表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
君に愛を乞う  作者: 京町ミヤ
第1部
19/204

第19話

黒板に書かれた内容をノートに写していく。しかし、内容は全く頭に入ってこなかった。

それに何だか頭が痛い。少しくらくらする。


「………」


(駄目だ…集中しないと)


そう言い聞かせるものの、身体は気怠くなるばかりでやがて目の前がチカチカしてきた。


「………」


陽羽の様子がおかしい事に気付いた幸雄は、陽羽の机の脚を軽く蹴り、ノートの端に『具合が悪いのか?』と書いて陽羽に見せた。


「あ…」


『少し』と陽羽も同様にノートの端に書き込んだ。すると『無理はするな。保健室に行ってこい』と諭される。


(たしかに…迷惑かけるかもしれない)


陽羽は筆記用具だけ片付け、保健室へ向かった。道中結構ふらついたが、何とか保健室まで辿り着けた。


「失礼します…」


ノックして入ると、澪が顔を上げた。


(そっか…いるって言ってたっけ…)


「あ、陽羽ちゃん。どしたの?」


「ちょっと頭痛が…あと身体が怠くて」


体温計を陽羽に渡し、澪は陽羽の顔を覗き込んだ。


「顔色が悪いなぁ…寝不足?」


「あ…かもしれないです…」


計り終えた体温計を澪に返す。


「ん〜平熱か。一時間休んで様子見ようか。こっちおいで」


澪に連れられ、保健室の一番奥のベッドに案内される。


「ここ使って」


「ありがとうございます…」


靴を脱いでベッドに上がろうとした時だった。澪に後ろから抱きしめるかのようにして腕を回された。


「え…?」


「寝不足って…やっぱり考えてたの?長月の事」


「!」


振りほどこうとするが、身体が上手く動かない。


「暴れないで?安静にしてなくっちゃね」


耳元で囁くように言って、陽羽の制服の第一ボタンを外した。慌てて澪の手首を掴むが、力が入らない。


「やっ、何を…!?」


「長月にもこんな事された?まだ?教えてよ」


「何も…っ、何もしてませんって…!」


「えぇ〜?本当はエッチな事してたんじゃないの〜?」


つぅ、と指先で首筋をなぞられ、足の力が一気に抜ける。倒れる寸前で澪が身体を支えた。


「あ、…」


急いで身を離そうとするが、頭がぼんやりして動けなかった。おかしそうにぷっ、と吹き出して澪は陽羽を見た。


「何もしないよ。だから安心して」


陽羽をベッドに寝かせ、布団をかける。 陽羽は弱々しく澪を睨み、布団を握りしめた。


「本当だって。そんな可愛い顔で睨まないでよ。襲いたくなるでしょ」


「や、やめてください…!」


「ははっ、ほら。休んでなって」


カーテンを閉めて澪は去っていった。陽羽はゆっくりと目を閉じた。


(そうだよ…長月君の事考えてた…。あの時何を言おうとしてたのかな…)


回らない頭で考えるが、思考も働かなければ思い当たる節もない。はぁ、と重いため息をついて眠りに落ちた。


──彼の事をどう思っているのだろう。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ