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168、ノエルの能力

異世界でチート能力を授かった男のありふれた物語

 俺とノエル、ソフィア、契約獣の乱丸でパーティーを結成して新たな生活が始まる

 未だ生徒って感じだがパーティーメンバーとして対等の立場って事にして、俺の事はクロコと呼ばせるようにした、一人前と自覚させるためにと、俺の責任を少なくさせる為だ

 俺はこの星でのんびりと生活するつもりだったんだがなぁ〜


 「お前達2人は貧乏くじを引いたな、警備隊員になれば給料貰えて食事も出ていただろうに、、、」

 「いいえ、当たりくじですよ、ノエルもそう思うでしょ?」(ソフィア)

 「、、、たぶん」(ノエル)

 「何が当たりか分からないが、、、」

 こんな感じで、ソフィアとノエルとの生活が始まる


 アレンは分身が個人特有の魔法として発動した、サーシャのクローンと同じ魔法だがアレンは分身と名付けている

 ヒビキとカルロスも俺の鑑定で見ればもうすぐ発動すると予想出来る、ソフィアは数少ないヒーラーで重宝される存在だ

 ただノエルは魔力総量も十分で魔力の中に特別なモノを感じるのだが、何故か個人魔法が発動しない、ノエルに魔力を流してもらって俺のオペレーター魔法が使い易くなった、おそらくノエルの個人魔法は何かを操作する能力だと思う、既に発動出来ている者の魔力のように感じるが今現在発動出来ないのは、、、イメージ出来ていない?やる気がない?よく分からないがそのうち使えるようになるだろう

 再度ノエルを鑑定してみると魔法名が薄く表示されている、発動条件が揃えばいつでも使える状態になるが何が発動条件か分からない


 日本では『獅子の子落とし』と言う言葉がある、ノエルを厳しい状況に追い込めば覚醒するかも?

 ノエルとソフィアを連れて草原の見渡せる崖の上に行く

 「ノエルあそこにバッファローの群れが見えるだろ、1人であの群れの中に行き1匹狩って来い」

 「クロコ〜、バッファローって凶暴なんですよ」(ノエル)

 「知っている」

 「俺死ぬかもしれません」(ノエル)

 「かもな、ごちゃごちゃ言ってないでさっさと行け!行かなければ俺の魔法を受け確実に死ぬ、好きな方を選べ」

 「行きますよ、死ねばいいんでしょ」(ノエル)

 渋々バッファローの群れに歩いて行くノエル

 「クロコ、、、ノエルは大丈夫なんですか?」(ソフィア)

 「人は追い込まれて力を発揮するモノだ、ノエルが覚醒すればバッファローくらい、、、あ!飛んでるな、、、」

 バッファローの群れに弾き飛ばされて宙に舞うノエル

 俺は転移魔法を使いノエルを救助するが傷だらけで意識がない、ソフィアがヒールで治療すると意識が戻った

 「ソフィア〜死ぬかと思った」(ノエル)

 同じような事が3日続いた


 家に戻り夕食後ノエルはリビングで破れた服を補修している、俺はその姿を見てノエルの魔力が変化している事に気づいた(ノエルは魔力で針を動かし裁縫を行っている、本人は普通に手で作業していると思っているようだが)

 「ノエル明日も今日と同じ訓練だ」

 「僕を殺す気ですか?」(ノエル)

 「お前が自分で気付けば怪我はしない筈だ」


 次の日午前中に基礎訓練を済ませて午後から昨日のバッファローの群れのいる場所に行く

 「今日はこれを持って行け、あとは自分で考えろ」

 俺はノエルに裁縫道具を渡す

 バッファローの群れに向かってゆっくり歩くが途中で立ち止まった

 「ノエルは何を?」(ソフィア)

 「覚醒?考えているんだよ、どうすれば戦えるか、答えが出れば個人魔法が発動する」

 明らかに昨日までとは違う雰囲気で再び歩き出す、ノエルの存在に気付きバッファローが襲って来るが、攻撃を躱すとバッファロー同士の戦いが始まった

 「クロコ、、、どうなっているのですか?」(ソフィア)

 「ノエルが一部のバッファローを操っている」

 バッファロー同士が争っている中、弱った1匹に止めを刺してマジックバックに入れ戻って来る

 「狩る事が出来ました」(ノエル)

 「よくやった」

 その日はバッファロー肉の料理を食べて1日を終えた

 ノエルの能力は物を自在に操るオペレーターかその上位の魔法かと思っていたが、予想より強力な魔法だった


 翌日からノエルの個人魔法の実験が始まる

 魔法の名前は〈オートマタ〉、まち針を刺した生物を操る能力、現状では10体を3分程度操る事が出来るようだが、命令の変更は出来ない、Aを攻撃と命令した針を刺せば3分Aを攻撃するがAが倒れれば命令は終了する、訓練すれば対象数も時間も増えるだろう

 まち針が刺さればどんな生物でも操れるなら集団戦で有利に戦う事が出来る、俺も敵にしたくないと思う能力だ、しかも俺の複写でコピー出来ない特殊能力

 「ノエル、今後はどうする?今のお前の力なら獣人の国の警備隊が欲しがるだろう、ソフィアと一緒に戻るか?」

 「何で私が一緒になっているのですか?」(ソフィア)

 「自分の故郷のために働く良い事じゃないか、回復術師もレアな存在だ、俺の側より能力を活かせる」

 「クロコ、僕は獣人の国には帰らない、役立たずで追い出された事を有意義にするために外の世界を見ようと思います、それにパーティーメンバーとは言え、まだクロコの生徒ですから今言った事は一人前と認められてからの話しです」(ノエル)

 珍しくハッキリとした言い方をするノエルに意志の強さを感じる

 俺にまだ何か習いたいらしいが、俺はもう大した事を教えれる気がしない

 「お前はもう一人前だ、生徒じゃない、で外の世界を見るとは?旅にでも出るのか?」

 「住み心地の良い何処かの町で冒険者をしながら普通に暮らして過ごそうと思います、僕は人との争い事とか苦手で静かに暮らしたいので、、、」(ノエル)

 「採取と獣狩りで生活するか、、、ノエルらしいな、それなら今日から俺は乱丸と自由に生きていける」

 「クロコ、私の存在が消えていますけど」(ソフィア)

 「ノエルと一緒に暮らせばいいじゃないか?俺は自由に生きていく相棒は乱丸だけでいい」

 誇らしげな顔をする乱丸

 俺は乱丸と旅に出る事にした

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