くだらない、1日
初めまして! 民民6(たみたみシックス)と申します!
初めは暗い話ですので注意してください。
あと、小説投稿は初めてなので温かい目で見てください。
ハッピーエンドで完結を目指します!
俺、北見 悟の朝は無駄に早い。
4月に入り晴れて高校生となった俺が迎える最初の土曜日、まだ生活感の薄い部屋で俺は目を覚ました。
時計を見るとまだ5時ぐらいで、平日でも十分すぎるぐらい早い時間だ。
こんなに早く起きてしまった理由は……なんてこともない、純粋に昨日は早く寝てしまっただけの話。
昨日は入学式を迎えて、早々に学校から帰れたのでやることやっといて早寝した結果である。
寝るために敷いておいた布団を片付け、そこまで広くもない部屋を見渡して一言。
「さて、何をするかな」
声をだして考えてみるが思いつかない、お腹はまだすいていないし暇つぶしの外出も時間が時間なので店はほとんど開いていない。
友人の家に遊びに行くのは時間のこともあるが、そもそもこの辺りには俺の友人なんて存在しない。
親に無理を言ってわざわざ実家から遠い学校を選び、アパートで一人暮らしを始めたばかりだからだ。
「とりあえず外出は無しだな、となると……」
部屋の隅にある本棚に目を向ける、そこにはぎっしりと本が詰め込まれていた。
ジャンルなどはバラバラでライトノベルや純文学、推理物の本達の中から適当に一冊を手に取った。
「これしかないよな」
俺の唯一の趣味は読書だ、暇であれば1日中読んでいるほど本を読む。
今読んでいる本はライトノベルで、普通の男子高校生がゲームの世界にはいって活躍するというものである。
高校生は一度ゲームをクリアしているために、先のことが分かるのでできる限り犠牲を出さなように努力しているのがいいところだ。
「…………あー、終わってしまった」
つい熱中してしまい一時間ほどで読み終わってしまった。
しまった、昨日3冊も買っていたのにもう2冊しかない。
「まあ面白かったしいいか、朝ご飯でも作ろう」
朝食は日本人らしくご飯とみそ汁。
ただしみそ汁はインスタントだが。
別に料理ができないわけではない、面倒なだけである。
「…………」
一人暮らしなので食事は無言。
これは辛い、だが独り言を呟きながら食べるのは傍から見ると不気味だし俺もむなしくなってくる。
「ごちそうさまでした」
手を合わせ、合掌した後さっさと皿を洗い、片付ける。
「……ホームシックになりそうだな、この生活」
いや、一人暮らしをしたいと言った手前帰るわけにもいかないし、つもりもない。
……何よりもうあそこには、俺のいる場所なんてないのだから。
結局、今日は一日中読書やらネット小説やらで家の中で過ごしてしまった。
どうも読書関連は俺に時間の概念を忘れさせてくれるらしい。
「風呂も入ったし、することもないし、寝るか。」
布団を敷き、寝る態勢を整える。
中学時代と何一つ変わらない、いや会話が無い分さらにひどい生活。
布団の中に入り、思い出すのは今日読んだ小説の内容。
俺の持っている小説は大抵ハッピーエンドで終わる。
『読書は主人公に自分の姿を投影して楽しむ』とはよく言ったもので、俺自身もそうして読書を楽しむ一人だ。
幸せを掴むために努力し、行動し、困難に屈せず立ち向かう。
そうして、主人公たちはハッピーエンドをむかえる。
結局の所、俺は彼らが羨ましいのだ、彼らのようになりたいのだ。
しかしここは小説の中ではなく現実である、俺は異世界に行けるはずなんてない。
何よりも、俺自身の体型が主人公になれないことを物語っている。
中学生の頃からずっと動かない生活をしていたために、元々ぽっちゃりしていた体型が完全にデブになってしまっていた。
脂肪が重しとなったのか、身長も160センチ前半で成長の兆しも見えない。
このままずっといけば、将来生活習慣病に悩まされること間違いなしの体だ。
「こんな主人公がいるか!」 と言われるだろう。
でも、それでも。
「このままで、本当にいいのか……?」
返事はない、だけど胸は痛かった。
読んでいただき誠にありがとうございます!
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私のガラス製ハートを砕きながら真摯に努力します!
次は明るくなるかも……。