表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
166/193

166、グミラス星での新生活

異世界でチート能力を授かった男のありふれた物語

 大昔、グミラス星には幾つかのゲート(門)が存在していた、ゲートは遠く離れた地を結び異世界(異星)間で交流していたが、大地震でその姿は地中に埋まり現在ではその存在は忘れられている

 幾つかのお伽話にゲートを潜り異世界へ旅立ったと言う話がある、そしてゲートは今も実在し何処かに埋もれていると言う話しを獣人の長から聞いた事がある


 日本の昔話『浦島太郎』はゲートを通って異世界を往復した話かもしれない、『桃太郎』は異世界から来た勇者かもしれない、そして『神隠し』は異世界召喚かもしれない、地球と異世界は実は昔は行き来があった?

 長の話を聞いているとお伽話や不思議な出来事は異世界の魔法が原因かもと思えてしまう

 

 俺はその話しを聞いてもしかしたら地球へ帰れるかも?と一度は思ったが、長い年月が経ち戻る意味は無いと考え生活している


・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・


 俺は今、グミラス星の森に住んでいる

 川で魚を取り、山で狩りをしながら乱丸と共に生活している

 ゆっくりと長期間過ごすのは妻マリーが亡くなった時以来だ

 異世界に転移して初めて何も考えずに長閑に暮らしている

 森の外では人同士の争いが絶えないようだが俺には無関係な出来事

 俺は気分次第で場所を変え馬車に住み、時々町に行って買い物をする

 戦闘能力維持のためトレーニングと、この星独自の魔法の勉強は行っているが、自分達の食する狩しか行っていない、毛皮等食べられない部分を売って町での買い物に使う生活をしている

 魔法の勉強は週一で獣人の国へ行き習っている

 獣人の国ではスタンダードな魔法の使い方に魔力の物質化と物質の操作がある、サーシャのクローンもその1つで自分と同じ形の魔力を切り離して操作する魔法、俺は切り離して操作するのは苦手で、未だ覚えられていないが、物質の操作は糸を繋げた状態であれば可能になった〈マリオネット〉が魔法の名前でクローンが無線操作でマリオネットが有線操作で見劣りするが、魔力を物質化した物でなくても死骸でも生物でも操作出来ると言う利点もある、糸の先に付けた針を刺すだけの発動条件で便利が良い、マリオネット用の針と糸は両腰に小さなリールを付け常に使えるようにしている、普段はベルトの装飾としか見えない

 物を操作する魔法はオペレーターと言うのを得ていたが、マリオネットに統合された



 俺は約1年のんびりと過ごし次の生活を考えているとサーシャが訪れて来た

 「クロコ、コイツら鍛えてくれないか?」(サーシャ)

 サーシャは若い獣人5人を連れている

 「俺に何のメリットも無い話だな」

 「フフフそう言うかと思って、これを持って来たわ、獣人の国に新規オープンする『獣人バー・ガジュマル』の永久VIPフリーパスカードこれでどう?」(サーシャ)

 正直喉から手が出る程欲しい

 「鍛えると言うのはどの程度とか、期間とか色々あるだろう?条件次第だ」

 「コイツら今年の新人だけど使い物にならなくて困っている、1人でオークを倒せる程度に1年以内にして欲しい、一緒に住む家は用意してある」(サーシャ)

 俺は5人を鑑定した、1人目アレン(狼獣人)はクローンが使える体格も良く問題なし、気性の荒い性格が問題か?・2人目ソフィア(狐獣人)は回復術で戦闘能力は低い、おっとりとした性格で戦闘要員向きでは無い・3人目カルロス(犬獣人)は剣士で得意魔法は無い、冷静で賢いが臆病な面もあり・4人目ノエル(犬獣人)は魔術強化?てのは全属性魔力が強いって事か?料理や裁縫が得意で大人しい性格・五人目ヒビキ(猫獣人)は弓使いで得意魔法無し、粗暴な性格、これがサーシャから聞いた個々の情報と俺の鑑定結果、回復術師に1人でオーク1体は難しいなあぁ、、、

 「回復術師に1人で1体は難しい」

 「ソフィアは私の妹、貴方のお世話係に連れて来ただけよ、父シーマからのプレゼントよ」(サーシャ)

 「それなら4人が1人でオーク1体倒せればいいって事だな?世話係は要らねえぞ」

 「契約成立みたいね」(サーシャ)

 今の会話で何故契約成立か分からないが、サーシャからVIPカードが渡された、ソフィアは連れて帰って構わないと言ったが置いて帰って行った

 明日から4人の生徒?弟子?と1人のお世話係との生活が始まる、かなり苦労するだろうが週末の『獣人バー・ガジュマル』を楽しみにして頑張ろう


 翌朝俺は日の出の時間に弟子達を叩き起こす

 「全員起きろ!10分後に表に集合だ!」

 「なんだよ、こんな朝早くに」(アレン)

 「お前は野営している時に襲われたら、獣が準備するまで待ってくれると思っているのか?」

 「今日は野営じゃないだろ」(アレン)

 「それならこれから毎日野営していると思って生活しろ!今から走る付いて来い」

 丘の頂上を目指して走り出したが予定の半分の距離も走らずに全員が付いて来れなくなった、お世話係のソフィアは姉に鍛えられているのか、なんとか付いてきている、ノエルに至ってはひとり後方に離れ倒れている

 「もう走れないのか?小僧ども」

 「アンタどんな体力してんだよ」(アレン)

 「アンタ?クロコ様か先生と呼べ、俺はお前達が死んでも構わないと言われている、口の利き方は気をつけた方がいい訓練が厳しくなるだけだ、早速だが他のヤツが追い付くまでお前は腕立て伏せだ」

 「くっそー」(アレン)

 ソフィアが少し戻りヒールで回復させて3分後に全員が揃う

 「アレンなんで腕立て伏せしているんだ?」(カルロス)

 「俺が説明しよう、態度や口の利き方が悪いとこうなる、使い物にならなければ死んでも構わないと言われている、と言う事で俺はお前達が死んでも構わないと思って厳しく訓練する、全員覚悟しろ!」

 「鬼かよ」(ヒビキ)

 「お前腕立て伏せ100回」

 その場で腕立て伏せを始めるヒビキ、それを眺める他のメンバー

 「さあ行くぞ!」

 ヒビキの腕立て伏せ100回が終了するとすぐにランニングを再開した

 結局俺と乱丸が毎日20分で走っている距離を1時間以上かけて走って朝食前の訓練を終えた


 グミラス星での新しい生活が始まった



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ