174、新装備
異世界でチート能力を授かった男のありふれた物語
俺達はサンデル国の首都を出発して北西に向かって旅をしている
馬車は乱丸が引き手綱を持つ必要は無い、ソフィアはアカツキと飛行訓練をし、俺は馬車の上で瞑想して魔力を高め、ノエルは針を飛ばす練習をしている
ソフィアが強くなりノエルも刺激受けている、そして俺もワイバーンに乗り飛行するソフィアを見てクロエイでの飛行を考えている
このグミラス星以前いたロベリア星より重力が強く大気密度が濃いため飛行し難い、俺の魔力は此方に来て大きくなっているがそれだけでは以前と同じようには飛べない、クロエイの改造を行う事にした
俺のクロエイは地球のB2戦略爆撃機のような形をしている縦約3、5m×横約7mのクロエイに乗って飛行していたが強い重力と高密度の大気の抵抗で魔力消費が激しい、そこでクロエイの中央部を薄くして前方に強化ガラスの風防を取り付ける、後方には風属性の魔石を取り付け推進力の補助をさせる、素材を見直して軽量化もしたかったが良い物が無いのでおいおい行っていく予定だ
皆が寝静まった後にこの改造を行い3日で使えるようになった
作業を終えた次の日
「今日から俺も飛行訓練をする」
「そのデッカイので飛ぶんですか?」(ノエル)
「そうだ魔力飛行機のクロエイだ」
ジロジロとクロエイを見るノエルとソフィア
「コレが飛ぶんだ、、、」(ノエル)
「じゃあ今から飛んでみる」
俺はクロエイに乗り魔力を流す、ロベリア星の時と同じとは言えないが乗りやすくなった
俺とソフィアが空を飛ぶ様子を見上げているノエル
「俺だけか飛べないのは、あの2人が特殊なだけだ、僕は気にしない」(ノエル)
1人呟くノエルの表情はいつもと変わらない、空から降りてくる俺とソフィア
「ノエルも飛んでみたくないか?」
「、、、僕はゆっくり旅したいだけだから、ただ飛ばないと行けない場所があるなら飛べるようにはなっておきたいです」(ノエル)
いつかは飛べた方が良い状況が来るだろう、次の町でもう一機の魔法飛行機を作る事にした
旅を再開して数日後、ポルトン国のドチェスと言う町に着いたが、アカツキを見て門で入町者を確認する自警団員が集まっている、白狼とワイバーンを連れたパーティーなんて滅多にいないだろうから慌てているだけのようだ、契約獣である事が確認出来ると通過出来たが町に入るとまた注目されてしまう
短時間ならペットハウス魔法で収納出来るが長時間収納すると契約獣の忠誠心に影響するため極力契約獣を収納しないようにしているが、ワイバーンは注目を集め過ぎるようだ
この町には中型以上の契約獣と宿泊出来る宿は無く自警団の空き倉庫を宿代わりに貸してもらった
俺はクロエイ作成にちょうど良いと思ったがソフィアはフカフカのベッドで寝たかったと不満を漏らした、ソフィアは自分の契約獣が原因であると分かっていないのだろうか?と思ってしまう
ノエルとソフィアに買い出し等を任せて俺はノエル用のクロエイ作成に専念する、過去の弟子達が使用していた物を流用して作るので3日で出来上がった
この星の特性に合わせ軽量化と風防を付けて風の抵抗を軽減させたモノをノエルに渡すと1時間と経たないうちに乗りこなしていた
「どうする?3人共に飛行出来るなら上空から見物していけば大陸観光は簡単に済むぞ」
「ゆっくりと回りたいから飛ばないと進めない状況になるまでは使いたくはないです」(ノエル)
「私もゆっくり周りたいかなぁ」(ソフィア)
「分かった、それなら今まで通りに馬車で行く、明日出発する」
「クロコ、その前に装備を整えたいのですが」(ノエル)
「何が必要なんだ?」
「小型の盾です、左手に装備して裏を針の保管場所に出来ればと」(ノエル)
武器屋で買う事も考えたがノエルの特殊な能力を活かすため出発を遅らせ作成する事にした、シールドソードの試作品を流用してノエルの装備を作成した、剣の部分を脱着出来る大きな針に変えガントレットシールドに鉤爪を組み合わせたような装備を作った
「ノエル、俺のイメージで作ってみたがこれでいいか?」
ノエルに作ったモノを渡すと装着してじっくりとみている
「いいって言うか僕の想像の上をいってます、脱着の大針は考えていなかったので」(ノエル)
「そうか気に入ってくれたか、お前が気に入らなければ俺が使おうかと考えていた、これもお前に渡しておく」
俺は脱着の針の予備をノエルに渡す、おそらくこの装備を使いこなす頃にはノエルは大陸でトップを争う実力者になっているだろう、これほどの才能を持った人材でも性格が集団行動に向かないと軍では使い難いのか?平気で不要と扱う、お陰で俺は楽に旅している
試しに近くの狩場で装備を使って獣狩をさせると1人で次々と獣を倒す、雑魚を討伐するだけなら俺より早いかも?と思わせる強さだ
因みに雑魚に向けて針を投げる時は心臓を止めろと念じて投げるらしい、魔法防御出来る者には即死効果を与えられないが人でも獣でも雑魚相手なら何処でも刺されば即死する
広範囲魔法ならもっと効率良く敵を倒せるが選別が出来ない、オートマタは狙った敵を倒せる、一長一短と言ったところだ
旅を再開させよう




