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戦争の始まり

 後に戦争歴として年数を数えられることになる、その戦争は最初は小さな(いさか)いから始まった。

 ベラドルゴ公国に隣接して国を構えるジズド帝国の領地内において、小規模な反乱が起こったのである。小規模とはいえ、士気が高く帝国軍を皆殺しにせんと息巻く反乱軍に対し、自軍の精鋭を万が一にも失うことを恐れた帝国は、あえて自国と比べて大幅に国力が小さく、事実上の属国としていたベラドルゴ公国に援軍を要請したのである。

 時のベラドルゴ公国の君主カカガヤは負けず嫌いで気性が荒く、先代によって築き上げられた帝国との関係を思わしく感じていなかった。

 カカガヤは側近達の進言を無視し、国内の治安維持を口実として軍隊の派遣を拒んだのである。

 結局、反乱は大した犠牲も出ずに帝国軍によって鎮圧されたのだが、ジズド帝国皇帝ニヴルヘイムは内心穏やかではなかった。ニヴルヘイムは外交は得意であったが内政は苦手であり、民衆からの支持は得られていなかった。

 プライドが高いニヴルヘイムはベラドルゴ公国の反応をこう曲解した。

 生意気なカカガヤは、わしの内政が下手であることを踏まえた対応なのだ。つまり、後々大きな反乱が我が国内に起こり、それとカカガヤは手を組み帝国を滅ぼす決意なのだ。と。

 わしとこの国を甘くみおって。見てろ。

 ニヴルヘイムはベラドルゴ公国を滅ぼすことを決意する。

 当初、ジズド・ベラドルゴ両国の国民、また両国の首脳陣でさえもジズド帝国の圧勝を確信しており、ベラドルゴ公国側首脳陣はいかに犠牲者を抑えカカガヤに降伏を決意させるかという秘密裏の会議を幾度となく行っていた。

 事実、戦争が始まって直後は、帝国軍が各地で圧倒的な戦果を収めていた。強大な国力を背景とする、単純な物量作戦。

 しかし、この戦争はある人物の出現によって大きく状況を変えられてゆくこととなる。

すなわち、新人兵士ルレロの登場である。


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