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閑話:澄んだ水の様に (前)

まだ数話しかいってないのに閑話……


はやすぎてすみません( ̄◇ ̄;)


私はフィラ=アクタリム。

六貴族と呼ばれる魔法の名家の一つ、水の魔法を得意とするアクタリム家の一人です。

今日はこれから私が通うことになる《シュベルトラッツ魔法学校》の入学式です。

お父様や他の六貴族の皆さんには《アルマトラス魔法学院》へ入学するべきといわれ、反対されましたが……。


「どうしたんだい、フィラ?」


私に声をかけてきたのは茶色の髪を短めに揃えた少し大柄の男の子でした。


「何でもないですよ、オルト」


彼の名前はオルト=バグナス。私と同じ六貴族の一つ、土の魔法を得意とするバグナス家の一人です。

オルトも両親や他の六貴族の皆さんに反対されながら《シュベルトラッツ魔法学校》に入学してきました。


「そうか、ならいいんだ。もしかして周りの反対をふりきって、こっちに入学してきたのを気にしてると思ってね」


確かにそれもあります。

歴代六貴族は《アルマトラス魔法学園》を卒業していますから私の代でそれを破ってしまうのは申し訳ないです。

でも、一番の理由は他の六貴族の皆さんと居たくなかったからですね。

そして、もう彼がいないから。


「オルト、聞いてもいいですか?」


「なんだい?」


「貴方はなぜ《アルマトラス魔法学園》に行かなかったのですか?」


私の言葉を聞いたオルトは微かに笑った後答えました。


「あの人たちとは居たくなかったからね。僕の親友を追い出し、あまつさえそれを嬉しそうに話し、笑っていたあの人たちとは……」


「そうですか」




レイジ=エルペン




私の言うとオルトの言う親友・・の事であり、子供の頃に居なくなった男の子の事です。



⚪︎ ⚪︎ ⚪︎



レイジが居なくなったことを聞いたのは神魔との契約が終わって数日後のことでした。

六貴族での集まりがあると言ったお父様についていき、私は他の皆さんに会いに行きました。そこで闇の六貴族であるエルペン家の当主様からその言葉が述べられました。


『息子が家を出て行った』


初めてそれを耳にした時、エルペン家以外の六貴族の子供たちは驚き、何故レイジが出て行ったのかが分かりませんでした。「私たちの中で誰よりも強く、誰よりも努力を怠らなかった彼が何故?」と。

六貴族の当主様達の話が始まり、子供達だけで集まった時にバルド=エルペン、レイジの双子の弟である彼が嬉々として言いました。


『神魔と契約ができなかったから家族で話し合って家から追い出した』


その言葉を聞いて私は衝撃を受けました。

彼ほどの人が神魔と契約できなかったこと、そしてそれだけの理由で彼を追い出したエルペン家のことに……。

すぐそばにいたオルトもバルドが言った言葉にショックを受けているらしく、心ここに在らずといった状態でした。


でも、他の皆さんは違いました。

バルドの言ったことに対し、嬉しそうに笑い始めたり、レイジへの侮蔑を込めた言葉を吐いたりし始め、一瞬彼らが何をしているのか分からなくなりました。


周りの反応を楽しみながらバルドはさらに言葉を紡ぎます。「出て行った後追っ手を出したからな、もうあいつは死んでるだろう」と。そんな言葉が出たのに皆さんは更に楽しそうに話し続けます。


何故?

私は皆さんの反応を理解できませんでした。

バルドの話が終わると、ちょうど当主様達の話も終わったらしくお父様と家に帰りました。



⚪︎ ⚪︎ ⚪︎


バルドの話を聞いた時、あまりのショックで何も考えられませんでした。正直今でも認めたくないです。だから私は信じます。レイジが生きている事を。

現実逃避の様に可笑しなものかもしれません。


でもいつか……いつか必ず貴方を見つけてみせます!


(後)の方も続けて投稿します

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