7回目 放火事件
俺は放火事件の現場を見た
隣には友達もいた
家の中から住んでた人が逃げてきた
そして誰かの名前を叫んでいる
きっとお母さんが子どもを呼んでいるんだろう
救助隊が子どもを抱えて出てきた
お母さんは喜んで救助隊の人に近寄った
でもすぐに顔色が暗くなった
子どもが死んでしまったらしい
いつもと同じ道を通って帰っていたら
こんなにも残酷な現場を見てしまった
俺はもう行こうと友達に言って帰った
家に着いてリビングに行くと
家族がニュースを見ていた
さっきの放火事件がもうニュースに出ていた
俺は現場にいたことを言うと
子どもの姿も見たのか聞かれた
俺が頷くとお父さんは一息ついてから
そうかと言いテレビを消した
きっと俺に見せないようにしたのだろう
お母さんは大丈夫?どこか怪我してないと
しつこく聞いてきた
そんなお母さんに俺は大丈夫だよと
言うことしか出来なかった
そんなお母さんは俺に対してすごく過保護だ
今も過保護だが昔の方がやばかった
擦り傷でも病院に行こうかと言い出すし
どこに行くにも着いこようとする
小さい頃は良かったけど歳をとるにつれ
嫌になってきた
そんな俺の気持ちを察したように
今は少しマシになった
でもこの放火事件があった以上過保護さは増す
次の日学校に行く前10分くらい
玄関で足止めを食らった
ずっとお母さんが一緒に行こうかと聞いてくる
俺はいいと言い放って家を出た
学校につき昨日のことを友達と話した
特に子どもの姿が脳に焼き付いてしまった
あれは酷い姿だった
友達も同じみたいだった
誰でもそうなるかあんな姿じゃ
全身焼け焦げて真っ黒で死んでいる
初めてみた人間が丸焦げになった姿
クラスメイトもテレビで昨日の放火事件を
見ていた時に俺と友達を見つけたみたいで
すぐに現場はどうだったとか
犯人は見たのかとか話してきた
俺たちは何も見ていないし現場も思ったことを
そのまま話した
クラスメイトも子どもが可哀想だったとか
その子のお母さんが泣いてる
姿を見て辛くなったと言っていた
ホームルームが始まって最初に先生が
昨日の事件のニュースを話題に出すのは
やめましょうと言ってきた
みんな少し疑問に思ったけど
その考えもわかるから
そのあとは事件のことを誰も口に出さなかった
それから数日後また放火事件が起きた
しかも今回は1件だけでは無い
何件も何件も燃やされた
犯人はまだ見つかっていないらしい
そろそろやばくなってきた時警察が
外に出る時は注意しましょうと言っていた
それと同時に学校も念の為休みになった
そのことをお母さんに
話すとチャンスと言っていた
俺はなんのことか分からなかったけど
聞くことはしなかった
それよりも俺は最近お父さんが
帰ってきてないことが気になった
ある日俺は部屋で寝ていると煙の匂がした
目が覚めてきた時外から悲鳴が聞こえてきた
俺はその声で完全に目が覚めて部屋から出ると
家が燃えていた
俺は訳が分からずお母さんと
兄貴のところに行った
ドアも窓も開かないどんなに引っ張ても
家はどんどん燃えていく
俺たちは煙を大量に吸い込んでいた
そろそろ限界が来て
意識が朦朧としている
中ふと窓の外が目に入った
そこには笑って手を振っている
お父さんの姿があった
そして俺の斜め前には
泣いているお母さんがいた
兄貴はもう、、、黒焦げになっていた
俺は、泣きながら燃えている母親と
黒焦げになり動かない兄と
嬉しそうに楽しそうに笑っている
サイコパスな父親を見ながら
こんな最期かと思いながら目を閉じた
現実でもある放火事件
あなたは現場を見たことはありますか
ほとんどの人はないと思います
今回の放火事件は何件あったのでしょう
話でしっかり出てきたのは2件だけですが
きっともっともっとあったのでしょう
そして犯人は誰かわかりましたか
主人公が住んでいた家を燃やしたのは
きっとお父さんでしょう
何か家族に恨みがあったのでしょうか
そしてお母さんはお父さんの行動に
気づいていたのでしょう
だから学校が休校になってチャンスと
もしかしたら昔から知っていたのかも
それが過保護につながっているのかも
そういえば話の最初と途中でも
放火事件がありましたね
その犯人もお父さんだったりして