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183/193

183、ヒーラー

地球の環境と似た星だが違った文明を持つ世界の物語

 フリーランス傭兵として生計を立てて暮らしていたが、効率の悪い仕事だったため治療院を開く事にした


 俺は国防軍で使ってない倉庫を貰い、入口横の駐車スペースに移設して治療院に改造している

 「朝から何作っているの?」(ソフィア)

 「傭兵は思ったより稼ぎが悪いかったから治療院を開こうと思ってな」

 「私もこっちの生活に慣れたし治療するわ」(ソフィア)

 「多分ほとんどの患者をソフィアが治療する事になるぞ」

 「???クロコの方が私より治癒能力高いでしょ?」(ソフィア)

 「此処には国防軍の訓練で怪我した者が来る大半が男だ、俺とお前どっちに治してもらいたいと思う?」

 「私の方かな」(ソフィア)

 「そう言う事だ、頑張って稼げよ」


 倉庫をリメイクした治療院は開業後すぐに国防軍の兵士で夕方から満員の状態、予想以上の大繁盛、鈴木が宣伝してくれたのだろう

 国防軍にもヒーラーはいるらしいが能力、魔力量は俺とソフィアの方が遥かに上で怪我人の対応に追いついていない

 俺の予想に反していたのは国防軍に以前とは違って女性が多いと言う事だ、俺も意外と忙しい

 利用者の生活時間に合わせ昼から夜までの営業時間は休み無しで働いている日も多い

 医院の名前は《クロコの治癒所》、異世界で使っていた看板をそのまま利用している


 「繁盛しているみたいだな」(鈴木)

 開業して2週間が経つ頃、鈴木が訪ねてきた

 「怪我をしているようには見えないが用件は?」

 「治して欲しい怪我人がいるんだが、出張サービスしてもらえないか?」(鈴木)

 「お前の頼みだ此処は月水金の営業だからそれ以外なら可能だが、国防軍のヒーラーでは治せない患者って1人なのか?」

 少し申し訳なさそうな表情をする鈴木

 「察しがいいな、3人ほどいる」(鈴木)

 「お前の顔を見れば予想がつく」


 翌日鈴木に連れられ国防軍附属病院へ行くと多くの怪我人が

 「大丈夫なのか?この国は、、、」

 「ヒーラーは休み返上で働いてこの状態だ、それでも魔法治療を受けれずに医学治療だけを受けている者が多い、それでこうなった、医学治療は魔法治療に比べて時間がかかるからな」(鈴木)

 「俺達に治療を依頼するのはかなりの重要人物って事だよな」

 「その通りだ、しかも魔法治療も医学治療も効果がほぼ無い」(鈴木)

 「俺達の治癒魔法も効果があるか分からないぞ」

 「それでも試してみたい、彼らの復活無しに人類の勝利は無いと思っている」

 俺達は集中治療室に入り3人を見ると怪我した場所に黒いオーラが張り付いている

 「闇魔法による怪我か、浄化と治癒両方の魔法で治せる、、、、かも?とにかく試してみる」

 俺は左手で浄化魔法、右手で治癒魔法を発動させ浄化した場所から治癒を行い少しずつ傷を治す

 「上手くいきそうだが、此処に契約獣を連れてきていいか?」

 「治療に必要なら構わない」(鈴木)

 「コハル入ってこい、俺に魔力を流してくれ」

 「ワン[はい]」(コハル)

 コハルが俺の肩に乗り魔力を流す、大量の魔力を得て治療速度が上がり3人の治療を行った

 「終わったぞ、そのうち目を覚ますだろう」

 「助かった恩に着る」(鈴木)

 「だが此処にはまだ多くの怪我人がいる、全て回復させればお前は出世するのか?」

 「やってもらえるのか?」(鈴木)

 「俺のためだ、お前に貸しを作れば後で良い事がある、ソフィア全員治すぞ」

 半日かけて入院患者を治療した

 「流石に全員は疲れるなぁ〜」

 家に戻ると治療で疲れた俺達は死んだように眠る


 翌朝乱丸の容赦ないジャンピングボディープレスで起こされる

 「今日ぐらい朝寝坊させてくれよ〜」

 [そうしてあげたかったのですが、外に客人のようです](乱丸)

 窓から外を見ると鈴木と数人立っている

 俺は寝巻きのまま入口を開ける

 「何してるんだ?こんな朝早くから」

 「起きるのを待ってたんだ、此処にいるのは軍の隊長以上の階級の者だ、黒須に御礼が言いたいんだとよ」(鈴木)

 「代表して私国防軍大佐月島です、この度は多くの部下を助けていただき感謝します、これは助けてもらった者一同から黒須殿にと預かって来た物です、どうぞお納め下さい」(月島)

 差し出された台車には高価だと思われる酒が大量にある

 「スッゲーなぁ、全部美味そうだ、サンキュー昨日の疲れも吹っ飛んだぜ」

 「黒須、昨日の活躍はニュースで報道されているから記者に気をつけろよ、今日はこれで帰る」(鈴木)

 《青年ヒーラーとコスプレ少女ヒーラーが軍を救う》これが新聞の見出しでテレビもほぼ同じ

 「ソフィアはコスプレ少女だってよ、笑えるな」

 「私の姿は獣人の中では高貴なものなのに、、、、コスプレとか失礼過ぎるわ」(ソフィア)


 翌日から各種メディアの記者が殺到したが、業務に支障が出るため全面的に断った

 しつこい記者もいたが国軍の有志の方が追い払ってくれた


 青年ヒーラーかぁ〜最初に覚えた魔法はヒールだったなぁ〜地球の戻って最初に使った魔法もヒール、異世界での初戦、魔獣の氾濫の時はヒールだけを使って仲間を救った、俺にはこれが一番合っている気がする

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