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148、サーシャ

異世界でチート能力を授かった男のありふれた物語

 奴隷として買ったサーシャとの新生活が始まった


 奴隷店で劣悪な生活をしていたせいで体力がない、朝のランニングから苦労している


 「カリナさん、俺の相棒サーシャです」

 「受付のカリナです」(カリナ)

 食堂で簡単に挨拶を済ませる

 「クロコさん本当に買ってきたんですね」(カリナ)

 「あゝ一応回復術師だからな、護衛が必要だろ」

 「酔っ払っている時だけですね」(カリナ)

 「後で冒険者登録するからよろしく」

 「了解しました、私の給料のために頑張ってください」(カリナ)


 俺が治療業務をしている時間サーシャは訓練場で筋トレ等の基礎訓練をさせる

 午後サーシャに剣を持たせて草原へ行くホーンラビットで腕試しをさせる、元冒険者と言う事で向かって来るホーンラビットを怖がったりはしないが、体力不足で剣が上手く振れないようだ、初日はこんなものだろう

 ランニング、基礎訓練、狩りを1週間続けると剣も少し触れてくる、痩せこけていた顔も栄養が行き届いてきたのか、ふっくらとしてきた

 時間の経過と共にサーシャは健康的な容姿になっていく、白狐獣人は希少種で美人が多いと評判の種族、サーシャも美しくなりギルド内で評判になる、俺は鼻が高い


 更に数日の訓練で草原でのホーンラビット狩りはサーシャ1人でも大丈夫になった

 今日は患者が少なくて暇だ、受付に行ってカリナに相談事を話す

 「サーシャの首輪キツそうなんだけど外すとまずいのか?」

 「クロコさん馬鹿なの?彼女は奴隷よ外せば逃げるに決まっているでしょ」(カリナ)

 「そんなもんのかねぇ〜あの娘も此処は居心地いいと思うんだけど」

 「甘い考えね、私はそう言うの嫌いじゃないけど、でも外したら駄目よ」(カリナ)

 「患者が来たみたいだ、ありがとう」

 「男は可愛い娘に甘いから、、、絶対に外したら駄目よ」(カリナ)

 俺は手を振って患者のところへ行く

 それからサーシャの首輪を見る度に外したくなる衝動に駆られる日々を送る

 

 ある日の夜俺はサーシャを信用して首輪を外した

 「クロコさんどうして?」(サーシャ)

 「命を守ってもらう護衛、将来はパーティーメンバー、信用しないでどうする」

 「ありがとうございます、首元がスッキリしました」(サーシャ)


 翌朝の食堂

 「おはようございます」(カリナ)

 「おはよう」

 朝の挨拶をしたした時カリナはサーシャの首輪がない事にすぐに気付いた

 「クロコさん、後でお話が」(カリナ)

 「何の話だ?今じゃないのか?」

 「仕事の事だから暇になったら受付に来てください」(カリナ)


 午前の治療業務、治療開始を待っていた人達の治療が終わり一段落したところで受付へ行く

 「カリナさん、何かあったのか?」

 「あれだけ言ったのに何故首輪を外したの?」(カリナ)

 「何故って信用問題?命を預ける礼儀みたなものかなぁ〜」

 「クロコさんは今までどんな生活してたの?奴隷と言うものが全然分かっていない、、、etc」(カリナ)

 と長いお説教を聞く事になった


 そんな事があって3日後サーシャがいなくなった『お世話になりました』とだけ書いた手紙を残して

 「ほら言ったじゃない!」(カリナ)

 「カリナ、クロコは今ショックを受けているのだから、、、」(マーチン)

 俺は落ち込むだけだった

 「で、どうする?金も持ってないなら狩りをしてギルドを使う筈だが、ギルドネットワークで追う事は出来るぞ」(マーチン)

 「いや、追うつもりは無い、俺の失敗ただそれだけ、アイツが元気で生きて行ければいいさ」

 「なにいい人ぶっているの?一応教えておくけど、白狐獣人ってほとんどが東の小さな国出身よ、ギルドカードの利用履歴を追えば東に向かうと思うわ」(カリナ)

 「さっきも言ったが追うつもりは無い」

 「じゃあまた奴隷買いに行くのか?」(マーチン)

 「それもしない、買うなら契約獣が欲しい、出来れば白狼」

 「お前もう記憶が戻っているんだな、白狼は以前飼っていたのか?」(マーチン)

 「そうだ、サーシャと訓練しているうちに思い出した、全てでは無いが」

 「そうか、これからどうする?思い出したのなら故郷に戻るのか?」(マーチン)

 「故郷はもう無い、、、と言うか帰れない、、、」

 「そうかすまない、いらない事を聞いてしまったようだ、俺に出来る事があれば協力する、いつでも言ってくれ」(マーチン)

 「ありがとう、その時は頼む」


 俺は自分のパーティーは居心地が良いから逃げる事など無いと過信していた、加入希望者を断ったり、言う事を守らない者を追い出す事はあった、逃げられると言う事がこんなに辛い事だと初めて知った

 立場とか関係は違うが、過去にマリー達の前から姿を消した事を思い出し反省する

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