いつかの詩
猫をあやしていた君を
忘れたくないと心が告げる
思い出というには浅すぎた
君との毎日
そのことを考えれば考えるほど
増えてゆく
強がり
限りある命
それが今更憎くて
寂しい
心から幸せだと言える
出会い方をしたのに
こぼれ出した
思っていなかったものが
あっという間に
続かないものになる
交わした言葉は
どこまでも
目覚めることのない
君へ向かって
溶け込む
手足は投げたされたシーツに包まり
何時しか丁寧に消えるんだろう
側に痛い
側で居たい
胸のずきずきは深くなるばかりだけど
それでも
猫をあやしていた君を
忘れたくないと心が告げる
思い出というには浅すぎた
君との毎日
そのことを考えれば考えるほど
増えてゆく
強がり
泣くのは
もう少し先の
何年後かに