16、ラクーネの出会い
異世界でチート能力を授かった男のありふれた物語
ドルドの町を出て更に西へ向かう、この国第二の都市ラクーネを目指して、天候や獣の出現状況にもよるが3日程度の予定だ
シーラは1ヶ月の料理屋経営で利益を上げ懐が暖かく上機嫌
「シーラ優秀にゃ♪料理美味しいにゃ♪お金いっぱいにゃ♪旅は楽しいにゃ♪」
「シーラあのまま料理屋で働いても良かったんだぞ」
「何言ってるにゃ、シーラもブラッククロスなのにゃ、シーラ優秀にゃ」
「シーラお前ブラッククロスの一員と言うのに俺のカード連絡番号聞かないよな、本当にパーティーメンバーの自覚有るのか?念の為聞くが、王様に俺の行動とか連絡して無いよな?」[バカは上手に嘘がつけない]
黙ったまんまだったので問い詰めたら王様からの任務とは俺の行動報告だと直ぐに吐いた、王様の番号を聞き出し【猫返品希望】とメールしたら【返品不可】と返って来た、シーラのカードには【個人情報流出罪】とメールが来た、猫が大人しくなった
今俺達が向かっているのはマイトル王国で王都の次に大きな街ラクーネだ、此処には大陸に2箇所しかない公営闘技場がある、他にも大陸には観光用闘技場が数カ所と闇闘技場が1箇所ある、闘技場に行けば面白い魔法が複写出来るかもしれない
移動中は屋根の上が俺の特等席で日差しも風も心地よい、長閑な景色の中をゆっくりと馬車の旅を楽しむ日本では考えられない贅沢だ、途中襲って来る獣は乱丸とアクアが制圧する、最近は襲って来る獣はステーキ肉に見える、異世界は素晴らしいと思いながら3日間順調に移動してラクーネに到着した
契約獣がいるので他の客に気兼ねなく過ごせる一棟貸切のロッジを借りる、移動中に狩った獣の毛皮、牙、角、食材以外は売り旅の資金にする
「さあ、闘技場に行くぞ、シーラ賭けで損するなよ」
「分かってるにゃ、シーラ賭け事嫌いにゃ」
闘技場は小さな球場のような感じでこの闘技場のルールは相手を殺さなければ何でもあり、戦闘不能か降参の意思表示で試合終了、ファイトマネーは勝者にしか払われないがその分多い、選手の勝ちへの執念が凄いと言う、平日は下位の選手の試合で週末に上位選手のビッグファイトが行われる
週末の試合までは見てもしょうがないので、ロッジで指輪の改造をする事にした[宝飾師技術も習得していて良かった]
俺は魔力の物質化は不得手なようで指輪に細い糸をつける事にした、手術用くらいのとても細い糸、専用の超小型糸巻きドラムを指輪につけ魔石を薄く加工してカバーにする、普通の指輪の厚みと変わらない見た目で完成した
俺が作業している間乱丸とアクアは一棟毎に付いている露天風呂に浸かっている、スライムのアクアもお湯は大丈夫みたいだ、シーラは街で買い食い三昧のはず
それぞれの休みを過ごし週末が来た、シーラは興味がないからと街へ遊びに行き、俺、乱丸、アクアの3人で観戦に行った、《闇魔法使いVS氷の魔剣士》魔剣士のアイススピアを闇魔法使いが手のひら程のブラックホールを出して吸い込む戦いが続き最後は魔剣士が剣技で勝利したが、相手を殺していいならブラックホールで相手を飲み込み闇魔法使いが勝っていただろう、俺は闇魔法の複写出来た、大きな収穫だ!
試合も全て終わり3人でロッジへ戻ろうとすると、途中でアクアがキュィキュィと鳴き出し走り出した、乱丸とアクアを追いかけると路地裏で少女が倒れている、今まで通って来た町や村にも貧困に苦しむ子供はいた、何故今回アクアが走り出したか不明である
「助けたいのか?」と聞くとキュィと鳴いてお辞儀をするアクア、何かあるのだろうと思いロッジに連れて行く事にした、話を聞けば予想通りの捨て子、名前はマリー、俺の鑑定で見ても普通の子だ、アクアが何を言いたかわからないが、帰る場所の無い子共ひとりだ、連れて行く事にした、俺達と行動するのが嫌なら逃げ出すだろう
コウ•クロスが見えているステータス
体力 9250k
魔力 15170k
火・ファイヤ、ファイヤボール、ファイヤアロー
水・ウォーター、ウォーターボール、ウォーターアロー、アイス
土・ロックバレット、サンドウォール、グランドスピア
風・ウィンドカッター、ウィンドウォール、サイクロン、インジェクション
光・ヒール、エリアヒール、オートヒール、キュア、エリアキュア、ピュリフィケーション、サンクチュアリーサークル、ブレッシング、プロテクション、オートプロテクション
闇・ブラックホール、ダークフレイム、ダークバインド
無・鑑定・アイテムボックス、ブースト、グラビティ、テイム、ペットハウス
特・複写、最適化、リングス




