天使ちゃんが毒吐き君に話しかける。
次の授業は数学。
それまでにやってくる宿題が出ているのだ。
「もちろんやったよ」
「ん?もしかして、天使ちゃん、やってないの?」
「まさか、やってないから写させろなんて、、、言わないよね?」
煽るような声でそういう。
いつも通りである。
それを、気にもせず天使ちゃんは口を開いた。
「そりゃあやったよ!」
「難しかったから、あってるかどうか気になって」
「ふぅん。そっかぁ」
毒吐き君がノートを開く。
それを天使ちゃんが後ろからのぞき込んだ。
天使ちゃんが腕を組んで、毒吐き君の頭の上にのせた。
「あれ?ここ、おかしくない?」
「え?どこ?」
天使ちゃんが指摘しようと腕をどける。
すると、
フワッ。
頭の上に柔らかい物が当たった。
だが、そんなことを毒吐き君は気にしない。
昔からこんなことはよくあるのだ。
「(コソコソ)え?あの2人あそこまでの関係に?」
「(コソコソ)そんなぁ」
2人に周囲の視線が集まった。
それに気づいた毒吐き君が体を前に倒して天使ちゃんをどける。
天使ちゃんは首をかしげるが、すぐに周りの視線に気づき、姿勢を直した。
「そ、それじゃあ、気を取り直して」
気を取り直して宿題の答え合わせを始めた。
しかし、周りの目線は変わらない。
それが恥ずかしくなったのか、会話のスピードが遅くなってしまった。
そのため、
カーンコーンキーンカーン。
「あっ!答え合わせまだ終わってないのに!」
答え合わせが終わらずに授業が始まってしまった。
そして、
「正解は・・・だ」
((あっ。2人とも間違えてる))