表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君に愛を乞う  作者: 京町ミヤ
第1部
2/204

第2話

少女が遊具の影に身を潜めたと同時に、先程の女性がヒールの音を響かせやって来た。


「おやおや。逃げないのかしら?」


女性はどこからか大きな鎌を取り出し、空を斬った。


「まぁいいわ。貴方の魂を喰らえば、しばらくはここに留まる事が出来るでしょう…」


「お前、流れ者の魔物か」


「そうよ。魔界にも飽きちゃったわ…私を楽しませてくれるのかしら?」


「………」


「あぁでも…武器もない貴方に私が倒せるかしらね」


そう言うや否や女性は地を蹴って、青年目掛けて鎌を振り下ろした。

それを軽々と避けた青年は蹴りを、拳を、女性に繰り出す。数発当たったようだが、ダメージは受けていないように見えた。


(な、何…あの人…)


恐怖を紛らわそうとぎゅっとスカートを握りしめ、ふと違和感を感じた。

少女はスカートのポケットに入っていたそれを取り出した。少女の小さな手の平に収まる長方形の半透明の石。

少女が首を傾げていると、突如半透明の石が光り始めた。


「わっ…!?」


「!アレは…!」


「魔石持ち!?おのれ…先に小娘から始末してやるわ!」


光を見た瞬間、青年と女性の表情が変わった。標的が青年から少女に変わる。


(殺される…!?)


ぎゅっと目を固く瞑るが痛みはない。不思議に思って恐る恐る片目を開けると、目の前には青年の顔があった。


「それ、貸してくれないか?」


「え…?」


少女はそっと青年の手に石を乗せた。背後から女性が迫る。青年が何かを呟くと、いつの間にか握られていた刀で女性を斬りつける。


「がぁっ!!」


最後に鋭い目で青年を見つめた後、女性は黒い靄となって消え去った。コツン、と紫色の石が落ちた。


「(な、なんなの…一体…)」


青年に駆け寄ろうとしたが、ふらっ、と力が抜け、そのまま地面に付してしまった。


「!おい、大丈夫か!?」


青年が肩を揺らして問い掛けるが、返事はない。


「………」


青年は紫色の石を回収し、少女を背負って歩き始めた。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ