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第1話:喧嘩仲間

「ふあ〜。」


眠い、眠い、眠い!


今日の夢は最悪。

あの2人と喧嘩してる夢。

しかも殴り合いの。

なんでこんな夢見ちゃったんだろ…。



私には幼なじみが2人いる。

…前言撤回。

私には喧嘩友達が2人いる。

いつも喧嘩する奴らが。

名前は仁。阿波来 仁。(あばらい じん)

それから風真 白。(ふうま はく)

家が両隣で、物心ついた時には常に2人と一緒だった。

言わば、兄弟みたいな存在。



そして私の今の悩み。

もっと青春したい。

楽しい人生送りたい。

みんな言うの、

あんたは男っぽすぎる!

って。

2人といるから、私は男みたいになってしまう。


私は女になりたいの!


そう…、ただの女の子に。



「遅ぇぞ、ブス!」

高2の4月、始業式。

仁が家の前で待っていた。

何で?…どうでも良いけど。

私が無視して横を通り過ぎると仁は舌打ちした。

「おい!聞いてんのか!?」

「うるさいな、聞いてるよ!」

「お前覚えてるか?今日は白の誕生日だぜ。」



あ。

忘れてた……。


「覚えてるに決まってるでしょ!」

「……忘れるなんて最低な奴。」


ふ〜んだ。

私の誕生日をいつも忘れるあんたに言われたくない。

私たちは学校に続く道をゆっくり歩いた。


「で、それがどうかしたの?」

「放課後、迷い丘に集合な。白にも言っとけよ!」

迷い丘ってのいうのは、

小さい時からの私たちの遊び場所で、夕日が綺麗な小高い丘。

迷子になる子どもが多いから迷い丘って名前がついたらしい。

だから人も少ないの。

私は良いとこだと思うけど。



しばらく歩くと校門が見えてきた。


はぁ…


今日の学校は憂鬱。

教室に行く前に体育館に行かなくちゃ。

クラス替えの張り紙が掲示されているはずだから。

「何ため息ついてんだよ?」

「ん〜…?クラスどうなるかなぁって。」

はぁ…。

みんな一緒がいいな。

ずっとみんなバラバラのクラスだったし。

1度も全員そろった事ないなんて、やっぱり寂しいから。


「またみんなバラバラだと嬉しいんだけどな!」

「……なんで?」

「なんでって…。お前らと一緒なんてうぜぇ!」

「最低!死ね!」

「あぁ??!てめぇ!!なんなんだよ!」

何さ…人がせっかく、一緒になりたいって思ったのに。

泣きたくなってきたな…。

「何騒いでんだよ…うっせぇ奴ら。」

「あ…白!おはよ。」

「おはよ…狛。」


言い忘れてたけど、私は狛!

竹馬 狛。(ちくば こま)

「白もバラバラが良い?」

「……どうでも良いだろ。


ただ、仁とは離れたい。」

「私もぉ〜」

「お前らなぁ!!!」


なんとか言ってるうちに体育館についちゃった。

目の前に広がるクラス発表。

思わず目をそらした。

見たくないなぁ…。


「「あ。」」


な、何。

なんで2人して声あげるの?


「おい、狛。見てみろよ。」

「残念…。仁と一緒だなんて。」


え…?

私は目を上げた。

冷や汗が頬を伝った。


「あ……あッ!!!!」


私が見たのは、2年5組のところにあった、3人の名。

みんな同じクラスだった。

「うげ!」

「最悪。」

「何でよ!喜びなさい。」

仁、白に続き、私が言う。



これから始まる、


新しい暮らしに胸を弾ませながら。




……ちょっと待て。

私喜んでいいの?


青春が…………!





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