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170、ナラト領 1

異世界でチート能力を授かった男のありふれた物語

 グミラス星での旅、獣人の国を出て最初にサンデル国ナラト領に来たが雰囲気の悪い町だったが、ノエルの希望でこの町に滞在することになる


 「ソフィア!部屋を2つとって何で俺とお前が同室なんだ?普通俺と乱丸、ノエルとお前だろ!」

 「私は師匠のお世話係ですから同室が当然です」(ソフィア)

 言い合っても同じ事の繰り返しになるだけだと思い俺はこの件は諦めた、亡くなった嫁以外では乱丸としか安心して熟睡出来ないのになぁ〜と思いながら我慢する

 

 次の日からノエルが町の中を見て回っている、町の現状把握と領主や自警団の事を調べていると思われる

 俺は何もするつもりは無い、暇だから評判の良い酒場探しをしている

 ソフィアは乱丸を連れて町の探索(乱丸はソフィアの護衛として同行させている)

 町の状況は調べなくても自然と耳に入ってくる、この地区は首都から離れ国の力が届いてない、荒くれ者が数人集まれば自警団では対処出来ないと言う事で町が荒れているらしい

 町には訳ありの人が集まり治安は悪くなる一方で古くからの住人は困っている

 本来なら領主がなんとかするべきだが、力不足の者が跡継ぎだったと言う事のようだ

 この状況でノエルは何をするのか?楽しみに見てみることにした


 俺が酒場の情報を収集している時、ノエルは昨日片手を斬らさせた悪人の居場所を見つけ実験をしている

 「片手だと生活し難いだろ」(ノエル)

 「貴様昨日の、、、何しに来やがった?」(ギレン)

 「お前達に世の中の役に立ってもらおうと思って探していた」(ノエル)

 「役に立つだと?頭おかしくなったのか?」(ギレン)

 「先ずは此奴から」(ノエル)

 ノエルは悪人の1人の足をナイフで傷つけ同時にまち針を刺す、その悪人は傷つけられた足を引き摺りながら走り崖から落ちていった

 「僕の操作中も痛みは感じるようだな、でも躊躇いなく崖から落ちていったと言う事は恐怖はなくなるのか?それともただ僕の命令が優先され意思とは全く無関係で身体が動くのか?」(ノエル)

 「お前何しているんだ?」(ギレン)

 「実験だよ、僕自身自分の能力をまだ理解してないからね」(ノエル)

 ノエルは6人の悪人を使って実験をした、ノエルの周りには悪人の死体が転がっている

 「君達のお陰で自分の能力が理解出来たよ、ありがとう」(ノエル)

 微笑みながら死体に向かって話すノエル


 現在確認されているノエルの能力オートマタは、命令を念じて刺したまち針が対象生物に刺されば一定時間又は命令が達成されるまでノエルの念じた通りにしか動けない、針が抜け落ちても解除されない、次の命令を念じて刺しても上書きされないが、オートマタ解除と念じて刺せば解除され新たな命令を与える事ができる

 また命令された生物は恐怖心が無くなり最大限の戦闘能力を発揮する事が出来る、針は無防備の相手なら投げて刺す事も出来る等が分かっている


 ナラト領の町に来て1週間が経った、ノエルは昼間1人で出て行き夜遅く帰って来る生活をしている、飲み歩いている俺より遅く帰って来る事もある、そして俺達が滞在し始めた頃から町にいたガラの悪い連中が減ってきていると町で治安の回復を喜ぶ声が聞こえるようになった、ノエルが何かしているのだろうか?

 「ノエル、お前は昼に宿を出て夜まで何をしているんだ?」

 「町を見回っているだけですが」(ノエル)

 「本当にそれだけか?最近この町にいたガラの悪い連中が減ってきているが何か知らないか?」

 「見回りの成果ですかね?」(ノエル)


 何もしていないと言い張るノエルだったが、行動が怪しすぎるので付けてみる事にした

 インビジブルの魔法を使い絶対にバレないようにする

 付けていると一応見回りしているように見える、町の人達と会話して情報収集?積極的に人と話し少し前のノエルからは想像出来ない姿だ

 尾行を始めて2時間ノエルがターゲットを見つけたようだ、人けのない場所に来た時ノエルが針を投げ刺した

 森の中に入って行きノエルが実験を始めた、色々と試したのちに自害させた

 夜な夜なノエルは輩を見つけ人体実験をしている、顔つきが今までとは違い悪魔にでもなったかのように人が苦しむのを楽しんでいるように見える


 俺は先に宿に戻り準備する

 「ソフィアこれ使った事あるか?」

 俺は手錠とロープを投げて渡した

 「クロコはこう言うのが趣味だったんですね」(ソフィア)

 モジモジしながら顔を赤くして喋るソフィア、予想通りの反応だ

 「お前じゃないぞ、ノエルが帰って来たら拘束するぞ」

 「クロコは男もいけるんですね」(ソフィア)

 ソフィアの頭に1発ゲンゴツを入れる

 「勘違いするな馬鹿、黙って言われた通りにしろ!」


 拘束する準備をしてノエルの帰りを待つ、1時間後にノエルが帰って来た、乱丸がボディプレスで押さえつけソフィアが手に俺が足に手錠をかけてロープで巻いて拘束する

 「みんな何するんですか?」(ノエル)

 「ノエル今まで何していた?」

 「見回りですよ、見回り」(ノエル)

 「嘘をつくな!見ていたんだぞ」

 「へぇ〜、尾行していたんですか?趣味の悪い事を」(ノエル)

 ノエルの表情が一気に変わる

 「あなたノエルなの?クロコこれは?」(ソフィア)

 「何かに取り憑かれたようだな、ノエル楽にしてやるよ[サンクチュアリーサークル]」

 ノエルが気絶した

 「ノエルに何したのですか?楽にしてやるって、、、」(ソフィア)

 「安心しろサンクチュアリーサークルで呪いを排除しただけだ、ノエルは急に大きな力を得た事で精神が安定しなくなった、その不安定な心に邪悪な呪いが取り憑いた、念の為明日までそのままにして明日起きたら説明しろ、今日は乱丸と寝る、ソフィアはノエルの様子を見ていろ」

 乱丸は寝ていても危険察知能力が高いから今日は安心して寝れる


 翌朝、正気に戻ったノエルは元の臆病で控えめな性格に戻っていた

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