シャーペン
シャーペンって懐かしいです。
そういえば、今の学生は鉛筆使わないって本当ですか?
コーンカーンキーンカーン。
チャイムが授業の終わりを告げる。
「毒吐き君!シャーペン貸して!!」
「へ?」
天使ちゃんは毒吐き君の机の前に来ると、開口一番そういった。
そして、毒吐き君の返事を待たず、毒吐き君の筆箱をあさりだした。
その様子に毒吐き君は困惑する。
「ど、どうしたの?」
毒吐き君は怯えながら訪ねた。
1本シャーペンを奪い取った天使は振り向く。
そして、満面の笑みを浮かべてこういった。
「シャーペン忘れた!」
「・・・」
「前の授業どうしてたの?まさか、優等生とあろう者がメモもとらなかったんじゃないだろうねぇ」
悪い笑みを浮かべながら毒吐き君がそう言う。
天使ちゃんはムッとした顔をする。
だが、そこから言い返すことはなかった。
「え?もしかして、本当に何も書けなかった?」
「そうだけど、何か?」
「、、へぇ~」
「次のテスト、僕の勝ちだね」
毒吐き君は馬鹿にしたように笑う。
さすがは性格が悪いだけはある。
・・・。
授業が始まった。
毒吐き君は自分のペンを出そうと筆箱を見る。
そこであることに気がついた。
(あっ!天使ちゃんに貸したシャーペン、芯入ってないかも)
恐る恐る毒吐き君は天使ちゃんの方を見る。
そこには、
ジィ。
目を細くして毒吐き睨む睨む天使ちゃんの姿があった。
毒吐き君が見つめたことに気がつくと、シャーペンの蓋をカチカチと連続でノックさせた。
(あぁ~。相当怒ってるなぁ)
(今日の昼食はおごってあげよう)
財布の中身を確認しながら、そんなことを思う毒吐き君であった。