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人生転生  作者: ミツバ
1/10

1回目 笑わない女の子

初めまして私は実験のサポートロボットです


私には名前が無いので時の人と呼ばれています


そもそも私は人間では無いのですが


そんなとことよりも


早速ですがあなたは被検体です


そんなあなたにひとつ質問です


「人生転生」という言葉を聞いたことはありますか


まず転生という言葉はアニメが好きな人でも


そうでない人でも1度は

聞いたことがあると思います


異世界へ行くことがほとんどだと思います


ですがこのお話は人生を転生するお話


人生転生とは死ぬまでずっと

転生し続けること


誰の人生なのか分からないまま


年齢も性別もバラバラに転生してしまう


そして次の人生に転生すると前の人生のことは

覚えていないのです


これはある女性が体験した

人生転生の話を分かりやすくちょっと変えて


まとめたものを被検体の

あなたにこの本を通して見せます


最後にひとつ


1話1話の最後に私のコメントと言いますか


解説みたいなのが入っています


嫌な人は飛ばしてください


ではどんな話なのか最後までお楽しみください

あるところに女の子がいました


その女の子は笑わない子でした


昔は笑っていたとお母さんから


聞いたことがあります


でも今は1度も笑いません


なぜそんな子になったのか


誰も知りませんでした


ある時お母さんが絵本を


読み聞かせました


でも女の子は表情を変えずに


静かに聞いていました


またある時はお父さんが


釣りに連れていきました


でも女の子は笑いません


女の子は動物園に行きました


動物を見ても笑いません


お母さんは女の子を連れて


洋服を買いに行きました


女の子は洋服を見ても


楽しそうではありません


それでもお母さんとお父さんは


諦めません


水族館でも


遊園地でも


キャンブも


全部ダメでした


そこでお母さんは


習い事をさせてみようと思いました


最初はダンス教室に連れていきました


でも全く笑わない子を見て


先生も子どもたちも


怖がってしまいました


その様子を見たお母さんは


ダンスは諦めました


次は歌の体験レッスンに


連れていきました


でも女の子はレッスンで


1回も歌いませんでした


それでもお母さんは諦めません


次がダメなら他のこと


それもダメならとあれこれ


いろいろ探しました


でも女の子は


何をやらせても笑うことはありません


自分の気持ちを言うこともありません


お母さんとお父さんが諦めようとしている時


女の子はなぜ自分は笑わないのか


どうしてお母さんたちは笑わせようとするのか


不思議に思うようになりました


そこで女の子は自分で


確かめてみたいと思いました


学校で行ったことない教室や図書室に

行ってみました


でも楽しいと思いませんでした


またある時は友達と遊んでみました


みんな楽しそうに遊んでいるのに

笑っているのに


女の子は笑えませんでした


それでも諦めずに


次から次に挑戦しました


女の子はアルバイトをしてみました


最初は飲食店で働きました


でも、1週間働いて楽しいと思いませんでした


女の子はやめました


それならと次はイベントスタッフになりました


でも、覚えることが多くて楽しくないと思い


笑うこともなかったのでやめました


お母さんとお父さんは女の子のことを

諦めていました


女の子が何をやっても何も言わない


そんな毎日が続きました


次第に女の子はなぜ何も言ってくれないのか

疑問に思うようになりました


女の子の目的は笑うから

見てもらうに変わりました


女の子は色んなことをしました


そのうち何か悪いことをしたら見てもらえる

と思うようになりました


その日から女の子はイタズラばかり

するようになりました


家の壁に落書きをしたり


お父さんの仕事道具を隠したりしました


するとお母さんとお父さんは


女の子を叱るようになりました


女の子はやっとお母さんとお父さんが


見てくれたと思い嬉しくなりました


それから女の子は沢山のイタズラをしました


イタズラをしているうちに女の子は


今までのイタズラでは満足しなくなりました


段々と女の子のイタズラは

エスカレートしていき


犯罪ギリギリのイタズラを

するようになりました


そろそろまずいと思ったお母さんとお父さんは


女の子を部屋に入れて閉じ込めてしまいました


ある時お母さんがご飯を持って女の子がいる


部屋を開けるとそこには誰もいませんでした


お母さんはすぐにお父さんに連絡をしました


お父さんはその話を聞いて


警察に連絡をして仕事を早退しました


警察と協力をして女の子を探しました


でも女の子は見つかりませんでした


警察が見つからないと判断し


捜索が中止になりました


それから数日後


お母さんがテレビでニュースを見ていると


連続殺人の犯人が捕まったと報道されました


そのニュースを見た瞬間お母さんは

血の気が引きました


お父さんに連絡してみると


お父さんもネットニュースで


同じものを見ていました


何かの間違いだと思ったお母さんは


警察に聞きに行きました


でも間違いではありませんでした


お母さんはショックで寝込んでしまいました


その連続殺人の犯人は女の子でした


女の子は部屋からでたあと


歩き続けて迷子になってしまいました


道を聞こうと歩いている人に声をかけても


無視されたり逃げられたりしました


ここがどこなのか分からないまま


歩き続けていると後ろから声をかけられました


女の子が振り返るとそこには


スーツを着た男性がいました


男性は女の子に仕事をくれると言いました


それを聞いた女の子はその仕事を受けました


でも実際の仕事は予想より酷いものでした


男性の身の回りの世話や


やりたくない仕事をやらされたり


いいように利用され続けました


次第に女の子は人を信じなくなっていき


心を閉ざしてしまいました


その時昔のことを思い出しました


お母さんとお父さんは女の子がイタズラを


すると叱ってくれました見てくれました


女の子はイタズラをすればまた見てくれる

そう思いました


試しに女の子は壁に落書きをしました


それを見た男性は女の子を殴りました


いきなりのことで驚きました


女の子は困惑していて男性の声が

聞こえていませんでした


少し状況が整理できて来た女の子の耳に


使えない、バカ、気味が悪いなどの

言葉が聞こえました


その時女の子の何かが切れました


女の子は近くにあった道具を持って


ゆっくりと男性に向かって歩きました


男性は異変を感じ女の子を見たあと


腰を抜かして床に倒れ込みました


女の子の顔が見たことないほど


恐ろしい顔になっていました


男性が自分が言ったことやったことを

謝って許してくれと言いました


でも女の子にはその言葉が


聞こえていませんでした


どんなに男性が声を出しても

女の子は止まりません


そして男性は押し倒されてしまいました


女の子は男性に向かって腕を振り下ろしました


その後女の子は何故か楽しいと思いました


近くにあった鏡が目に入り見ると


今まで見たことないくらいの笑顔でした


そこで女の子は気づきました


こうすれば良かったんだと


それから女の子は屋敷にいた人


全員を殺害し外に出ました


街に来てそこでも殺人を続けました


でも楽しい時間はそう長くは続きませんでした


女の子は警察に捕まってしまいました


74人殺害した女の子の判決は


まだ下されていません


まるで小さい子のように喋る犯人に


警察は疑問を持ち資料をみました


すると犯人の年齢は42歳でした


今でも女の子だと思い込んでいる犯人に

警察は恐怖を覚えました


ある時警察が女の子がいる牢屋の前を通ると

そこには女の子はいませんでした


女の子は脱獄をして今も見つかっていません


そしてショックで寝込んいたお母さんも

おかしくなってしまい精神病院に入りました


お父さんは子どもとお母さんを失った

ショックで仕事が手につかずギリギリの

生活を送っていました


たった一人の笑わない女の子の行動で

家族が沢山の人そして気づかないうちに

自分の人生を狂わせて壊してしまいました。


女の子はこれからもっと自分の人生を

壊してしまうのでした


なぜなら今でもずっと


「いたずらってたのしいね

 つぎはだれにしようかな」

と思っているからです。

人は残酷ですね。


なぜ女の子を助けなかったのでしょう


笑わない子だったから?


不気味だったから?


それは今となっては誰も分かりません


一人一人の行動で多くの人の人生を


変えてしまうそんなことがいつ起こるか


分からないのが怖いですね


そして女の子は今どこにいるんでしょうね

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