181、現在の地球
地球の環境と似た星だが違った文明を持つ世界の物語
俺は千数百年ぶりに地球に戻る事が出来たが、いきなり警察に捕まる
生まれて初めての取調べ?知ってはいたがカツ丼は無い、それと此処は取調室でもないようだ
俺以外は地球人では無いので身体検査の項目が多い、そのため俺だけが警官と話をして、ソフィア達はまだ別室で検査をしている
「異世界で千年以上暮らしてゲートを通って帰って来たと言う事ですね」(警官1)
「信用してもらえるのか?」
「貴方の連れも異世界から来たと言ってますし、貴方の戸籍等も調べました、五百年も前の事ですが電子化されたデータから黒須功と言う人物の生年月日等貴方の言う通りでしたし、同時に召喚されたと言う白石聖さんの失踪も確認出来ましたから嘘とは思えませんが、年齢が千歳以上と言うのは、、、ちょうど担当の者がみえたようです」(警官1)
部屋に2人の男が入ってきた
「私は国防軍異能力課の鈴木で隣が本田です、貴方が異世界から帰って来た黒須さんで間違いないですか?」(鈴木)
「そうですが、国防軍?日本が軍隊を?異能力課って?」
「では簡単に、2075年地球に隕石が衝突し地球全体が被害を受けた、幾つもの原子力発電所から放射能が漏れ他にも各国の大規模工場で多種多様の汚染物質が漏れ出した、その影響と思われる事象の1つに異能力を持つ人類の出現があります、それを管理するのが私達異能力課、貴方は珍しい動物と行動しているので異能力の種類はテイマーと言う事ですかねぇ、、、異能力者には3つの選択肢があります、1つは軍に入る、もう1つは民間傭兵団に入る、最後に異能力者ではなく一般人となるです、1カ月間は軍で保護するのでその間に決めてください、もし一般人を選んだ場合テイムした狼と竜は軍が所有する事になります」(鈴木)
「質問だが自衛隊が軍になっているが何かと戦っていたりするのか?」
「人類の異能力発生後に現れた未知の生物です、私達はそれをビジターと呼んでいます、、、貴方の連れの検査が終わったようなので場所を移動しましょう」(鈴木)
俺はソフィアと乱丸達と合流して車で移動するが、アカツキは乗車出来ずに軍用トラックで移動した(転移直後で地球環境に慣れて無い為小型化出来ない)
俺達は国防軍の施設内にある来客用施設で1カ月間過ごす事になった
2日目から現在の地球の状況、国防軍、傭兵団、ビジターの説明を受ける
今現在此処は2525年の地球、ゲートを通過する時に時間経過がズレたのでは?と言っていたが俺に相対性理論とか言われてもサッパリ分からない、分かっているのはビジターってヤツを絶滅させなければのんびり暮らせないと言う事だ
「クロコこれからどうするの?」(ソフィア)
「一般人としては暮らせないだろうから、軍人になるか傭兵になるかだが、魔法が同じようには使えない」
「そうなの?地球に来てすぐに確かめた時に使えたでしょ?」(ソフィア)
「使えるが威力が弱い、ロベリア星からグミラス星に来た時も似たような状況だったが今回の方が深刻な状況だ、放出する魔法の威力は3分の1程度だ、それ以外は今まで通りに使えるがソフィアも何処かで試した方がいい、乱丸達の雷やコハルのダークフレイム、アカツキのファイヤーブレスも威力が落ちている可能性がある」
地球に戻って2週間、国防軍の鈴木と本田が訪ねて来た『ビジターが現れそうなので一度見ておきたくないか?』と言う、ビジターは常に攻めて来ているのではなく突然地面や山の斜面等に穴を開けて出てくる、近くに穴の開く兆候がみられたので同行させてくれるらしい、勿論二つ返事で同行させてもらう
今回も鈴木と本田のペアで行動しているがまだ本田の声を聞いていない、また本田はずっと俺を見て鑑定?しているように感じる
乗車前に契約獣にと首輪を渡された、間違って攻撃されないためのモノで銃口を向けると安全装置が作動する仕組みになっている、ビジターは数種類いて今も種類を増やしているので戦場に行く契約獣には装着が義務化されている
車で1時間移動すると住民が避難を終え道路の亀裂を軍が囲んでいる、暫く待っていると亀裂が広がり中から巨大なクワガタ虫のような形をしたものが出て来た
『撃て!』の号令で射撃するがダメージが無い、すると手に金属のグローブをした1人の男がビジターの前に
「ファイターの異能力者だ、他にアーチャ、セイバー、ウイザード、ニンジャが代表的な異能力だ」(鈴木)
ビジターも相手の強さは分かるようだファイターを前に歩みを止めた、大顎を広げるかと思っていたが逆に閉じて一段低く構えた、突っ込んでくるつもりだ
ファイターは構えて睨みつけている迎え討つつもりに見える、両者が真っ直ぐに動いてバキバキと音が響く、右ストレート1発で銃弾を寄せつけなかった大顎と頭を砕いた
「まだ穴に反応があります、反応3」(兵士)
「大型は最後に出てくる事が多いのに珍しい、しかもあと3匹か」(鈴木)
「バズーカ準備完了」(兵士)
先程よりやや小さい同じクワガタ型のビジターが3匹現れた
「撃て!」
『ドーン、ドーン、ドーン』と音が鳴り響き埃が舞う、ファイターは構えを解かず埃が舞う場所を睨む
それぞれ傷は負ったがビジターは3匹共に生存、3匹のビジターがファイターに襲いかかる、1匹はファイターのパンチで死んだがファイターも脇腹を負傷した
「黒須殿、君達で残りの2匹をなんとかしてもらえないか?」(鈴木)
「分かりました、皆んな行くぞ」
俺は念話で[戦いは任せた、俺は当分はテイマー兼ヒーラーと言う事にしておくから頼んだぞ]と伝えた
「ソフィア、俺達はファイターの救護だ」
俺とソフィアはファイターの傷をヒールで治し離れた場所に移動させた
ビジターは最初のバズーカの影響か契約獣達が楽々と討伐してファイターも助かった
「随分と慣れていらっしゃる、お陰で貴重な戦力を失わずに済みました」(鈴木)
「異世界ではこの様な戦いは日常的でしたから」
国防軍の異能力者が1人?おそらく別の場所へ派遣しているのだろう、戦力不足を補うのと俺達の実力を試すために誘ったんだろう
とりあえず国防軍へ貸しを作る事が出来たと思う




