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笑顔を創る魔導具師セレナは、今日も世界をつないでいる  作者: 八坂 葵
第2部:才能の値段 第1章 輪を広げる 高等学校二年生〜黎明祭 導入編〜

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第102話 偉くなりたい

 校内に入れた私たちは、レオニス先生の研究室で一休みすることにした。


「あー、なんか帰ってきたって感じするなぁ」


 椅子に腰を下ろし、大きく伸びをした。

 周りを取り囲む素材の数々、魔導具に使う薬剤、そしてレオニス先生が座る机。

 卒業したわけでもないのに、なぜか一つ一つが懐かしい。


「セレナ、コーヒーこれ使っていいの?」


 アミーカが目ざとくコーヒーと来客用のカップを見つけて聞いてきたので、お任せすることにする。


「セレナ、あんた同時制御(ミレモデーラ)使ってたじゃない? 何本同時にいけるの?」

「んー、六本かなぁ。でも見せたオルゴールで練習してたから、他のだとどのくらいかは分かんない」


 突然質問してきたママにそう答える。


「どうして出来るようになったわけ?」

「そこの鬼教官のせい」


 私はレオニス先生を指差し、ことの経緯を説明する。

 回路図なしの焼き付けを課題で出されたこと、魔法練習で複数の魔力を操っていた人がいたことなど。


「それで焼き付けもまとめて出来るだろうって思ったわけね。普通、魔導具師が魔導師の練習なんて見ないから、もしかしたらそういう教育したら習得も早いのかもね」


 ママのセリフに、先ほどまで死んでいたレオニス先生が、


「いや、それでもある程度の制御力がないと無理でしょう。こいつらは仲間内で教え合い、ぐんぐんと成長してましたから、それも手伝ってると思います」


 と答える。

 どうやらアミーカの淹れたコーヒーで、かなり回復をしたようだ。


「ふーん、なるほど。で、セレナ。あんたはいい加減将来の目標決めたのかしら?」


 突然、剣を喉元に突きつけられたみたいに、ママから鋭い質問が飛んできた。


「そういえば俺も聞いていないな。ぜひ聞かせてほしいものだ」


 冷血メガネまで追撃してきた!

 ん、ん〜。


「えーい、正直に言うわよ! ちゃんとは決まってない。自分の工房を持つ、そこで人に喜ばれる魔導具を作る。あとは……偉くなりたい。自分のやりたいことを、誰にも止められないくらいに」


 そう答えると二人の顔が少し強張った。


「今回の黎明祭(プリマルクス)だってそう。力がないと、正しいものでも通らない。だから私は裁量権が欲しい。そのために工房を持って、実績を積んで……最終的には止められない立場になる。だから今回名前を出されたのは、ちょっと嫌だなって思ったけど、同時に少しチャンスとも思ったの」


 そこまで言うと、ママが一つため息をついて聞いてきた。


「あんた、貴族の家に入る気なの?」

「貴族の家に入る?」

「結婚するってことよ」

「けっ、けけけけ、結婚!?」


 あまりの私の驚き様に、ママはさらにため息をつく。


「自分の力で貴族になって、さらに爵位を上げていくとか現実的じゃないわ。それなら適当な貴族を捕まえて結婚するのが早いわよ。グレッダさんとかいいんじゃない?伯爵だし、独身だし」

「年齢違いすぎるでしょ!」

「分かってないわね。貴族にとって必要なのは、血筋、魔力、成果よ。愛だの年齢だのは二の次なの」


 するとレオニス先生が咳払いをして話し始めた。


「セレナ、お前には分からんかもしれんが、爵位は家に与えられる。だから家を維持できる実力が必要だ」

「……家ごと、か」


 私は指で机をトントンと叩く。

 結婚って……そんな風に決めるものなの?

 それで、本当に幸せになれるの?

「うーん」と唸りながら頭を抱えだした私を見て、パパが、


「セレナ、どちらにせよ今のお前には実績が足りない。まずは工房を立てて実績を積むことから目指してみたらどうだ? それだって十分大変な目標なんだぞ?」


 と、助け舟を出してくれた。

 やっぱりいざという時は頼りになるなぁ。


「分かった! まずは工房建てるためのお金貯めるよ」


 そうだ、あれこれ一気になんて出来ないのなら、今の状況を使って最大限出来ることをやっていこう。

 偉くなるには実績がいる、実績には工房がいる。

 それならまずは出来ることからだ。

 ただ、必ず邪魔をさせないところまで行ってやる!


 決意を固めた、その瞬間だった。

 廊下の方から誰かが歩いて来る音が聞こえる。

 そして、コンコンコン、とドアがノックされた。

 おかしいな、今日は私たちしかいないはずだけど。


 レオニス先生が扉を開けると、見覚えのない少女が立っていた。

 キョロキョロと研究室を見渡し、私の姿を認めると、レオニス先生の横を素早く通り抜け、ツカツカと早足で歩き、私の目の前で止まった。


 ビシッ!

 まるでそんな音が聞こえてきそうなくらい勢いよく指を突きつけ、


「セレナ・シルヴァーノ、私と勝負なさい!」



 私たち全員がポカンとする中、唯一彼女だけが瞳に強い意志を湛え、私を真っ直ぐ見据えていた。


 まさかの結婚話にうろたえるセレナがかわいいですよね(*^^*) セレナは本当に貴族を目指すんでしょうか?


次回、第103話「誤算と収穫」


 突然の「勝負なさい!」宣言でしたが、昔どこかで聞いたセリフですね(笑) セレナは勝負を受けるんでしょうか?



 結婚は人生の一大イベントって言いますよね?あなたにとって理想の結婚式、もしくはこういう結婚式良かったよというものは何ですか?

良かったら教えてくださいね♪

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