そして明日へ
カンカンカン
「おーい、そこの木材、こっちに持てきてくれ」
「安いよぉ、安いよぉ!買っていっておくれよ~」
あの戦いからすでに3週間が過ぎようとしていた。
ロイドはいつものように依頼を終えてギルドから出てきたところだった。
「だいぶ、元に戻ってきたな。」
その3分の1を失ったコロニー『ドゥム・スピーロー』はその傷跡を徐々に回復しようとしていた。
じっと目の前のモニュメントをロイドは見上げながら
「親父、あんたの想い、受け継いだからな。」
と、つぶやいた。
「ロイド!」
突然後ろから声をかけられた。
振り返ると、そこにはドラゴンの少女、フリューレが立っていた。
「フ、フリューレ!?」
「えへへ、驚いたでしょう。」
そういってくるりと見せ付けるかのようにターンをした。
よくみれば、いつもの格好とは違い、白いワンピースに耳を隠すようにして帽子をかぶっていた。
「おかしいかな?」
「いや、とっても似合ってるよ。でも、どうして?」
「ほら、前に約束したでしょ?マリアさんたちの人形」
と、袋に入ったものをロイドに手渡した。
「ああ、あれか。」
マリアたちは、あれからロイドをせかし、元になるボディを中古で購入、リフォームしなおさせ、いまはすっかり今までどうりに、立て直し中の家の脇のテントで家事をこなしながら毎日を送っている。
「あいつらもきっと喜ぶよ。」
「ねぇねぇ、ロイド、コロニーを案内してよ!」
とロイドの手を取って走り出す。
「お、おい、待てよ!」
ロイドもフリューレに引っ張られて小走りに走り出す。
そしてモニュメントは日の光を浴びて、そんな二人の未来を明るく照らすのだった。
最後まで読んでいただいて本当にありがとうございました。
これでトライルブレイザー第1章は終わりです。
また少したって、読み返して修正を加えていくつもりです。
もしもよろしかったら、感想、ご指摘、評価などいただけると大変うれしいです。次の作品に活かしていきたいとおもいますので、宜しくお願いします。




