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152、口は災いの元

異世界でチート能力を授かった男のありふれた物語

 俺は昨日の試験でCランクにランクアップした訳だが、試合をしたのは乱丸のみ、俺は契約獣に守ってもらっている弱々しい治癒魔法師と言う事になっている

 それは別に構わないが、最近の若者は(この言葉を使うのはジジィの証?)馬鹿で礼儀知らずと言うか、俺に「最弱クロコ」とか「契約獣なしでは何も出来ないクロコ」とか罵声を浴びせて来る不愉快なヤツがいる

 《偽Cランク》これが今俺につけられた二つ名だ

 しかし俺も大人、気にせず生活している


 今日も通常通り朝のランニングから1日が始まる

 〈クロコの治癒所〉の業務は1日20人前後で安定している、午後は訓練の時間で1、2時間程度狩りの実戦をする、最近はボア狩りをしていたが、次の標的を考えないと訓練にならない

 「アベリア、そろそろボア狩りでは物足りなくなった次は何がいる?」

 「そうですね毎日半日とは思えない戦果ですものね」(アベリア)

 アベリアが今日の獲物を慣れた手つきで確認しながら考えている

 「クロコさん向きと言う訳ではないですが、ギルドが今して欲しいのは森の先の石切場に出るマンティスですね、出没すれば石切の作業が出来なくなるのと、マンティスの素材はギルドが欲しいから、お願いできるかしら?」(アベリア)

 「分かった明日から少し狩ってみよう」

 「助かるわ、これで食堂のメニューも変わるわ」(アベリア)

 「食堂のメニュー?」

 「気がついて無かったの?貴方達が大量にボアを仕留めて来るから、ギルドの食堂以外に周りの食堂でも安くなったボア料理が増えてるでしょ、明日からは狩りすぎないでね」(アベリア)

 「そうだったのか、俺はボア料理好きだから気にならなかった、同じ獣を狩り続けるのは良くないって事だな、次から気をつけるよ」

 次の日の午後森を抜け石切場へ行く

 「乱丸この辺りがマンティスの出没場所だ、気配察知は得意か?」

 [狼としての一般的なレベルはあります](乱丸)

 「マンティスが来たら教えてくれ、俺は此処で魔法の訓練をしている」

 [承知致しました](乱丸)

 [リングス][ムーブ][ダークバインド][ポイズン][ファイヤーボール]、、、etc

 俺はひと通りの魔法を試してみる、この世界に来て魔力消費が前世界の時より早い、風魔法での飛行距離が制限されるのが不便だ、魔法は威力が落ちているが今まで通りに全て使えるようだからすぐに困る事は無い

 [主人様、何かの気配が此方に](乱丸)

 「マンティスだったらいいな、羽と鎌が素材として売れるらしい、傷つけるなよ」

 [承知致しました](乱丸)

 「来るぞ」

 大きなマンティスが出てきた、俺が剣で胸を刺す、同じタイミングで乱丸が頭を刎ねた

 「乱丸今のは俺の攻撃で終わるところだろ」

 [主人様お言葉ですが私の攻撃の方が早かったので](乱丸)

 「ハハハ乱丸言うなぁ、承知致しましたと言うだけよりずっといいぞ、俺はお前をその辺の契約獣と同じようには扱わない1人のメンバーだ、ただしリーダーは俺だ」

 「了解」(乱丸)

 「今からマンティス狩りの競争だ」

 [了解、私が勝ちます](乱丸)

 次々と出て来るマンティスを俺と乱丸で競いながら倒していく

 「乱丸、時間だ」

 [了解、私の勝ちですね](乱丸)

 「乱丸ちょっと調子乗りすぎだぞ」

 「、、、ウヲォン」(乱丸)


 狩ったマンティスを集めてギルドへ向かう、森の中の道を歩いていると森の奥から『ガサガサ、ビューンビューン、ウォーウォー、イテテ、ウグッ』木々の擦れる音、獣の鳴き声、悲鳴?戦いの音がする

 「乱丸見にいくぞ」

 [了解](乱丸)

 戦いが見える場所に行くと3人と数頭のボアが戦っている、冒険者が押されている状況

 [主人様助けますか?](乱丸)

 [動くな横取りは良くない]

 冒険者を良く見ると見覚えのある者だった

 [乱丸絶対に動くなよ、俺が片付ける]

 [了解です](乱丸)

 絶対に勝てないと思える状況になって俺は冒険者とボアの間に入る

 「冒険者ギルドでイキがっていた小僧じゃないか、偽Cランクの助けが必要か?」

 「、、、、」

 冒険者は無言のままだ

 「返事がないなら俺は去るからな」

 「待ってください、助けてください」(冒険者)

 俺が数頭のボアを殺すと他は逃げて行った

 「乱丸来い、コイツらを道まで運べ」

 [了解ですが道までで良いのですか?](乱丸)

 「構わない」


 3人の冒険者を道まで運び道に置く

 「あとは自分で帰れ、それと俺はお前達の治療はしない、自力で治すか町の治癒所に行け」

 [主人様に罵声を浴びせていたヤツらですか?](乱丸)

 「そうだ、命だけは助けてやった十分だろ、帰るぞ乱丸」

 「ウワオォーン」(乱丸)

 「どうしたんだ急に吠えて」

 [少しは獣避けになると](乱丸)

 「優しいな乱丸は」


 乱丸とギルドに戻り大量のマンティスを出すと

 「2人共狩りすぎは良くないって言いましたよね!だいたいこの量どれだけ奥まで行って狩ってきてるの危険でしょ!他の冒険者もいるし生態系が壊れるでしょ、、、、etc」

 俺と乱丸はアベリアから長い長いお説教を聞かされた

 置いてきた冒険者は町の治癒所で高額な料金を払わされ借金に苦しんでいるらしい

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