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154、ギルド内の変化

異世界でチート能力を授かった男のありふれた物語

 俺は試験に合格して晴れてBランク冒険者になった


 「試験官を倒したクロコさん、おはようございます」(アベリア)

 「なんですか?その棘のある挨拶は」

 「私業務で見れえなかったので噂を聞いただけなんですよ《やり過ぎクロコ》とか《容赦ないクロコ》とか皆さん言ってますよ、良かったですね《偽Cランク》とは言われなくなって」(アベリア)

 「アベリア、いじめてやるなよ」(カウマグ)

 「ギルマス大丈夫です、他の方も似たようなものだから」

 「それなら当分続くのかな」(カウマグ)

 「それより困るのはパーティー勧誘に弟子入り希望が多い、数日だけだと思うが」

 「そうだろうな田舎じゃ指導者がいないからな、強くなろうとしても訓練してくれる人がいない」(カウマグ)

 「ギルドが初心者だけでも指導すればいいんじゃないのか?」

 「暇と教える技術があれば良いが誰もいないからなぁ〜」(カウマグ)


 今日も治癒所の業務は変化なし、午後は雨で外での訓練は出来ないので地下訓練場へ行く

 明らかに俺の後ろに数人付いて来ている、俺の訓練を見て真似ているようだがレベルが違いすぎる

 俺の邪魔にならなければ気にしない、翌朝俺のランニングに後ろから付いてこようとする者がいるが途中でいなくなった、どうせ三日坊主だろうと思っていたが4、5人は相変わらずに俺の行動を見て真似しようとしている


 「クロコ教えてやってくれないか?」(カウマグ)

 「それはギルドからの依頼か?」

 「お前金取るつもりか?」(カウマグ)

 「勿論だ」

 「分かった、1回教えて反復訓練すれば強くなれるような事は出来ないか?」(カウマグ)

 「出来ない事はないが準備が大変だ、物を作るのに作業場が必要だな鍛冶場もあると嬉しい」

 「作業場ならギルド裏の倉庫が半分以上空いている、木材と古い工具は倉庫にある足りない物は言ってくれ、鍛冶場は知り合いに頼んでみるが難しいかな」(カウマグ)

 「分かった引き受けよう報酬は結果を見てギルマスが値段を決めていい」


 俺は午後から倉庫で物作りをする日々を送る、前世界のカリビ王国で作ったのと同じ物を作る

 出来上がった次の日新人の受講希望者を数名集めて講習会を始める

 「まずは俺がやってみるから同じようにしてくれ」

 木材で作った壁に縦横斜めの溝、そして円の穴を開けただけの物の前に立ち溝や穴の通りに縦横斜め最後は突きと素早く木剣を振る

 「剣士はブースト魔法で素早く動き狙った場所に正確に剣を振るこれだけだ、最初はゆっくりでいいから正確に溝に剣を通せ」

 受講者が俺と同じように剣を振るが溝に通せずに壁を叩く、受講者が交代で試すが初回から上手くいく者はいない

 「クロコこれで少しはマシな冒険者が出来そうだな」(カウマグ)

 「これはあくまで剣を決められた場所に振る訓練、身体強化をして効果が大きくなるもの、日々の鍛錬次第だな」

 「剣士の訓練は分かったが、魔術師は?」(カウマグ)

 「裏の空き地に準備している」

 空き地には12本の番号が書かれた石柱が20〜30m先に不規則に立ててあり、射撃場は3mほど高く長さが20mくらい作っている

 「これは石柱に撃てばいいのか?」(カウマグ)

 「そうだが12面のダイスを3つ用意してある、出た目を3つ続けて撃つ、台の上は動かずに撃つ訓練、弓使いが主になると思う、下は障害物として岩があるから岩を飛び越え着地と同時に撃つ訓練、魔術師向きだな、出来る限り早く3つの的に当てる訓練だ、意外と難しいぞ」

 俺はお手本を見せる、ダイスを3つ振り走る岩は高跳びのベリーロールのように身を回転させ飛び越え着地と同時に1発撃つ同じように飛び越えては撃つを繰り返す

 「順番でやってみろ」

 これも全員が失敗に終わる

 「ギルマス、数字の部分は取り外せる時々数字を入れ替えをした方が訓練になるからギルドで管理してくれ」

 「分かったが、かなり重たそうだな」(カウマグ)

 「ギルマスとトーマスの仕事にすればいいだろ、金属の棒の先に数字のプレートを付け簡単に変更出来るようにするつもりだったが鍛冶場が用意出来なかったんだ、ギルマスの責任だ」


 講習会をして1カ月訓練場は好評で利用希望者が順番待ちをする日も出来てきた、俺が突貫工事で作った物はしっかりとした物に作り直され多くの者が利用している

 近隣の町のギルドが見学に来て各地に似たような施設が作られているらしい

 冒険者の技量が上がり依頼は次々と達成されギルドは喜ぶが俺の患者は減っていく一方だった

 俺はそろそろ次の場所に旅に出ようと考え始めた

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