182、新居
地球の環境と似た星だが違った文明を持つ世界の物語
地球の戻って1ヶ月が過ぎようとしている、この家から退居する日が近い
新しい住居を探さないといけないが、契約獣可の住居ってあるのか?不動産屋へ行くしかないなぁ〜
ソフィアがこの国での日常生活訓練を受けている間に不動産屋へ行く
「獣人と大型契約獣が同居出来る部屋探してる?しかも格安で?有る訳ないだろ、帰ってくれ」(不動産屋×複数)
この言葉を何度聞いたか、、、家なんて買う金ないしなぁ、、、どうするか、、、異世界のモノを売って金にするかなぁ、、、気は進まないが、、、、
「お困りの様ですね」(鈴木)
「つけて来たのか?」
「貴方は重要人物ですから、この国での異能力者の割合は2割から3割で複数の能力を有する者は皆無です」(鈴木)
「隣の本田さんだっけ?、、、能力鑑定させても分からないからか?」
「よくお分かりで、人を見る力もお持ちですか?」(鈴木)
「俺は勘がいいからな」
俺の能力値はぶっ飛んでいるから測定出来ないのだろう、それに鑑定能力も晒してしまったかな
「住居を探していると言う事は軍に入るつもりはない、でも何処に住むかで困っている、でよろしいですか?」(鈴木)
「普通に考えてワイバーン可の賃貸住宅なんて無いからな、正解だよ」
「ではこの先の収入源は?」(鈴木)
「俺はヒーラーだから心霊治療とかすれば儲かるかな、一般人にはなれないからフリーランスの傭兵ヒーラー兼治療院の術師にと考えている」
「ひとつ提案なんだが軍の保有する宿泊施設を賃貸で貸し出ししようか?」(鈴木)
「最近は軍もボッタクリするのか?」
「適正価格で貸し出すつもり、、、むしろ格安でと思っているが」(鈴木)
「それでは俺に都合が良すぎて怪しすぎる、、、いや何処かで野宿して暮らされるより監視しやすいからか?所在不明で暮らされるのが困るとか?」
「それも有るが先日助けてもらった礼だ」(鈴木)
「それなら有り難く借りる事にする」
「フリーランスの傭兵ヒーラーなら依頼すれば受けてもらえる可能性は有ると言う事で良いですか?」(鈴木)
「もちろんだ、生活費を稼がないといけないからな」
「これで貸し借り無しでいいかな?私は少々図々しいか?」(鈴木)
「これで十分だ、感謝する」
俺の考えまで読んで住居を準備したか、頭の良いヤツだ
この間の戦闘見学でファイターを助けてよかった、これで住む場所には困らない、でも家は何処か聞き忘れたなぁ
引越し当日になった、玄関に鈴木、本田の両名がいる
「案内と荷物運びの手伝いと思ったんだが荷物はないのか?」(鈴木)
「そのうち分かる事だから教えておく、俺は空間魔法も使える荷物は全て収納してある」
「貴殿はどれだけ異能力を持っているのか?、、、本田が能力を見抜けないのも当然か、、、それでは案内する、ついて来てくれ」(鈴木)
「歩きか?、、、って事は」
「此処だ国防軍の家族用住宅だ、100mしか離れていないが敷地の外に出ているんだ出入りの度に検査される事も無いし庭も広い、ワイバーンが一緒なら良いと思うが」(鈴木)
「、、、、そうだな、周りは軍関係者の家で常に監視付きか、、、」
「これは俺からの引っ越し祝いだ」(鈴木)
鈴木から俺とソフィアにカードと腕時計が渡された
「2人共に住民登録、傭兵登録は済ませている、そして黒須殿の名前で傭兵団の営業許可付きだ、気がきくだろ?そのカードを持っていれば武器を所持して街を歩けるし契約獣も連れて歩ける、職質を受けてもカードを見せれば大丈夫だ、腕時計は通信機能付きで黒須殿の時代ならスマートフォンの機能が付いた腕時計と言ったモノだ」(鈴木)
「これでフリーランスの傭兵で都度何処かの傭兵団に参加も出来て、自分でも傭兵団を立ち上げる事も出来ると言うことか?」
「そうだ、気に入ったみたいだな、治療院を開業する事も出来るように根回しもしてある、自由に生きれるように手配済みだ」(鈴木)
ここまでしてくれるとは、助けたファイターかなりの大物だったのかなぁ〜
地球での新生活が始まった、家電の使い方も慣れてきたソフィアが家の事はしてくれる、傭兵の仕事は先日見たビジターホールと言われる穴の予兆があれば規模予想され傭兵団ネットワークに情報提供される、基本早い者勝ちで討伐権利を得て1ホール五百万の報酬で討伐を行うが、最近は傭兵団も怪我人が多く申し込みが無い事が散見されるらしい、報酬は少ないがビジターのパーツ等の戦利品は全て討伐者の物になるので戦利品の売却益が収入の大半を占める事になる、パーツの価値次第で割りが良かったり悪かったりと言った感じらしい
フリーランス傭兵は傭兵団との交渉で報酬金額を決め戦闘に参加する、俺も傭兵団とスポット契約して何度か戦闘したが、どこの傭兵団も契約獣を1人の戦力とはカウントしてくれないので、2、3人分と思える仕事をしても1人分の報酬で割りの悪い仕事になってしまっている
自分で傭兵団を立ち上げる事も考えたが、金が少し貯まったし小屋を建てて治療院を開いてみる事にした




